ようやくほぼ全ての冬アニメを見終わったので、感想をまとめていくことにします。
ちなみに、管理人が今期完走したアニメは全部で7作品です。
- ID:INVADED
- 地縛少年花子くん
- ランウェイで笑って
- 虚構推理
- ハイキュー!! TO THE TOP
- ちはやふる3
- 僕のヒーローアカデミア
これにプラスして、
- ONE PIECE
- 名探偵コナン
も見てます。
これらの作品に出演した声優についてのみ語っていこうと思います。だいぶ偏った内容になると思いますが、どうかご容赦ください。
津田健次郎
出演作『ID:INVADED』名探偵 酒井戸/ 鳴瓢秋人役、『自縛少年花子くん』土籠役 など
『ID:INVADED』すごかったですね。とにかく作品としてのパワーというか、勢いが凄まじくて、オリジナルアニメとしては久々にハマりました。そして引き込まれた一番の要因はなんと言っても、主人公を演じた津田さんの名演技です。圧倒的に悪役を演じる機会が多い津田さんの珍しい主人公役。まあ一筋縄ではいかない主人公で、ぴったりハマってました。
元警察官で殺人犯という設定からして捻くれた主人公鳴瓢と、その鳴瓢が精神世界(?)である『イド』に入った際の姿である名探偵酒井戸という、ほぼ一人二役。常に鬱屈とした表情で心の内が読めない鳴瓢に対して、見た目も声も若く爽やかな印象の酒井戸。かなり対照的な、けれど中身は同一人物という、めちゃくちゃレベルの高い演技を最初から最後まで見事に見せつけてくれます。
何と言っても、第3話、連続殺人犯の男(CV.平川大輔さん)を、話術と心理的攻撃によってのみ自殺に追い込むシーンは、平川さんの演技も相まって、聞いてるだけで背筋がぞくぞくするほど怖かったです。声を荒げることもなく、暴言を吐くでもなく、ただ淡々と、けれど確かに殺意が込められたセリフだけで人って殺せるんだなという説得力が凄まじかったです。これは歴史に残る名演技……。
それ以外でも、泣いたり慟哭したり怒りを露わにしたりと、冷静沈着なキャラを演じることが多いイメージの津田さんにしては、かなり情緒不安定なキャラクターで、1クールだけでもお腹いっぱいという満足感でした。津田さんの演技力を堪能できるという理由だけでも充分見る価値があると思います。(ストーリーももちろん面白いです)
M・A・O
出演作『ID:INVADED』 名探偵 聖井戸御代 / 本堂町 小春役 など
同じく『ID:INVADED』から。M・A・Oちゃん、めちゃくちゃ上手いですね。個人的には、キャラへの馴染み方が半端ないです。M・A・Oちゃんの声だな~というのは分かるのに、聞いていて全くM・A・Oちゃん自身の存在感がない。どんな役を演じても、しっかり役に馴染んでて全く違和感がないのが本当にすごいです。
本堂町は、一見真面目で正義感が強い女の子なのに、実は異常なまでの行動力と犯人確保のためなら殺人もいとわない、という中々のキレっぷり。長台詞も澱みなく並べ立てるところがめちゃくちゃかっこよかったです。
竹内良太
出演作『ID:INVADED』名探偵 穴井戸 / 富久田保津役など
同じく『ID:INVADED』から。連続殺人犯として第1話で登場後、物語の後半ではまさかまさかの超いいポジションで大活躍。穴井戸めっちゃ好きでした。かっこいい。
竹内さんというとわたしの中では、『魔法使いの嫁』のエリアスや『ハイキュー!!』のウシワカなど、生真面目で融通利かない感じのイメージがあったんですが、この富久田というキャラに関しては180度真逆。飄々としていて底知れない恐怖感と低音色気がちょうどいい具合に混じっていて最高に魅力的でした。う~ん、かっこいい……。こういう役もっとやってほしい。今後に期待大ですね。
緒方恵美
出演作『地縛少年花子くん』花子くん / 柚木普、つかさ役 など
いや~もう独壇場でしたね。七不思議の怪異の一つ花子くんと、その生前の姿の柚木普と、双子の弟のつかさ。実質一人三役です。もう緒方恵美劇場と言っても過言ではない。
他のキャストさんが若い人が多いのもあって、ベテランの実力をこれでもかと見せつけられた感じでした。可愛さ、不気味さ、かっこよさ、怪しさ、色っぽさ、儚さ……とにかくいろんな表情を見せてくれる花子くんを完璧に演じられていて、感動すら覚えます。う、うめえ……。
「ね……?」とかたった一言のセリフでも、めちゃくちゃいろんな情報が詰め込まれてるような、一音にありとあらゆる感情を乗せてくるあの技術はなんなんでしょう。うますぎか。ビビります。しかもそれを三人分って……おそろしい。緒方さんが好きなら絶対に見た方がいい作品です。
鬼頭明里
出演作『地縛少年花子くん』八尋寧々役、『虚構推理』岩永琴子役 など
