2024年の秋アニメも例年通り話題作揃いの超豊作クールとなりました。その分視聴本数が増えてアニメ好きとしては大変な3ヶ月に……^^;
それでもなんとか28作品完走したので満足度順にランキング化してみました。
作画やストーリーなど各項目の点数や順位付けはあくまでも個人的なものなので、冬休みに一気見するアニメの参考などにしてもらえたら幸いです。
- 28位 株式会社マジルミエ
- 27位 デリコズ・ナーサリー
- 26位 ねこに転生したおじさん
- 25位 百姓貴族 2nd Season
- 24位 妻、小学生になる。
- 23位 殿と犬
- 22位 合コンに行ったら女がいなかった話
- 21位 アクロトリップ
- 20位 トリリオンゲーム
- 19位 メカウデ
- 18位 らんま1/2
- 17位 青の祓魔師 雪ノ果篇
- 16位 ドラゴンボールDAIMA
- 15位 アオのハコ
- 14位 鴨乃橋ロンの禁断推理 2nd Season
- 13位 るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 京都動乱
- 12位 2.5次元の誘惑
- 11位 新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP SEMIFINAL
- 10位 村井の恋
- 9位 MFゴースト 2nd Season
- 8位 ブルーロック VS.U-20 JAPAN
- 7位 オーイ!とんぼ 第2期
- 6位 来世は他人がいい
- 5位 チ。―地球の運動について―
- 4位 BLEACH 千年血戦篇‐相剋譚‐
- 3位 夏目友人帳 漆
- 2位 ネガポジアングラー
- 1位 ダンダダン
- まとめ
- 未完走アニメ
28位 株式会社マジルミエ

魔法少女×お仕事アニメ
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
近年は魔法少女モノの人気と共に様々な変化球アニメが増えている中で、ファンタジックな魔法少女と現実的なお仕事アニメをかけ合わせる設定がまず新しい。
要とも言える変身バンク(変身シーン)も毎回ではないもののしっかりとしたクオリティで、魔法少女のデザインもちょっとオシャレなバイトの制服っぽいものからピンク基調のお嬢様系、クールな黒、明るいオレンジ系の元気系まで多種多様。
マスコットが魔法の力を与えるのではなく各企業のエンジニアたちが開発した科学技術の延長のような魔法を使うのも斬新でした。
ただ個人的にはそれ以上ぐっとくる要素があまりなくハマりきれないうちに終わってしまいました。ファンタジーとリアルどっちつかずな印象を受けてしまったかもしれません。
しかし一番の理由は作画の不安定さ。特に中盤から終盤にかけてはアップの場面でも顔のパーツが崩れているように感じてしまいどうにも集中できませんでした。やはりJ.C.STAFFの今期の負担が大きすぎたせいでしょうか……。
主な見放題配信
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27位 デリコズ・ナーサリー

子どもたちの可愛さと映像美は百点満点
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
本作は演劇作品「TRUMPシリーズ」初のアニメ。シリーズを知らなくてもアニメ単体で楽しめる内容にはなっているようですが、シリーズ未視聴の個人的な意見としてはやはりファン向けかなという印象。
確かに話の大筋自体は理解できる一方で、おそらくシリーズの他作品を見てやっと意味が分かる部分もあるようなので一アニメ作品としての評価は少し低め。
ただ低評価になった一番の理由はキャラクターの言動や展開に疑問が残る点が多かったこと。実の子どもたちが危険な集団に拉致されてもあまり心配する様子がなかったり、特務組織や警察が何度もあっさりやられてしまったり……見ていて首を捻ることもしばしば。
本編放送前に4週に渡って事前番組が放送され、8月から1話~6話を放送、その後今度は4週に渡って再放送と総集編が放送され……という不思議な放送形式だったのも痛手でした。
おそらくは作品のクオリティを維持するためだったのだと思いますがやはり話の途中で物理的に間が空いてしまうと視聴意欲も下がってしまいます。
とは言えそのおかげで映像的にはかなり完成度が高く、特に背景美術の美しさは群を抜いていました。まるで絵画が動いているような今までにない映像表現で驚かされました。
作画も安定していてキャラデザも美麗。唯一無二の世界観は一見の価値アリ。
あと常に自由奔放でコントロールが利かない子どもたちも可愛かったです。育児アニメとしても中々に楽しめました。
主な見放題配信
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26位 ねこに転生したおじさん

