【新アニメレビュー】新選組になる前の浪士たちの活躍を描く「青のミブロ」第1話壬生浪と少年【新アニメレビュー】新選組になる前の浪士たちの活躍を描く「青のミブロ」第1話壬生浪と少年 |

【新アニメレビュー】新選組になる前の浪士たちの活躍を描く「青のミブロ」第1話壬生浪と少年

アニメ

2024.10.20

「青のミブロ」とは？

原作は週刊少年マガジンで連載中の漫画。
原作者は「DAYS」の安田剛士さん。

監督：羽原久美子
シリーズ構成：猪原健太
キャラクターデザイン：大場優子、西田美弥子
アニメーション制作：MAHO FILM

ちりぬにお：梅田修一朗
土方歳三：阿座上洋平
沖田総司：小野賢章

第1話のあらすじ

幕末の京都、団子屋で働く心優しい少年「ちりぬにお」は京都の人々から恐れられる“ミブロ”（壬生みぶ浪士組）の土方歳三と沖田総司に出会う。
そんな中、妹のいろはと共に夜道を歩いていたにおは、子どもばかりを狙う人さらい集団に襲われてしまうが……。

第1話の感想

・新選組になる前の壬生浪士組
舞台は幕末の京都。実在した土方歳三や沖田総司が早速1話から登場しましたが、彼らの肩書は新選組隊士ではなく壬生浪士組。
壬生浪士組とは新選組の前身組織で、壬生に集められた尊王攘夷を目的とする反幕府勢力の浪士たちの中で、江戸には戻らず京都に残った者たちのことだそう。後に新選組を結成するようですが、それ以前は「ミブロ」と京の人々から呼ばれていたんだとか。
新選組を扱った作品はアニメ漫画のみならず星の数ほどありますが、壬生浪士組をメインに扱っているのは結構珍しいかも？

・主人公はオリジナルキャラクター
本作の主人公「ちりぬにお」は土方さんや沖田さんとは違い実在はしていない架空のキャラクター。
一見すると人物には思えない変わった名前ですが、名字の「ちりぬ」は彼を引き取った婆ちゃんが営んでいる団子屋「ちりぬ屋」のことで、「にお」は「いろは“にほ”へと」から取っているようです。ちなみに血の繋がっていない妹の名前は「いろは」。
幕末が舞台にしては珍しい白髪と青い瞳も印象的で、彼の後ろ姿だけを見た沖田さんは最初お婆さんだと勘違いしていたことから、アニメ的表現ではなく実際にこの髪色・瞳の色のようです。なにか意味があるんでしょうか。

・弱い者は金も土地も命すら奪われる理不尽さ
妹のいろはと共に夜道を歩いて家に帰る途中、子どもばかりを狙う人さらい集団に襲われてしまうにお。そこへ現れた土方さんと沖田さんによって二人は助けられるも、人さらいの中にも娘を人質に取られて無理やり働かされていた者がいることを知ります。
さらには土方・沖田によって、人さらいたちを炙り出すために自分たちが囮にされていたことに気づき憤るにお。
弱い者は力ある者から容赦なく金も土地も命すらも奪われる理不尽さが当然のようにあった時代。子どもはその中でも最も弱く翻弄される存在。自分の力では大切な妹一人守れないことに悔し涙を流すにおは、強くなってこの理不尽な時代を変えたいと望むようになります。

・優しさと鋭い洞察力が武器の主人公
におはまだ13歳。刀を握ったこともなければ、喧嘩すらしたことがなさそうな線の細い少年です。そんな彼が土方さんの誘いで“ミブロ”に加わることになりますが、彼の武器は鋭い洞察力。
団子を残していたことから土方さんが甘いモノが苦手と気づいて湯豆腐を勧めたり、人質を取られて嫌々人さらいをさせられている浪士に気づいて事件解決の糸口を見つけたりと1話からその能力を遺憾なく発揮。
彼がこの特技を活かして今後どんな浪士になっていくのか楽しみです。