今期は2作品で主役を務め、2019年には『鬼滅の刃』でヒロイン竈門禰豆子を演じた、今ノりにノっている若手女性声優さん。とにかく声が可憐で可愛らしい。禰豆子は鬼になった後はひたすら唸っているだけだったので、中々(演技的に)判断しづらかったですが、今期はめちゃくちゃ喋ってくれましたね。特に『虚構推理』。全体の7割方は鬼頭ちゃんが喋ってたんじゃない? ってくらいのセリフ量でした。お疲れ様です……。
『花子くん』では恋に恋する(?)乙女の寧々ちゃんで、『虚構推理』では怪異達の知恵の神として名推理(?)を披露する不思議系頭脳派ヒロイン岩永さんという、ほぼ真逆の主人公を演じ分けました。いや、猛烈に恋してるという点では同じかも……。
まだ若い声優さんですが、これだけ毛色の違うヒロインを演じ分けられるのはかなり将来有望ですね。楽しみです。
小林大紀
出演作『地縛少年花子くん』ミツバ役 など
はい。最高でした。元々、『アイドルマスターSideM』のセカンドライブでの水島咲役のソロ曲を聞いたのがきっかけで推すようになったんですが、最近じわじわと存在感増しててめちゃくちゃ嬉しいです。この特徴的な声は他にはいない最強の武器なので、どんどんいろんな役を演じてほしい。
中性的でちょっとわがままで強気だけど、本当は寂しがりで泣き虫という、可愛らしい演技がぴったりでした。あの小生意気な感じめちゃくちゃかわいい。でもかなり複雑なキャラクターでしたね。すっと切なげな雰囲気になるのもよかったです。
安済知佳
出演作『地縛少年花子くん』七峰桜役 など
か、かわいいいぃぃぃいい!! と転げまわりました。いやほんとうに可愛い。安済さんと言えば、去年の『荒ぶる季節の乙女どもよ。』で演じていた菅原新菜役でドはまりして以来大好きな声優さんなのですが、今回もまあとにかく可愛い。ちょっと気だるげでやや低めの声なんだけど、妙な色っぽさと儚さがあって、影のある美少女声。ドストライクです。ただこれまで演じてきた役を見るに、役幅はかなり広そう。今後もしっかりチェックしていきたいです。
瀬戸麻沙美
出演作『ちはやふる』綾瀬千早役 など
だいぶ間が空いてのTVアニメ第3期。久々に千早たちの声が聞けて感無量でした。この第3期においては、千早は泣くシーンがとても印象的でした。これまでの嬉し泣きや、負けた後の悔し泣きとは違う、重く、苦しい、じわじわと溢れだす痛みの涙。これまでの千早のイメージからすると、だいぶ弱々しさを感じる涙のシーンが多かったように思います。泣きながら、苦しみながら言葉を絞り出すところなど、共感して泣きそうになりながらも同時に、「瀬戸ちゃん泣き演技うめぇ……!」と何度も感激しました。
宮野真守
出演作『ちはやふる』真島太一役、『ハイキュー!!』宮侑役、『虚構推理』桜川九郎役 など
こんなこと言ったらマモファンに袋叩きにされそうなんですが、マモ昔に比べてめちゃくちゃ上手くなったよね……? 昔が下手だったというわけではなく、ものすごいレベルアップしたなと最近感じます。なんというか、役への入り込みがすごい。『DEATH NOTE』の頃からすごかったけど。
今期すごくそれを感じたのが『ちはやふる』と『虚構推理』。聞いててマモだということを完全に忘れてました。どちらも冷静沈着で、感情を表に出さないタイプ。これまでそういったタイプのキャラというと『機動戦士ガンダム00』の刹那や、『HUNTER×HUNTER』のクロロなんかがそうだと思うんですが、その頃と比べると感情の押さえ方がめちゃくちゃ上手くなってるなと感じました。そ、そんなに押し殺して喋れるもんなの……? とビビるレベル。特に『虚構推理』。第1話のラストで、九郎先輩が実は異質な存在だったと明かされるシーンは鳥肌立ちました。あのどこまでも抑揚を抑えた口調が更に異質さを強調していてすごいです。
一方の『ちはやふる』では、溜めこみがちで思い悩むシーンが多い太一が、この3期ではほとんど塞ぎ込んでるシーンばかり。演じるのは大変だっただろうなあ。優しい太一よりも、何を考えているのか分からない太一ばかりで、ずっとぐるぐるもがき苦しむ姿が印象的でした。
『ハイキュー!!』の新キャラ宮侑は、マモにしてはかなり珍しい方言キャラ。でも食えない感じの雰囲気はお得意の役どころですね。2クール目で本領発揮した宮侑くんをどう演じるのか非常に楽しみです。
細谷佳正
出演作『ちはやふる』綿谷新役、『ハイキュー!!』東峰旭役、『ID:INVADED』百貴船太郎役 など
一言言わせていただくと、も~~~~~~新がかっこいい! 本当に大好きです、新。細谷さんの方言キャラ大好きなんですけど、その中でも一番――というか、細谷さんの演じた役の中で一番好きなのが新です。最近の細谷さんが演じる役は、ほとんどが迫力のある低音キャラなんですが、わたしは割と初期の頃の新や『テニスの王子様』の白石みたいな、ちょっと細めの声の方が好きだったりします。最近はあまり聞かないですが。だからこそ、久々に新の声を聞けて泣く程嬉しかったです。ありがとう……細谷さん( ;∀;)