究極の癒し系ショートアニメ
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
ショートアニメの中でもおそらく最短であろう1分30秒という短さながら、ゆるくて可愛い作風に毎週癒やされまくった究極のショートアニメ。
原作の絵柄や雰囲気をそのまま見事にアニメ化しており、登場人物の声も全員イメージぴったり。
猫のプンちゃんの声はリアルだけど可愛い花澤香菜さんが、元人格(?)のおじさんの声は文句なしにおじさん声(褒め言葉)の亀岡孝洋さんがそれぞれ担当することでプンちゃんのキュートさもおじさんの面白さもバランス良く楽しめる親切設計。
会社では厳しいことで知られる社長が実は猫には激甘で溺愛するギャップを関智一さんがユーモアたっぷりに演じているのも楽しい。
原作漫画と同じくこのままずっと放送しててほしい……。
主な配信
25位 百姓貴族 2nd Season

全ての農家さんに感謝を
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
1期から変わらないクオリティで安定の面白さでした。5分アニメだからこそのテンポの良さ、クスッと笑えるのにタメになる知識の数々、荒川農園のぶっ飛んだ破天荒エピソードの連続。
テーマも荒川先生の幼少時代の体験談から北海道の開拓史、農家の苦労話、お肉や野菜の豆知識まで非常に幅広くてとても勉強になりました。
見れば農家さんに感謝したくなること間違いなし。
荒川先生の農業高校時代のエピソードはアニメ化もされた「銀の匙Silver Spoon」を彷彿とするものもあって、銀の匙好きとしても嬉しかったです。
声優も少ないながら豪華で親父殿役の千葉繁さんが毎回ハイテンションでタイトルコールしてくれるのが楽しかったです。
あと2話だけなぜか子安武人さんが出演していてビビりました。
主な配信情報
24位 妻、小学生になる。

最愛の人と正しくお別れするまでの物語
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
10年前に死んだ妻が生まれ変わって小学生の姿で会いに来る、設定は非現実的ながらその後の展開はとことん現実的。
最初は生まれ変わりを信じて手放しに喜ぶ圭介と麻衣の姿が能天気に見えて地に足つかない雰囲気がどうにも合いませんでした。
しかし中盤からは貴恵が生まれ変わった小学生の姿・万理華とその母・千嘉との壮絶な親子関係、生まれ変わりの真相、貴恵との二度目の別れを覚悟する圭介と麻衣など、重苦しくも人間にとっては避けて通れないテーマにとても考えさせられました。
一言で言うながら「終活」。それが本作の主軸に感じました。
中盤からのストーリー展開は見応えがありましたが、アニメ的な見せ場はあまり感じられず。アニメ化より先にドラマ化されたそうですが確かに実写向きなテーマかも。
アニメ版最大の見どころは悠木碧さんの変幻自在な演技力。大人の貴恵、小学生の姿になった貴恵、子どものフリをする貴恵、そして本来の万理華。なんと一人で4役近く演じ分けています。それだけでも見る価値はあるかも。
主な見放題配信
dアニメストア23位 殿と犬

犬の可愛さプライスレス
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
とにかく犬が可愛い。以上。
Live2Dと呼ばれる技術を使った3DCGとはまた違う滑らかな動きのアニメーション。毛のふわふわ感、手足の動き、体の捻り、リアルな体型なのに絶妙なデフォルメ。
アニメ史の中でもここまで理想的な動物を再現した作品は今までなかったのでは。
3分という短さのショートアニメということもありサクッと気軽に見られる上に、毎回ありとあらゆる角度から犬の可愛さを見せつけてくれます。犬かわいい!!
同じエピソードを4人の声優それぞれのバージョンで放送というのも斬新な試みではあるものの、結局自分は大塚明夫さんのバージョンのみ完走。さすがに同じ話を4回は飽きちゃう。
各々好みの殿で楽しんでねってことなのでしょうが、プロの声優3人に対して相葉ちゃんはやっぱり厳しかったんじゃないかな……。
主な見放題配信
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22位 合コンに行ったら女がいなかった話

