15話のあらすじ
ガルザルに会おうと客人たちのもとへと足を運んだアルネイズだったが、蛇は取りつく島もなく追い返されてしまう。それでも諦めのつかないアルネイズは蛇が小屋を離れたのを見計らい、客人の男に頼み込む。逃亡の手助けはしないという条件でようやく拘束されたガルザルと再会を果たしたアルネイズだたったが、そんな彼女にガルザルは「縄を解いて家に帰ろう」と言い出し……。
15話の感想
ガルザルへの思いを諦めきれなかったアルネイズ。蛇の「会ってはいけない」という命令を無視し、客人の男を(無自覚の)色仕掛けで落とし、ついにガルザルとの再会を果たします。
「誓って逃がそうなんて思っていない」と言っていたアルネイズでしたが、ガルザルの謝罪と「縄をほどいてくれ」という頼みに心を揺り動かされ……。
蛇以外は相変わらずおつむが弱いのか、客人たちは「見張りは必ず3人以上」という蛇の言いつけを忘れ、ガルザルとアルネイズの見張りを1人にした結果大惨事を引き起こすことになってしまいました。
やはりガルザル、恐ろしい男ですね。両手を縛られている状態で男1人殺してしまうとは。
ガルザルが逃亡するシーン自体は描かれませんでしたが、気になるのは今のアルネイズの心境。彼への愛情はまだ確かにあるのでしょうが昔とはまるで別人の狂暴性を目の当たりにして、恐怖や不安はないのでしょうか……。逃亡を手助けすれば必然的にアルネイズも処刑対象になるのは理解していたでしょうし。それでもやっぱり捨てきれない愛ゆえなのかな。
ガルザルが登場してからというもの、蛇はそれまでとは180度変わって非常に厳しい人物として描かれ始めました。それでもやっぱりかっこいいですね。この時代においてはものすごく真っ当な部類の人間のように思えます。
彼はどんな事情でケティル農場で客人(用心棒)として雇われるようになったのか、経緯が気になってきました。真っ当な人間ではあるけれどかなりの修羅場をくぐり抜けていそう。
さて一方のトルフィンとエイナル。
この世界から戦争と奴隷はなくせるのかという話。
トルフィンは戦争が奴隷を生み出す要因の一つだとして、戦争が減れば奴隷も減るのではと発言。
実際にこの時代に戦争を亡くす方法を考えていた人物がどれだけいたのかは分かりませんが、1000年経ってもまだ戦争はなくなりません。いや確実に減ってはいると思うのでその進歩を喜ぶべきなのか。
奴隷は確実に減ったでしょうね。一応奴隷制度は廃止されているものの、奴隷が1人もいない世界と断言してよいものかは分かりませんが。
トルフィンややり方は違えどクヌートのように、どうしたら世界から争いが消えるのかを考え続けた人々によって今の(おおむね)平和な世界ができあがったのだと思うと感動と同時に感謝の気持ちが湧きます。ここからさらに1000年経ったら本当に全ての戦争がなくなったり……するのかな。
それはともかく、この第15話一番の感動はなんと言ってもトルフィンがついにヴィンランドを思い出したことです。まだトールズが生きている頃はトルフィンにとっての憧れはまだ見ぬヴィンランドでした。
けれど長く辛い戦いの中でそんな夢のような地のことは忘れ、レイフさんと再会した時にもヴィンランドを思い出すことすらなかった。
そんなトルフィンがついに、ヴィンランドを……思い出した!! 思い出しただけで嬉しい!! これでもしレイフさんと再会したらいよいよ物語が動くのでは!!!
それでもまだまだトルフィンの贖罪の旅はこれからなのだなと思い知らされました。今もまだ夜うなされているのね……。
この「ヴィンランド・サガ」という作品は愛と赦しの物語なのだなと改めて感じました。最後はどんな風に終わるんだろうな。せめてトルフィンにとっては幸せな終わり方であってほしい。
動画配信
※本ページの情報は2023年1月時点のものです。
最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。
コメント