「劇場版 名探偵コナン 100万ドルの五稜星」とは？
「劇場版 名探偵コナン 100万ドルの五稜星」は名探偵コナンの劇場版シリーズ第27作目に当たるアニメ映画。
北海道を舞台に、主人公・江戸川コナンの好敵手である怪盗キッドや西の高校生探偵・服部平次らが、新選組副長の土方歳三にまつわるお宝を巡って争う、ミステリーあり剣戟アクションありのエンターテイメント作品になっています。
タイトルが発表された際には、「五稜星」と書いて「みちしるべ」と読むオシャレな読み方も話題を呼びました。
「100万ドルの五稜星」のあらすじ
北海道、函館。斧江財閥が所有する2本の脇差しを頂戴に参上するという怪盗キッドからの予告状が届き、中森警部らと共に斧江家の収蔵庫での警備に参加することになったコナンと小五郎。
厳重な警備の中、大胆不敵に侵入しお宝を盗み出そうとしたキッドだったが、同じ警備に参加していた服部平次が見事それを阻止！
とある理由からキッド確保に並々ならぬ執念を見せる平次はキッドと1対1の激しい対決を繰り広げるが、その際追い詰めたキッドの素顔を目撃してしまう。
翌朝、平次が出場予定だった函館での剣道大会にまだ来ないことを心配して会場に探しにやってきたコナンと和葉。するとそこで、素振りの稽古をしていた青年・福城聖と出会う。和葉の何気ない言動がきっかけで彼女に興味を抱いた聖。
一方、埠頭の方にパトカーがサイレンを鳴らしながら向かっていることに気づいたコナンたちが現場で向かうと、そこでは殺人事件が起きていた。
劇場版シリーズ初登場のキャラが多数！
今作には名探偵コナンシリーズのレギュラーキャラクターであるコナンや蘭、小五郎、少年探偵団の他にも人気キャラである服部平次、遠山和葉、怪盗キッドなどがメインに活躍します。
そのほかにも今作は劇場版初登場のキャラクターがかなり多い印象。
まずは平次の剣道のライバルである沖田総司。さらに同じ剣道部員で鬼のように鬼丸猛もわずかながら登場。
怪盗キッドの正体である黒羽快斗の幼馴染で、中森警部の娘でもある中森青子も劇場版初登場。
そして少し意外な気もしますが工藤新一の母・工藤有希子も今作が初登場となりました。
初登場ではありませんが、和葉の恋のライバルである大岡紅葉とその執事・伊織無我も活躍します。
ちなみに舞台が北海道なので警視庁組は珍しく一切登場しません。その代わり、以前にも何度か登場したことのある北海道警の西村警部が今作の警察枠としてコナンたちに協力してくれます。
「100万ドルの五稜星」に登場する主なキャラクター
江戸川コナン（CV.高山みなみ）
本作の主人公。本来の姿は高校生探偵の工藤新一。毎回劇場版で超人技を披露しているが、今作では平次が大暴れするので超人アクションは割と控えめ（それでも相変わらず超人）。
毛利蘭（CV.山崎和佳奈）
新一の幼馴染かつ彼女。空手の達人だが今作での活躍は控えめ。その代わり平次と和葉の恋路に関しては一番の立役者。
怪盗キッド／黒羽快斗（CV.山口勝平）
本作のキーパーソン。コナンの好敵手でその正体を知る数少ない人物の1人。本来はビッグジュエルだけを狙う怪盗だが今回狙うお宝は刀。ラストで衝撃の事実が明かされる。本当に衝撃なので覚悟してみてください。
服部平次（CV.堀川りょう）
本作のキーパーソン。コナンの正体を知る人物で、ライバルであり親友。西の高校生にして剣道の達人。幼馴染の和葉とは両片思いだが未だに付き合ってない。とある事情からキッドをライバル視している。
遠山和葉（CV.宮村優子）
平次の幼馴染。平次とは両片思いだが彼の気持ちには全く気づいていない。以前キッドに変装されたことがあり、平次がキッドを敵視するきっかけとなってしまった。
大岡紅葉（CV.ゆきのさつき）
京都の高校生。幼い頃に平次と出会い、今では「未来の旦那さん」と呼ぶほど好いている和葉の恋のライバル。かなりのお金持ちのお嬢様。常に執事の伊織と一緒。
伊織無我（CV.小野大輔）
大岡家の執事で常に紅葉の側に仕えている。某悪魔的執事と中の人が同じだがこちらは一応人間。今作の終盤、彼の起こした出来事が平次と和葉の関係に大きく影響することに……。