平凡男子×男装美人のもだもだラブコメ
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
第1話放送後には「BLかと思った」という感想で溢れかえった本作。合コンに行ったら男装の美人しかいなかった、出オチみたいなタイトルですが意外や意外、最後までしっかりとラブコメしていました。
とは言え登場する3組とも天然ボケが多いので進展は全くと言っていいほどしません。浅葱×藤に至ってはお互いに恋愛感情があるのかすらはっきりとしません。友達以上、恋人未満のコメディ強めのラブコメが好きならオススメ。
作画は非常に安定しており、男装美人3名がとにかくイケメン。目の保養です。3人のタイプも王子様系イケメンなのに素は恋する乙女、無気力系イケメンだけど面白いこと大好き、俺様系を演じてるけど本当は礼儀正しい控えめ女子と誰かしらはお気に入りが見つかりそう。
個人的には蘇枋さんのイケメンっぷりと琥珀ちゃんの可愛さがツボでした。
その琥珀ちゃんを演じる東山奈央さんが新境地を開拓。今まで聴いた中ではダントツの低音ボイスでそれがもうめちゃくちゃかっこよくて可愛い。今までにない東山さんの美声に毎週悶えさせられました。女性声優の低音ボイスから得られない栄養素もある……。
梶原岳人さんのコミカルな演技もハマっていたし、武内駿輔さんの低音を封印したナチュラルなお芝居も素晴らしかったです。
主な見放題配信
Amazon Prime VideoFOD Lemino Netflix アニメ放題 バンダイチャンネル TVer ニコニコチャンネル ニコニコ生放送
21位 アクロトリップ

ゆるくてぐだぐだなのに新しい魔法少女モノ
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
毎回まとまりのないぐだぐだ感、ギャグアニメというには弱いオチ、弱すぎる悪の総帥……など最初はなんだこれの連続。
ところが中盤、魔法少女のマスコットであるマシロウの正体が明かされ、クロマが悪の総帥に憧れるようになった理由、ベリーブロッサムとの絶妙な関係性など徐々にこの作品だけの個性的な設定に魅了され最後まで楽しく見てしまいました。
ことあるごとに悪であることを主張するのに本当の悪事には一切手を染めない情けないクロマも、魔法少女であることを楽しみクロマとの戦いを望んでいるようにも見えるベリーブロッサム、彼女が好き過ぎて輝かせるために悪の組織の参謀になってしまう主人公・地図子とキャラの濃さもピカイチ。
惜しむらくは多くの謎が明かされないまま終わってしまったこと。原作が全5巻と短いので仕方ないのですが。
悪の組織フォッサマグナの総統は何が目的だったのか、本当に悪なのか。クロマはなぜ昔から魔法が使えたのか。マシロウやヒューは元の姿に戻れるのか。最終回で地図子が「魔法って? 契約って?」と改めて疑問を抱いたように、この世界における魔法とは何なのか結局明かされていないので、ぜひともいつか続きが見たいですね。
主な見放題配信
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20位 トリリオンゲーム

犯罪スレスレ金儲けビジネスアニメ
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
「Dr.STONE」で全人類が一瞬で石化する話を書いた稲垣理一郎先生の原作ということもあり、今作も舞台は現代なのにドクストに負けないくらいのぶっ飛んだスケール。
稲垣先生原作漫画と言えば主人公に天才だけどやることなすこと悪役っぽいキャラがいるのが印象的。「アイシールド21」のヒル魔しかり、「Dr.STONE」の千空しかり。そして今作ではハルがそのポジション。
金を稼ぐためならどんな卑怯な手でも躊躇なく、何なら犯罪スレスレどころか完全に犯罪だろって方法にも迷いがない、およそ主人公とは思えないキャラクター。「悪いことにブレーキがない」というガクの言葉にも頷けます。
ただ毎度絶妙なのが身近な人物や協力してくれた人、取引相手などには騙すことはしても最終的にお互い損をしないよう立ち回っているのが何とも憎めない。悪いことにブレーキがないだけで悪人ではないのが上手いんですよね。
ガクや凛々たちと一緒に視聴者も次はどんなとんでもないことをしでかすんだろうとハラハラワクワクさせられるのが楽しい。
残念なポイントはキャラデザと作画。原作で作画を担当している池上遼一先生の絵柄はものすごい緻密で写実的なんですが、あれを雰囲気壊さずにアニメ化するのはやはり相当難易度高かったようです。このキャラデザで食わず嫌いしてしまった人も多いのでは……。
作画も極端に崩れることはなかったものの綺麗という感じでもなかったのでちょっともったいなかったなと。
声優陣は若手からベテランまでバランスよく出演していて好印象。特にハル役の大塚剛央さんは新境地を開いたなと。役にぴったりハマっていてかなり感情表現豊かに演じていたのが素晴らしかったです。
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dアニメストア19位 メカウデ

