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【アニメ感想】「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」 感想(一部ネタバレあり)

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※トリックや犯人、次回作の予告など重要なネタバレに関しては記事の後半にまとめています。前半はネタバレなしのあらすじと感想になるので、まだ映画を観ていない方は前半のみの閲覧をおすすめします。

「名探偵コナン 黒鉄の魚影サブマリン」とは

名探偵コナン 黒鉄の魚影」は2023年4月14日から上映されているアニメ映画で、劇場版「名探偵コナン」シリーズの第26作目の作品です。
第20作の「純黒の悪夢ナイトメア」以来の黒の組織が登場する劇場版ということもあり、公開前から大きな話題となっていました。
監督は「モブサイコ100」などを手がけた立川譲さんで、劇場版コナンの監督を務めるのは第22作「ゼロの執行人」以来2度目です。

「名探偵コナン 黒鉄の魚影サブマリン」のあらすじ

八丈島のホエールウォッチングツアーが当たるという福引にやってきたコナンと少年探偵団、そして阿笠博士と蘭たち。しかし福引は全員ハズレ。残念がる少年探偵団だったが、園子の厚意で鈴木財閥が所有する八丈島のリゾートホテルに招待してもらうことに。
コナンは八丈島の近くに、世界中の警察が持つ防犯カメラと繋ぐという世界初のインターポールの施設「パシフィック・ブイ」ができるというニュースを知る。
するとそこへ沖矢昴から、ドイツ・フランクフルトにあるユーロポールネットワークシステムに何者かが侵入し、その目撃者がジンに殺されたと電話で告げられる。
さらに八丈島に着くとそこには見慣れた警視庁の刑事たちの姿が……。

「名探偵コナン 黒鉄の魚影サブマリン」感想(ネタバレなし)

・「純黒の悪夢」以来のVS黒の組織
VS黒の組織ということもあり、今作には黒の組織がほぼ全員登場する他、味方側も警視庁・FBI・公安・CIAが勢揃い。先日TVアニメで初めて正体が明かされたラムも登場します。
これだけのキャラが登場するとなると話がゴチャゴチャして、全員を無理やり登場させた結果全員中途半端になってしまうなんてこともありますが、今作はその辺りのバランスが素晴らしかった。全員にしっかり見せ場がありつつも、主役のコナンと哀ちゃんの出番は奪わないというメリハリが良かったですね。

・少年探偵団は控えめ
今作は黒の組織が関わる――つまりいつも以上に命がけということもあり、少年探偵団の活躍は控えめ。こどもたちのわちゃわちゃが好きな人にとっては少し寂しいかも。小五郎の出番も少し控えめですが、逆に蘭はかなり活躍します。かなりかっこいい蘭姉ちゃんが見られるのでファンの人にはオススメ。

・ヒロインは灰原哀
今作はこれまで以上に哀ちゃんがザ・ヒロインとして描かれています。コナンのヒロインは絶対蘭であるべき! という人には少しショッキングかも……というシーンも。個人的にはびっくりしましたが、その後のオチでストンと受け入れられました。
またTVシリーズで描かれてきた哀ちゃんの過去(組織からの逃亡や姉・明美についてなど)がしっかりと描かれるため、いつも以上にTVシリーズと地続きの物語なのだと実感できました。

・定番のアクションは健在、でも…
劇場版コナンと言えば派手なアクションとド派手な爆破! 今回も期待を裏切らず最後までたっぷりです。ただし個人的な感覚からするといつもよりはコナンくんがそこまで超人的ではなかったかも。どちらかというとそこまで無理のないアクションが多かった気がするので、「そんなことあるわけw」っていうツッコミをせずに見られました。でもアクションはたくさんあるので楽しいよ!!
カーチェスなんかもあったりして非常に楽しめました。

・黒の組織がかっこいい
人気キャラのジン・ベルモット・バーボンは当然のかっこよさとして、今作は特にキールがいい味出していました。彼女もバーボンと同じくトリプルフェイス(キール・水無怜奈・本堂瑛海)であり、一歩間違えればスパイとして疑われ死の危険がある中、バレないように、けれどなるべくなら殺したくないという葛藤が描かれます。
一応仲間同士であるジンとの緊迫感溢れるやり取りも見どころです。

・声優が豪華
これはもう公開直後からSNS上でチラホラと噂は聞いておりましたが、実際に観に行ってその豪華さに思わず手を叩きそうなりました。
種﨑敦美さん、諏訪部順一さん、神谷浩史さん、村瀬歩さん、そしてゲスト声優として俳優の沢村一樹さんが出演。この5名が今作のオリジナルキャラクターであり、なおかつ事件に関わる重要なキャラクターたちを演じています。コナンファン(と声優ファン)の間では長年、ゲストキャラに豪華な声優が使われていると大体その人が犯人という笑い話がありますが、今作はそれを逆手に取って怪しい人全員豪華というとっても楽しいキャスティングにしてくれました。声優ファンにもぜひ見てほしいです。
ちなみにゲスト声優の沢村さんもかなり上手かったのでそこはご安心を。

・全体的に完成度が高い
映画の冒頭からしっかりと伏線が散りばめられ、最後の最後まで「そういうことだったのか」と驚かされる完成度の高い作品でした。また黒の組織のメンバーたちの個性も良く出ていて、一組織でありながら一枚岩ではないと描写されているのがとても面白い。改めてこれだけの人数を良くここまで綺麗にまとめたなと感嘆の思いです。
そして哀ちゃんがとにかく魅力的で、ラストのとあるシーンで撃ち抜かれました。素晴らしい!!