東地宏樹
出演作『ちはやふる』周防久志役 など
最高でしたね……。3期になって本格的に活躍し始めた周防さんですが、本当に最高でした。おそらく東地さんにしては初の(というか他でもめったにいないけど)終始ウィスパーボイスというかなり珍しい演技。それがたまらんかったです。改めて、東地さんってこんないい声してんのかと惚れ直しました。でもずっとウィスパーボイスって辛そう……。囁き声だけで、迫力出すって相当な技術ないと表現できないですよね。さすがとしかいいようがない。
三宅健太
出演作『ちはやふる』原田秀雄役、『僕のヒーローアカデミア』オールマイト役 など
『ちはやふる』第3期から石塚運昇さんの後任として原田先生を演じた三宅健太さん。正直最初は、ちょっと若くないかなと心配でした。ただ、長年ヒロアカでオールマイトを演じているのもあって、教育者としての頼もしさはぴったりでしたね。どうしても運昇さんと比べちゃうと、若さを感じちゃいますが。
第3期での原田先生は、50歳を過ぎても若者に交じり名人位に挑み続けるという立ち位置。やはりもう少し年上の、原田先生と同年代の役者さんで聞きたかったなあという思いがありましたが、それも最初の内だけでした。気づいたら、もう原田先生の声は三宅さんでした。それくらいの覚悟というか、思いを感じました。
三宅さんというと、悪役や堅物なキャラというイメージが自分の中ですごく強かったんですが、オールマイト以降ガラッと印象が変わりましたね。ものすごく温かくて頼もしい声をしていらっしゃるので、今後は主人公を導くポジションの役が増えそうです。楽しみ。
福圓美里
出演作『虚構推理』弓原紗季役、『僕のヒーローアカデミア』トガヒミコ役 など
わたしが昔から大大大好きな声優さんです。『虚構推理』で演じたのが、クールで知的な女性警察官。かなり意外でした。こんなかっこいい大人っぽい役も似合うとは。ただやはり、福圓さんの少しハスキーで神秘的な声たまらないですね! トガちゃんのぶっ飛んだキレッキレのイカレ演技も大っ好きなのですが、落ち着いた低音ボイスも最高でした。もっと出ないかなあ。
山寺宏一
出演作『僕のヒーローアカデミア』ジェントル・クリミナル役 など
まあ当然の如く上手い。そしてかっこいい。今回改めて山寺さん上手いなあと思ったのは、ギャグとシリアスの使い分けという、切り替え? がめちゃくちゃ自然ですよね。ジェントルはヴィランでありながら、ネタキャラでもあるというオイシイ役どころなので、本人は大真面目なのに傍から見ると笑える、というその面白さが見事に表現されてて脱帽でした。熱々の紅茶が手にかかって「熱ッ!?」とか叫ぶセリフも、めちゃくちゃ熱かったんだろうなと痛みが伝わってくるのと同時に、ここは笑いどころですよ~っていうボケ感もちゃんと入ってて、まあ、もう、はい。上手い。さすがでした。
相方のラブラバ役の堀江由衣さんもさすがの可愛さと演技力で、いいコンビでしたね。また登場してほしいです。
小林星蘭
出演作『僕のヒーローアカデミア』エリ役 など
天才ですね?? まだたったの15歳ということですが、その若さはもちろん、本業が女優さんであることも驚きです。何の違和感もなくエリちゃんでした。俳優や芸能人の声の演技って大体は聞けたもんじゃないですが、上手い部類の中でもトップクラスだと思います。もっともっとアニメの仕事してほしい。『若おかみは小学生!』も見ようかな……。
花江夏樹
出演作『ランウェイで笑って』津村育人役、『ハイキュー!!』星海光来役 など
育人は非常に花江くんらしい役でしたねー。最終回の「長男、頑張れ……!」のくだりは完全に鬼滅の炭治郎と被ってて笑ってしまいました。
一方の星海くんは、かなり意外な役。負けん気の強さと自信と実力を併せ持つキャラで、いわば主人公のライバル役。花江くんと言うと、口調が穏やかでいろいろ内に秘めた役が多い印象ですが、星海くんはほぼ真逆なイメージ。思ったことがそのまんま顔や言葉に出るので、珍しくアクセル全開な花江くんが聞けて良かったです。かっこよかった。今後が楽しみです。
まとめ
ひとまずはこんな感じでしょうか。思いのほか長くなってしまいました……。というかこれでも減らした方なので、もっともっと語りたい声優さんがいっぱいいます。
今期は個人的に豊作だったと感じたので、その分素晴らしい演技も多くて最高に楽しかったです。ここには書いていない声優さんも、アニメ制作に携わる全ての方たちにも、感謝しかありません。ありがとう……!!
来期も素晴らしい作品と演技に出会えますように!
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