荒削りながらも王道バトルアニメ
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
自主制作アニメから始まっていることもあり他のTVアニメとはちょっと違う雰囲気。シンプルなキャラデザも作画も、令和の綺麗めなアニメ画に慣れてる人にはちょっと粗く感じるかもしれません。
ただ一般的なTVアニメと違って原画と動画ではなく作画とクレジットされているところから見て、かなりの少数精鋭で描いているのが分かります。その上で見るとこの人数でこれだけのキャラ数を動かしているのかと感動すら覚えました。
絵柄的にも腕型メカとのバディアクションという設定的にも土日の朝か夕方辺りに放送していれば子どもたちにも人気が出たのではなかろうか。
顔と名前を覚えきれないレベルのキャラ人数からしても本来は2クール程度の内容に感じたし、いろいろと裏事情があるのだろうなと感じてしまいました。
アクションもかっこいいしキャラもメカウデも個性的、澤野弘之さんの音楽も文句なしにかっこいいしでもったいない要素はありつつもかなり楽しめました。
とにかく詰め込みすぎなのが本当にもったいない……。
主な見放題配信
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18位 らんま1/2

奇跡のメインキャスト続投
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
およそ35年ぶりのリメイクながらメインキャストがほぼ全員続投なのはやはり奇跡としか言いようがありません。それだけでも価値のあるリメイクでした。
当時はほぼ全員新人だったのが今や大ベテラン。さすがに年齢を感じさせる声の変化はあったものの、井上喜久子さんや高山みなみさんなどは35年前からタイムスリップしてきたかのようにそのままで感動。日高のり子さんも声は少し低くなった印象でしたが、「乱馬のバカーッ!」というセリフだけは本当にあの頃のままで改めて声優さんの凄さを認識させられました。
声優が変更となった早雲や玄馬は多少印象の変化はあれど違和感ゼロ。一方で九能先輩や格闘ペアスケート編の三千院帝と白鳥あずさは個人的にはイマイチなキャスティング。九能役の杉田智和さん、三千院役の宮野真守さん、どちらも演技力がありいわゆるイケボ声優ではありますが、それと同時に声優界切ってのおもしろ声優さんでもあります。そのおもしろさが全面に出てしまって、見た目と声はハンサムだけど中身がアホでクズというギャップがちょっと崩れてしまったかなと。これは声優さんの技量うんぬんの問題ではなく、リメイク版アニメスタッフの意向によるものだと思うので、単純に私と公式の解釈違いの話ですが。
旧アニメ版が大好きな自分にとってはキャラデザの変化も大きかったですね。やはり中嶋敦子さんのキャラデザが可愛すぎた……。
この辺りはもう旧作への思い入れの強さで人によってかなり評価が変わると思います。むしろ今作のキャラデザのが原作に寄せているはずですし。
ただそれでもやはり高橋留美子先生の描くお話は面白かった。どんなに声や絵柄が変わっても面白いものは面白い。改めて留美子先生の凄さを思い知らされる結果となりました。
おそらく原作通りに最後までアニメ化してくれるはずなので、今後が非常に楽しみです。
主な見放題配信
17位 青の祓魔師 雪ノ果篇

