【アニメ感想】ツルネ―つながりの一射― 第十話「勝手な夜明け」

アニメ

2023.03.09

10話のあらすじ

風舞と辻峰の共同合宿中、5人の団体戦形式で勝負をするが風舞はまたしても敗北してしまう。辻峰の個性的なのにまとまりがある不思議な空気感に疑問を持った湊は不破に直接「息合い」のコツを訊ねる。すると不破は二階堂が湊と愁を敵視する理由を教えてくれるならと交換条件を出してくるが……。

10話の感想

大きく物語が動いた第10話。
尊敬する恩人であり弓の師でもある叔父・茂幸さんがかつて流派を変える覚悟で西園寺先生に頭を下げたのにも関わらず断られたこと、そしてその後体調を崩し長くは弓を引けなくなってしまったこと。それなのに幼い湊と愁は西園寺先生に弓を教わっていたという理不尽さに色々と拗らせてしまった二階堂先輩。
湊と愁に対するそれはほとんど逆恨みですが、二階堂先輩にとっては叔父さんを傷つける弓そのものが憎しみの対象になってしまっているようです。

そんな二階堂先輩の裏の顔を全く知らず尊敬の眼差しを向けていた湊。しかし不破先輩との「辻峰の息合いのコツを教える代わりに、二階堂が湊と愁に敵視している理由を知りたい」という交渉によって、湊は初めて二階堂先輩から敵意を向けられている事実を知ることに。
そこから一気に展開は進み止まってしまったエレベーターの中に二階堂先輩とともに閉じ込められてしまった湊はそこで初めて彼から剥き出しの感情をぶつけられることに。
さらにエレベーターから出られた後には茂幸さんが倒れて病院に運ばれたという連絡に血相を変えた二階堂先輩を連れて、マサさんの車で湊・不破先輩の4人で病院へ。

中々に急展開の連続でハラハラさせられましたが結果的には良い方向へ進みだしたのかな。
敵意を向けられていると知っても尊敬の気持ちは変わらず純粋な瞳を向ける湊に、二階堂先輩は苛立ちつつも最終的には少し敵意がそがれたようでしたね。全部本音を吐き出せてすっきりしたのかな。
仲間のルール違反を黙って見逃そうとしたり、全部勝って弓道を辞めてやると宣言したり、悪意のある発言が目立つものの、二階堂先輩だって最初は弓道の美しさに惹かれて始めたはず。その気持ちはきっと射に表れ、それが湊にはしっかりと伝わっていたんでしょうね。

またマサさんの百射百中させた話に一瞬憧れのような表情を見せたり、湊が早気になったり事故に遭っていた話も二階堂先輩の心を揺れ動かす要因になったのかもしれません。
二階堂先輩はただただ叔父さんばかりが辛く損な役回りをさせられているこの世界そのものが気に入らないのでしょうね。純粋すぎて逆に拗れてしまったのかも。
これから彼にどんな変化が訪れるのか楽しみです。