・公式パンフレットもオススメ
今作のパンフレットには定番の「名探偵コナン」レギュラー声優陣のコメントやゲスト声優・沢村一樹さんのインタビュー、立川譲監督ら制作陣のインタビューなどが載っていますが、個人的に一番嬉しかったのがコナン役の高山みなみさんと哀ちゃん役の林原めぐみさんによるスペシャル対談。見開きでドドーンと載っています。今作についてだけではなく、これまで哀ちゃんを演じてきた上での林原さんのお話もあったりして読む価値ありです。

「名探偵コナン 黒鉄の魚影」主題歌

主題歌はスピッツの「美しい鰭」。公開前には「鰭」をなんと読むのかがSNS上で少し話題になっていましたが(ちなみに私は「すし」と読みました。確実に違うだろうなあと思ってましたが笑)正解は「美しいひれ」です。
そのタイトル通り、非常に美しい楽曲でEDで流れた時の癒し効果がハンパなかったです。舞台が八丈島でホエールウォッチングも描かれるので、クジラにかけて「鰭」だったんですね。歌詞も美しくて哀ちゃんのことかななんて想像しながら聞くと感動もひとしおです。

※この先にネタバレありの感想があります。真犯人やトリック、次回作についても言及しているためこれから映画を観る予定の方はここでブラウザバック推奨です。読んだ後の苦情は受け付けません。

「名探偵コナン 黒鉄の魚影」公式サイトリンク

劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』

「名探偵コナン 黒鉄の魚影」予告編
「名探偵コナン 黒鉄の魚影」感想(ネタバレあり)

※再三になりますががっつりネタバレしてます。

・キールが好きになる
今作の黒の組織でおそらく一番出番が多かったのはキールではないでしょうか。冒頭の逃げるユーロポーロの捜査官・ニーナを逃がそうとしたり、哀ちゃんの拘束をあえて緩くしたり、盗聴器に気づき逆にそれを利用して哀ちゃんたちに手を貸したりと大活躍。彼女自身も正体がバレれば即ジンに殺される危険性もありながら、最大限コナンくんたちに味方してくれた姿に惚れました。特にジンに怪しまれながらも上手く言いくるめたシーンはかっこよかったですね。

・珍しくウォッカも大活躍
いつもはジンの腰巾着、たまにドジっ子なウォッカですが、今回は珍しくジンと別行動が描かれたのが新鮮でした。哀ちゃんが組織に拉致されるも、見張りが割とドジっ子ウォッカとスパイのキールだったのは不幸中の幸いでしたね。拉致されて即ジンの前に連れていかれてたらたぶん哀ちゃん終わってた。
でも今回はウォッカのやらかしもほぼなく(潜水艦について盗聴されてると気づかずベラベラ話しちゃったくらい)むしろちゃんと恐ろしい人間なんだよっていう一面が描かれていたのが良かったです。

・ジンの作画がヤバイ
ジンがヘリから潜水艦に降り立つところの作画ヤバくなかったですか!? 悪役なのに神々しくて思わず声が出そうになりました。ジンやっぱり最高にビジュアルが良すぎる……。
冒頭のキールごとニーナを撃ち抜くところも非情で最高だし、潜水艦から逃げようとする哀ちゃんと直美さんを殺そうとするところもイカレてて最高でした。

・蘭姉ちゃんが超かっこいい
アクションシーンが大好きなので今作でも蘭姉ちゃんが安定の空手バトルしてくれて大興奮でした。「漆黒の追跡者」でのアイリッシュ戦でもそうでしたが、組織の人間相手に素手で互角に渡り合う蘭姉ちゃんかっこよすぎません?? 興奮しすぎて叫ぶかと思った……。
哀ちゃんが拉致されたってすぐ気づいて駆けつけるところもかっこいいし、脱出した哀ちゃんを真っ先に抱きしめるところも最高にキュンでした。蘭姉ちゃんと哀ちゃんの疑似姉妹感ほんと好き。しかもラストで……。

・直美さんのキャラが素晴らしい
今作のオリジナルキャラである直美・アルジェントさんですが、これがもうすっごくいいキャラしてました。正直ゲストキャラなのが惜しいくらい。オリキャラとは言え灰原哀ではなく宮野志保を知る数少ない人物ですし、シェリーになる前の宮野志保を知っているのも貴重。
哀ちゃんが彼女に向けた「子供の言葉や行動で人生が変わることもある」というセリフがまた名言で、きっと哀ちゃん自身もコナンくんや蘭姉ちゃん、少年探偵団のみんなのおかげで変われたからこそのセリフなんですよね。いやほんと本編に再登場してほしいくらいの素敵なキャラクターでした。

・ダメ絶対音感はない方がいい
今作の容疑者となるゲストキャラクターのレオンハルトを諏訪部順一さん、エドを神谷浩史さん、グレースを村瀬歩さんがそれぞれ演じているのですが、ダメ絶対音感(声だけで声優の名前が分かること)を持っているがために一言目で犯人が分かってしまって、めちゃくちゃ複雑な気持ちになりました……。
いやだって村瀬さんが女性キャラ演じてたら怪しいに決まってるじゃん!!!!