奥村兄弟が迎える最悪の結末
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
前作の島根啓明結社篇があまりにもあんまりな出来だったので正直見るか迷ったのですが……結果的には見てよかった!
相変わらずキャラデザの違和感や作画の不安定さ・粗さは否定できないものの、脚本面はかなり改善されたように感じます。イルミナティ篇がものすんごい駆け足だったのはこの雪ノ果篇と(1月から放送の)終夜篇を重視した結果なんでしょうね。
この雪ノ果篇では初期からのキャラであるシュラのバックボーンや獅郎との出会い・関係などが描かれる他、雪男が燐と決別するまでの心境の変化や正十字騎士団と獅郎の秘密が明かされました。かなり濃密な1クールでした。
イルミナティ篇がアニメ化されるずっと前に原作の担当編集さんが「青エクはここからが本当に面白い」と仰っていましたが今ならそれが良く分かります。イルミナティ篇まではほんの序章だった……。
ただやはり作画の不安定さは残念。豪華声優な上に話もとんでもなく面白いのに。近年はどんどんTVアニメの作画レベルが上がっているのでこれだと中々人気を得るのは難しいかなと。
それでも話の面白さと、何より雪男役の福山潤さんの名演に支えられていた印象でした。雪男は福山さんが演じた役の中でもトップクラスに演技力の高さを感じられるのでオススメ。
主な見放題配信
dアニメストア16位 ドラゴンボールDAIMA

ファン感涙のアニメーション
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
鳥山明先生の生み出す世界観とあの絵柄を良くぞここまで。作画が本当に素晴らしかった。鳥山先生からの信頼も厚かったという中鶴勝祥さんがキャラデザを担当しているこもあり、鳥山先生の絵が動いているような感動がありました。
バトルアクションも圧巻で、特に悟空VSタマガミ・ナンバー・スリーの戦いが個人的にはベストバウト。
原作や歴代アニメシリーズでさらった触れられていた設定や伏線が多く回収されたのもファンにとっては嬉しいポイント。これも鳥山先生がストーリー原案を担当しているからこそ。
声優陣はレギュラーキャラが全員子どもの姿に変えられてしまったことから悟空役の野沢雅子さんを除いてキャストが一新。違和感がないように上手くキャスティングされており、その中でもミニベジータ役の三野雄大さんが天才的。まだ新人なのにも関わらず堂々としていて、何より堀川りょうさんの雰囲気や芝居の特徴を見事に掴んでいるのが本当にすごい。
まあ一番凄いのは御年88歳にして未だに悟空を変わらず演じられている野沢さんなんですけども……。
他にも高橋広樹さんや三宅健太さん、関智一さんなど途中から出演した声優陣も豪華。
ストーリー進行はかなりゆったりとしていてバトルよりも日常シーンやギャグ、キャラ同士のかけあいなどを重視している印象。バトルも今のところはコミカルで、痛々しい描写や残酷表現はゼロ。なぜか深夜放送ですが大人も子どもも一緒に楽しめる安心感があります。
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15位 アオのハコ

あまりにも眩しい純度100%のアオハル
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
Official髭男dismのOPテーマ「Same Blue」にまず心奪われました。楽曲の透明感と切なさ、青春の中のハッとするほど美しい一瞬を切り取ったような映像、OPに関しては文句なしの100点満点。
その一方で本編に関してはかなり好みが分かれるものとなりました。一番多く聞かれた感想は「キラキラしすぎていて大人には刺さらない」というようなもの。個人的には大人が見ても充分に楽しめましたが、今どき珍しいくらいに純度100%の青春ど真ん中なラブストーリーなので確かに合わない人は合わないかも。
お色気要素もゼロで、主人公を中心とした爽やかで切ない三角関係がゆっくりじっくり丁寧に描かれており、ラブコメを期待して見始めるとつまらなく感じてしまうかもしれません。
もうひとつ難しかったのが部活と恋愛のバランス。主人公の大喜はバドミントン、ヒロインの千夏先輩はバスケ部、大喜の幼馴染でもうひとりのヒロイン雛は新体操と主要キャラ3人とも違う部活に所属しています。主に大喜のバドミントンがメインで描かれ、練習風景や試合の様子もしっかりと描写されますが本作はあくまでも恋愛メイン。スポーツアニメ並みの作画ではありますがスポーツアニメではない。
そのため部活動の部分はかなりあっさり決着がついてしまい、少し物足りなく感じてしまうこともありました。
とは言え、下手なスポーツアニメよりよっぽど作画のクオリティが高いので見てて楽しくもあります。
基本的に大喜・千夏・雛のちょっとしたことに一喜一憂する恋心が繊細に揺れ動く様を重要視しているので、少女漫画チックな作風が好きな人にはオススメ。
千葉翔也さん、上田麗奈さん、鬼頭明里さんの若手3人のお芝居も素敵でした。
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14位 鴨乃橋ロンの禁断推理 2nd Season