沖田総司（CV.遊佐浩二）
紅葉の同級生で、平次の剣道のライバル。劇場版初登場。函館で行われる剣道大会に出場していたことから事件に関わることになる。遊佐さんの京都弁が堪能できるのでオススメ。
中森銀三（CV.石井康嗣）
怪盗キッド逮捕に命をかける警部。キッドが登場する回には必ず出ている。普段はキッドにしてやられているが、今作ではかなり体を張った活躍をしていてかっこいい。
中森青子（CV.M・A・O）
黒羽快斗の幼馴染で中森警部の娘。キッドの正体には全く気づいていない。劇場版初登場。かわいい。キッド、中森警部と同じく元々は作者の別作品「まじっく快斗」の登場人物なので、「名探偵コナン」に登場するのはかなり貴重。
「100万ドルの五稜星」に登場する主なオリジナルキャラクター
福城聖
本作の超重要キャラクター。居合の達人であり、医学部に通う大学生。実力者な上に見た目もいいのでファンが多い。ふとしたきっかけから和葉と知り合い興味を抱くようになる。今作のみの登場ではもったいないくらいの良キャラ。
CV.松岡禎丞
代表作：「ソードアート・オンライン」キリト、「鬼滅の刃」嘴平伊之助
川添善久
本作の重要キャラクター。北海道警捜査一課の刑事で西村警部の部下。中々のドジっ子だが裏情報について詳しい。
CV.大泉洋（ゲスト声優）
斧江拓三
キッドに予告状を出された斧江財閥の3代目当主。初代当主の圭三郎が隠したとされるお宝が本作のキー。拓三の代で斧江財閥は事業が上手くいかなくなってしまった。
CV.中博史
代表作：「ダンジョン飯」センシ、「ハイキュー!!」烏養一繋
ブライアン・D・カドクラ
表向きは日系アメリカ人の投資家だが、裏の顔はアジア一帯で暗躍する武器商人。
CV.銀河万丈
代表作：「機動戦士ガンダム」ギレン・ザビ、「タッチ」原田正平
福城良衛
福城聖の父親。高校教師だったが、病気のため退職。家に引きこもりがちだが、息子思いの父。
CV.菅生隆之
代表作：「BLEACH」斬月／ユーハバッハ、「ゴールデンカムイ」永倉新八
土方歳三
幕末に実在した新選組副長。星の形の鍔がついた刀・星稜刀を手にしたところから物語が始まる。
CV.津田健次郎
代表作：「呪術廻戦」七海建人、「ゴールデンカムイ」尾形百之助
なお津田さんは土方歳三の他に原作キャラの鬼丸猛も兼任。
ネタバレなしの感想
キッドと平次・和葉カップルの両軸をメインに物語が進展し、キッド関連の中森親子や平次関連の紅葉、伊織、沖田などとにかく登場キャラクターが多いため、正直少し詰め込みすぎだなと感じました。
逆に小五郎や阿笠博士、少年探偵団らレギュラーメンバーの活躍はかなり控えめ。
その一方で、土方歳三にまつわる刀を中心としたミステリーは良く出来ていて、コナンと平次による推理パートも見応えがありました。
平次や沖田、そしてオリキャラの聖らによる剣戟アクションもとてもかっこよくて、ミステリとアクションのバランスもちょうど良かったと思います。
ただいつにもまして非現実的なアクションもあり、個人的にはさすがにありえなさすぎてちょっと冷めてしまった演出もありました。この辺りは好みが分かれるかもしれません。
ちなみに五稜郭や函館山など実在の名所が舞台のため、劇場版コナンと言えばのド派手な爆発は例年より控えめでしたｗ
原作のエピソードを知らないと理解できない部分もあり（平次がキッドを敵視する理由、沖田や鬼丸と平次の関係性など）原作やTVシリーズをあまり知らない方は事前にある程度予習しておいた方がより楽しめると思います。
特に青山剛昌先生の別作品にして、怪盗キッドが主役の「まじっく快斗」だけでも読んでおくことをオススメします。
また近年の劇場版コナンではお約束となったゲスト声優についてですが、実力派俳優の大泉洋さんということもあり全く違和感はありませんでした。さすがに上手いですね。
銀河万丈さんや菅生隆之さん、中博史さんなどベテラン激渋声優も多く出演しており声優ファンも楽しめる他、一躍時の人となっている津田健次郎さんもいい味を出しています。