・村瀬歩ファンは絶対見るべし
映画未視聴の村瀬歩ファンの方に「絶対見て!!!」と言えないのがもどかしい……。本当に素晴らしかったです。
村瀬さんが演じるグレースは、実は女装した黒の組織のメンバー・ピンガだったわけですがその演じ分けがエグかったですね。まず声優オタクでなければグレースの声をまさか男性が演じているなんて誰も気づかないと思います。それくらい女性としての演技がハイクオリティ。正直あまりにも女性キャラとして違和感がなさすぎて、「もしかして犯人とかじゃなくて女性声が上手すぎてついに女性キャラに抜擢されたのか??」って頭が混乱したほどです。
そしてピンガの時との声の落差がまた凄まじい。グレースの正体が明らかになる前に、ピンガとして蘭姉ちゃんと戦うシーンがありましたが、そこでの声がものすっごく低いのでたぶんほとんどの人は同じ声優が演じてるとは気づかなかったんじゃないかな。この役は村瀬さんじゃなかったら成立しなかった(グレースとピンガで別々の声優用意したんじゃないかレベル)のではと思います。
そして大好きな村瀬さんが劇場版コナンの犯人役、しかも黒の組織のメンバーという大役に抜擢されて本当に嬉しい……ありがとうございます。

・コナンくんの孤独な戦い
赤井さん安室さんといういろんな意味で強すぎる仲間ができて以来、彼らとの共闘が増えたコナンくんですが、今作ではその2人の活躍が今までに比べるとだいぶ控えめ。安室さんに至ってはアクションもありません。
その代わり哀ちゃんを救うためコナンくんが孤独な戦いをしていて、それが緊迫感を増していてかっこいい。でも赤井さんは相変わらずいいとこ持っていきましたけどね笑。

・ベルモットの株が爆上がり
黒の組織の中ではジン・バーボンと並びかなりの人気を誇るベルモットですが今回また株を上げましたね。というか彼女がいなかったら哀ちゃんもコナンくんも終わってたのではというレベル。
しかも哀ちゃんを助けた理由が、数量限定のブランド物のアクセサリーの整理券を哀ちゃんが譲ってくれたから(老婆にベルモットが化けていたことがラストに判明)だったという綺麗すぎる伏線回収がまた素晴らしかった。あの時のベルモット、コナンくんや哀ちゃんを探る理由ではなく本当にアクセサリーが欲しくて変装してたのかと思うとなんか可愛い笑。

・コナン←哀ほぼ確定
名探偵コナン」においてメインヒロインは蘭であり、コナン(新一)と蘭の関係性は絶対に揺るぎません。蘭に一途なコナン(新一)だからこそ安心して見られる部分もあるというか。
そんな中で今作では哀ちゃんとコナンくんの距離が今までで一番近づきます。近づくというかもうキスしちゃいます(人工呼吸ですが)。それだけならまだしも、哀ちゃんの「キスしちゃったんだよ」というモノローグで「オウッ……」となりました。かなり思い切ったなと。
コナンくんには蘭がいるんだけどな……と若干複雑な気持ちになったんですが、その後の哀ちゃんがコナンくんの人工呼吸を拒否→半ば無理やり蘭とキス→(ちゃんと返したわよ、唇)の流れが最っ高で叫びそうになりました。解釈一致!!!!! 切ない!!! でもそれがいい!!!!!

次回作について

次回作のメインキャラは平次とキッドということが判明しました。平次は第21作「から紅の恋歌ラブレター」以来、キッドは第23作「紺青のフィスト」以来ですね。この2人が共演するのは劇場版だといつ以来でしょうね……。第14作の「天空の難破船ロスト・シップ」以来かな?
純黒の悪夢」以降はずっと赤井さん、安室さん、キッド、平次、京極さんと人気キャラが出る作品ばかり続いてますね。個人的には初期のオリジナルキャラ相手にコナンくんが推理とアクションで追い詰めていく作風も好きだったので、そろそろがっつり推理モノとかも見たい。
あとは今作は少年探偵団と小五郎のおっちゃんの活躍が少な目だったので、探偵団と毛利親子が活躍する話も見たいなあなんて。でもなんだかんだ毎年「安室さんも赤井さんもキッドもかっこいい~!」とミーハーしているので来年も楽しみです。

各配信サイトにて歴代の劇場版コナンが配信中!
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※本ページの情報は2023年4月時点のものです。
最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。

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