ロンの過去に迫るライトミステリー
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
基本2話完結のサクッと見られるミステリーアニメ。本格ミステリというよりは某小学生探偵アニメと同じくツッコミを入れつつ楽しめるライトな作品です。
1期ではM家が登場する最後の事件以外はそれぞれ完結した短編を集めていたのに対し、2期ではM家との直接対決から始まりほぼ全話にロンの過去が関係してくる大筋が絡んでいたことからより見応えがありました。
徐々に明かされていくロンの過去、そして2期最後の事件では衝撃の事実も判明し、現在と過去が複雑に絡み合う展開がとても面白かったです。
中には非現実的なトリックもあり本格ミステリとは言い難い作品ですが、それでも高評価なのは作画に関して。アクションシーンがないためアニメーションとしては地味な一方、作画がほぼ崩れることがなくまた何気ない仕草や動きがものすごく丁寧に描写されていました。単純に絵が上手い。アニメーター陣のレベルの高さが感じられました。
主演の阿座上洋平さんと榎木淳弥さんの親和性も1期からパワーアップ、安定感がありました。各事件のゲスト声優たちも非常に豪華。ただ毎回犯人役の声優さんが大物ばかりなので声優オタクほど声で犯人が分かってしまうのは御愛嬌。
主な見放題配信
dアニメストア13位 るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 京都動乱

原作者による完全監修の強み
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
リメイクは旧作ファンにとっては声優や作画を比べてしまいどうしても辛口になってしまうものですが、このリメイク版るろ剣は原作者の和月先生が完全監修していることもあり安定感は抜群。原作補完の要素もあったり、第34話に至っては和月先生のネームを基にしたアニメオリジナル回もあったりと原作ファンも新鮮な気持ちで楽しめる要素も多数。
旧作は少し見ていた程度でちゃんとるろ剣に触れるのはこれが初の自分にとっても、綺麗な作画と豪華声優陣のおかげで楽しく視聴できました。
声優面では比古清十郎役の中村悠一さんが特に印象的。剣心の師匠であり作中トップクラスの実力を持つキャラクターですが、旧作では唯一無二の声を持つ池田秀一さんが演じていました。あのイメージが強く中村さんだと少し若すぎるのでは……と心配していましたがやはり杞憂でしたね。何気にほぼ同い年の役ですし。新旧最強ボイス声優のキャスティングがとても粋でした。
主な見放題配信
dアニメストア12位 2.5次元の誘惑