そして何より、松岡禎丞さんがとにかくかっこいいのでファンの方はぜひ見ることをオススメします！
余談ですが、舞台が北海道であること、土方歳三が登場すること、津田さんや松岡さんが出演していることなどから「ゴールデンカムイ」っぽいと一部のファンの間で話題になっていますが、実際金カムファンはちょっとニヤニヤできるかも。あと土方さんの愛刀・和泉守兼定もちらっと出るので「刀剣乱舞」ファンの方も楽しめるかもしれません。
エンドロール後も絶対見るべき！
劇場版コナンと言えばエンドロール（主題歌）の後にもおまけパートが流れるのが定番ですが、今作も劇場内が明るくなるまで席を立たないように。
特に今作に限っては、最後の最後でとんでもない真実が明かされます。
毎年行われている公開前の試写会が実施されないほどのトップシークレットで、第18作「異次元の狙撃手」で原作に先駆けて沖矢昴の正体が明かされた時と同じかそれ以上の衝撃でした。
キッドファン、そして「まじっく快斗」ファンは特に必見です。
関連商品
↓96巻収録の「キッドVS高明 狙われた唇」は予習しておきたい
↓「まじっく快斗」も読んでおくと倍楽しめる！
↓沖田総司が初登場したのは31巻収録の「大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城」
↓鬼丸猛が初登場したのは93巻収録の「恋と推理の剣道大会」
↓主題歌はaikoさんの「相思相愛」
歴代の劇場版コナンシリーズを見るならU-NEXTがオススメ！
劇場版コナンシリーズを見るなら25作品見放題配信中のU-NEXTがオススメです。
なんと第1作の「時計じかけの摩天楼」から第25作の「ハロウィンの花嫁」までが全て見放題で楽しめます。
今作と同じく剣戟アクションが楽しめる「迷宮の十字路」やキッドと平次が出演する「天空の難破船」、紅葉と伊織が初登場した「から紅の恋歌」なども見るとより楽しめるかもしれません。
※2024年4月時点の情報です。詳しい配信状況はU-NEXTにてご確認ください。
ネタバレあり感想
この先、「100万ドルの五稜星」の重大なネタバレがあります。映画視聴後の閲覧を推奨します。なお閲覧後の苦情は受け付けておりません。
・個人的にはあまり好みではなかったです。一番の理由はアクションが非現実的なことと、キャラ数が多すぎてまとまりがないこと。
アクションに関しては平次と聖さんが飛行機の上で戦うのがありえなさすぎて、えー……となってしまいました。まあ今までのコナンシリーズのアクションが現実的かと言われると今更なんですけども。
キャラ数が多いのは言わずもがな、紅葉や沖田くんはともかく、鬼丸さんまで出てきたのはびっくりでした。土方さんとからめての登場なのは分かりますが、唐突に出てきたのでコナン初心者の知人は「あれ誰？」と首を傾げてました。かなり原作ファン向けの構成だったなと。
・キッドの秘密について。
新一とキッドがそっくりの理由がついに明かされ、やはりというべきか親戚だったのはそれほど驚きはなかったのですが、改めて優作さんと盗一さんが兄弟だったと言われると衝撃でした。しかも双子！
しかしそれ以上にショッキングだったのは盗一さんが存命だったことです。驚きすぎて声出そうになりました。本編の余韻とか全部吹き飛びましたｗ
でも快斗は父の死の真相を知るために2代目キッドになったんですよね。なぜ今まで盗一さんが姿を隠していたのかも気になります。というか優作さんは全てを知っていたのか……。
真実はいずれ「まじっく快斗」にて明かされるのでしょうか。
・次回予告について
長野県警！高明さんが出るということはワンチャン弟さんの回想とかもあったりするんでしょうか！！
誰が登場するのかも楽しみですが、雪山が舞台なのでクローズドサークルとか陸の孤島みたいな王道の展開になりそうなのも楽しみです。
最近の劇場版コナンはアクションメインになってきているので、そろそろ本格ミステリも見たいですね。何にせよ来年も楽しみです！！
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