2話のあらすじ
サンダーボルト宙域の死守を命じられていたリビング・デッド師団艦長は敵ガンダムに対抗するため実験機サイコ・ザクの投入を決断する。ガンダムとの戦いで左手も失ったダリルだったが、機体に四肢の神経を繋ぐリユース・P・デバイスを搭載したサイコ・ザクのパイロットになるため、残された右手すらも切断することを受け入れるのだった。
2話の感想
ガンダムを見るのは初代(映画のみ)、Z(映画のみ)、逆襲のシャア、00、ORIGIN、水星の魔女、閃光のハサウェイと来てこれが8つ目になりますが、今まで見た中でもサンダーボルトがダントツで地獄でした。
この第2話冒頭で左手を失ったことに発狂していたダリルが、四肢を切断して機体に神経を繋ぐことで操作するサイコ・ザクのパイロットになることを受け入れるという狂気。しかもサイコ・ザクの戦闘中には「失った僕の手足より自由だ!」と……。
「水星の魔女」では義肢などの医療技術を転用したGUNDフォーマットを搭載したモビルスーツが登場し、パイロットの命を削ることから開発が禁止されていましたが、リユース・P・デバイスの技術を見るとGUNDフォーマットの行きつく先もこれなんじゃないかと思ってゾッとしますね。
この技術はあくまでもガンダムの世界での話ですが、人類史では戦争のたびに新たな非人道的な兵器や技術が登場し問題となり禁止されたりと似たような話はよく聞かれます。
「水星の魔女」のとあるシーン(主人公がガンダムで生身の兵士を叩き潰したこと)についてBPOが残虐な表現だと議題に上がったことが話題になりましたが、現実世界でも似たような戦争はいくらでもあるわけですし、実際には誰も死なない2次元上で戦争の悲惨さを描いてくれるのだからむしろありがたく感じるもののようにも思います。なので今回この「サンダーボルト」が日曜夕方5時の枠で放送されたのはすごいことですよね。(というか鬼滅や呪術のグロは良くて水星の魔女がダメなのが意味分からん……)」
ジオン軍のサイコ・ザクというまさにサイコパス非人道的な兵器に対して、連邦軍も負けていません。リビング・デッド師団のスナイパー部隊に対抗するため、こちらは数で勝負。大量のモビルスーツと少年兵たちを導入します。
まるで遠足気分な少年少女たちは初めて見る実物のガンダムを前に記念撮影したり楽し気な雰囲気。
そんな彼らに対して出撃前に語った「あばよ、同じ消耗品の兄弟たち。生き残ったら乾杯だ」イオのセリフがとても印象的。この時このセリフの本当の意味を理解していた少年兵はどれだけいたのか……。
当然この直後の出撃で少年兵たちは姿の見えないスナイパーに攻撃され次々と命を落としていきます。
ムーア同胞団の艦長(代理)であるクローディアは部下や少年たちに出撃(=死んで来い)を命令するという責任感に耐え切れず、薬物を使用。クローディアを演じる行成とあさんのお芝居凄かった……。
イオは1話では戦闘狂のような面が目立っていましたが、幼馴染のクローディアのそんな姿に言葉を失ったり、先ほどの少年兵たちへの言葉を見る限り、実はかなりまともな精神をしているのが伝わってきました。
むしろダリルのが相当ヤバイ。戦争がいかに狂気を生み出すのかをこれでもかというくらい残酷に描かれていて素晴らしかったです。
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