5話のあらすじ
谷間のとある賭場で大負けしてしまった若宮。その借金のカタに雪哉は遊女宿で働くことになってしまう。1ヶ月以上もの間真面目に下働きをしていた雪哉はある日、宿で長束の護衛の1人・路近を見かける。宿の一室では路近と貴族の男たちによって長束派の会合が行われようとしていた。
5話の感想
賭場でボロ負けした若宮によって借金のカタに売り飛ばされてしまった雪哉。
中央に存在する谷間という賭場や花街がひしめく裏社会で、遊女宿の下働きとしてこき使われる羽目になってしまいます。しかも1ヶ月以上もの間。
大真面目に働いて雇い主や遊女たちからの評判も上々でしたが、ようやく若宮が迎えに来た時は思わず殴りかかる雪哉……。それをしれっと受け流す若宮、さすがに修羅場をくぐり抜けてきただけあります。
さてそもそも雪哉は若宮に売り飛ばされたと思っていたようですが、実は全て若宮の計画通り。
花街で長束派による会合が秘密裏に行われていることを勘づいていたらしい若宮はその情報収集のために雪哉を送り込んでいたようです。
その説明を事前に聞いていなかった雪哉ですが、働いていた宿でたまたま長束の護衛・路近を見かけて自発的に会合を盗み見るとはやはり優秀ですね。
何とも物々しい雰囲気の会合には路近と、長束派の貴族たちが数十人。
そこで路近は1人の貴族の男を引きずり出します。それは雪哉がまだ北領にいた頃、食い逃げした宮烏の青年の父親だった和満という男。長束の前で雪哉が食い逃げの事実を暴露したことで息子が若宮の側使いになる計画がなくなり、激怒していたあの男です。
実は路近どころか長束にすら無断で若宮の暗殺を企てた首謀者がこの和満。暗殺者の中にたまたま毒殺から生き延びた者がおり、うっかり若宮暗殺の計画が公になりそうになったことに対し路近はブチ切れていたようです。
他にも大小さまざま余罪があったようで、会合に現れた長束にも最後は見放され路近によって粛清されてしまいました……。
見せしめのためとは言え容赦のない路近の残虐さに、その場を盗み見ていた雪哉は震え上がります。
この話を聞いた若宮は、長束自身が何か手を汚したり命じたりすることはなく、長束派の者たちが独断で動くため全貌が見えづらいのだとか。長束が何を考えているのかイマイチ見えなくて何とも不気味ですね……。
ただ路近や雪哉の言っていた通り、今回の若宮暗殺を和満が1人で計画したのかという謎は残ります。若宮を最も敵視している皇后が入れ知恵をしたのか、それともまた別の人間か。
何にせよ底の見えない長束が恐ろしい。
一方、四家の姫たちがいる桜花宮では若宮を迎えるための大事なイベント「七夕の儀式」に向けて準備が行われていました。
何でも四家の姫たちがそれぞれ若宮のために縫った着物を七夕当日に飾り付け、その着物を若宮が羽織れば「登殿の儀」で選ばれる確率が高いのだとか。とは言っても、姫たちが縫うのは最後の一針くらいでほとんどは職人が縫うそうですが。
唯一自らの手で全てを縫う西家の真赭の薄は七夕への本気度が違いますね。
そんな中、東家のあせびのもとには若宮の妹・藤波から「浮雲」という名の琴が送られてきます。曰く、とある高貴なお方から許可を頂いてのことだとか。その琴に刻まれた霞と桜の模様を見てなぜか顔色を変えるあせびの女房のうこぎ。浮雲とは一体……。
また幼い頃に偶然見かけた初恋の少年が若宮だったのではと気づいたあせび。若宮はあせびのことを覚えているんでしょうか。
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※本ページの情報は2024年4月時点のものです。
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