12話のあらすじ
氷河との練習試合終盤。九回表、ツーアウト一・二塁。千早に勝負を託された圭は予想外の展開に焦っていた。巻田の剛速球に慌てるばかりの圭だったが、「普段誰の球捕ってるんだ」という葉流火の一言で冷静さを取り戻す。
12話の感想
九回表、ツーアウト一・二塁の場面で千早くんから託された要くん。ここでアウトになれば試合終了というプレッシャーにムリムリとテンパりまくります。
しかし清峰くんの一言で巻田くんの剛速球に対する恐怖心が消えたのか、いつも通りのバッティングでなんと二遊間を抜けるヒット。氷河のエラーも重なり、そして何より一塁からホームに一気に駆け抜けた千早くん渾身の走りで見事逆転となりました。
練習試合だからこそ勝敗が見えなくてワクワクの展開でした。
初めての勝利、初めてのヒットに喜びを隠しきれない要くん。
千早くんもすっかり吹っ切れたようでみんな清々しい表情。巻田くんは千早くんを嫌っているのかと思っていましたが、千早くんがヒットからでもホームを狙うことにすぐ気づいたり試合後には「もう辞めんなよ」と声をかけていたところを見るとライバル心が故にキツく当たっていたんだろうなあと。振り向かずに笑顔で答える千早くんは、もう過去は振り返らないという意味も込められていそうで胸熱。
衝撃だったのはこの後。中学時代の智将の回想も交えながら、なぜ要くんは記憶喪失になってしまったのか、本作最大の謎に迫っていく内容。言われてみると何きっかけで記憶喪失になったのかまだ語られていないんですよね。
回想の中では中学時代、清峰くんと対戦した数多くの打者が心折られていく様を間近に見ていたことが語られました。それは山田くんであったり、藤堂くんであったり、千早くんであったり、その他大勢の名も知らぬ選手であったり。
そんなある日、寝付けない夜にたまたまテレビをつけると高校生の女の子2人の日常がゆるく描かれるアニメをやっていて何気なく見始めた要くん。「恋をしたり」「吉祥寺に遊びに行ったり」「ラーメン食べたり」そんなどこにでもある普通の高校生の願望。実はこれ、アホの要くんがこれまでに口にした中にも同じようなセリフがありました。それくらい、智将時代の要くんにとって野球のことを気にせずお菓子を食べたり遊んだりすることは魅力的に映ったようです。叶わないからこそ。
これがきっかけで記憶を失ったのかははっきりと明言はされていません。
ただ他者の感情に機敏で本来は心優しい性格の要くんにとって、清峰くんが日本一に近づけば近づくほど対戦相手の心を折っていくプレッシャーに耐えられなくなったのかもしれません。
幼い頃はアホだったと清峰くんが言うように、野球にストイックになるにつれ性格が変わっていき、しかし心に限界が来て記憶を失ってしまった……ということなのかも。
けれど記憶を失い野球に関する一切合切を失った今、一から再び野球を始めた要くんはひとつひとつルールを覚えて、少しずつ野球が上手くなって、自分の手で点を取って試合に勝つ喜びを知ってしまいました。
自分のせいで野球が嫌いになってしまったのではと気にする清峰くんに対しても「野球が楽しい」と心からの笑顔で答える要くんの姿にぐっときました。
この物語は中学時代、清峰・要バッテリーによって心を折られた高校球児たちが一度は野球から逃げ出し、清峰・要バッテリーによってもう一度野球の楽しさを知り再起していくお話だと思っていました。
でも本当は逃げ出したのは山田くんと藤堂くんと千早くんだけではなかった。要くんもまた野球から一度は逃げ出していた。でも一度は逃げ出したからこそ、野球の楽しさを思い出すことができた。
だからこその「忘却バッテリー」。
逃げることは弱さや失敗ではなく、そこからまた立ち上がるための起点として描いているのがとても印象的。何よりも最終回にこのテーマを持ってくるのが本当に素晴らしい。
全く新しい側面から高校野球を描いた名作。続きをぜひ、見たいです。
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※本ページの情報は2024年4月時点のものです。
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