青春スポコンコスプレアニメ
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
最初こそラブコメ要素が強くラッキースケベやお色気シーンが多かったものの、初めてのイベント参加以降一気にコスプレメインに。
まだまだ偏見の目も多いコスプレというテーマ、コスプレへの意識の違い、レイヤー同士の葛藤と劣等感、コスプレの目的……などリアルなコスプレ事情が描かれており見応えたっぷり。
登場する女の子たちの抱える姿や悩みも等身大で、何らかのオタクを経験したことのある人なら誰もが共感できる内容になっていたように感じました。
主人公の奥村が度々口にする「オタクたるもの、他人の好きは否定しない」という口癖はシンプルながら真理をついていて格言にしたいほど。簡単なようで否定しないって意外と難しいものです。
コスプレイヤーというファン側のオタク活動だけではなく、物語やキャラクターを生み出す漫画家側の苦悩や、作家とファンの両方が互いに影響を受け合い作品を作り上げていく描き方も、実際にその苦悩を経験しているであろう漫画家ならではの視点で説得力がありました。
また奥村がなぜ2次元の女性しか愛せないのか、なぜ3次元の女性に興味がなくなったのかなどにもきちんと理由付けされており、深みのあるキャラクター像にも感動しました。
奥村役の榎木淳弥さんがコミカルから泥臭いお芝居まで幅広く演じることでより人間味が際立っていたように思います。
1話からずっと作画のクオリティを維持し続けたのも素晴らしい。さすがに終盤は多少の崩れもあったものの充分許容範囲内。
主に女性レイヤーが多数登場しましたが、体型の違いがしっかりと表現されていて感動。
2期もこのクオリティで見られると思うと今から楽しみです。
主な見放題配信
Amazon Prime VideoFOD J:COM STREAM Lemino milplus Netflix TELASA アニメ放題 バンダイチャンネル auスマートパスプレミアム
11位 新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP SEMIFINAL

美麗な作画と見れば元気になる超次元テニス
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
新テニU17W杯シリーズの第1期はストーリーは超絶駆け足、作画は微妙、クオリティの低いCG……と散々な出来でこの第2期を見るか迷うレベルでした。が、2期になってまさかのクオリティ爆上がり。
まず作画の美しさが段違い。作画の使いまわしを多用している代わりに、ほぼ全ての回でとんでもない美麗なキャラクター作画を楽しむことができました。テニプリは試合はぶっ飛んでるけど多種多様なイケメンが登場するので作画が美しいだけで一気に満足度が上がります。
我が推しの不二先輩や大好きな幸村さんも言葉にできないくらい美しくて毎週幸せでした。作画に関しては歴代テニプリアニメの中でも最上位だったのでは。
脚本面も大いに改善。1期では何がなんだか分からないくらい展開が早く、新キャラも多いのに全く魅力が伝わって来なかったんですが今作では対するドイツ代表チームそれぞれにきちんと見せ場があり魅力が存分に伝わってきました。Q.Pやジークフリートの過去回想には不覚にも感動させられましたし、各試合に2~3話かけてじっくり話が展開するので敵チームにも愛着が湧きました。
そして何と言っても見応えがあったのがドイツ代表となった手塚部長と日本代表の幸村さんとの一戦。双方にリョーマくんとの因縁を絡ませることで主人公が試合に出なくても存在感があり、長年のテニプリファンほど感動する神回になっていました。
今のところ続編は発表されていませんが、U17W杯はまだ準決勝が終わったところ。ぜひともこのままのハイクオリティで決勝戦も見たいですね。
ちなみにテニプリはかなりの長寿アニメなので今まで触れたことのない人にとってはちょっと取っ付きにくく感じるかもしれませんが、最新作から入ってもたぶん爆笑できること間違いなしなので興味のある方はぜひ。見ると元気になれますよ。
主な見放題配信
dアニメストア10位 村井の恋

史上最高の紙芝居アニメ
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
第1話を見た時は「なんだこの全く動かない紙芝居アニメは」と正直呆れたのですが、まさかここまで化けるとは。
まず作画については低予算なのかいわゆるアニメーション的な動きはほぼありません。ただその分、作画自体はとても綺麗で安定感も◯。イメージとしては漫画に色と音声をつけたボイスコミックのような感じ。
本来なら紙芝居アニメは作画が全然動かないことに対する批判的な言葉なのですが、この作品に関しては元々強烈なギャグが連発されるエクストリームラブコメ。開き直ったように全く動く気がない作画がそのギャグをより増幅させており、結果的にめちゃくちゃアリになっているのが天才。
OPとEDも作品にベストマッチなカオスさで、最初から最後まで気が狂いそうな世界観にどっぷりと浸れる仕様。
話の内容も様子のおかしいイケメン男子高校生が乙女ゲームガチ勢オタクの女性教師に恋をして猛アタックする、という設定からして面白いもの。
ところが話が進むにつれ、次第に「もしかしてこれ中身はベタな王道恋愛モノなのでは……?」とじわじわ惹かれ始めます。
そして終盤になると本作が頭のおかしいギャグアニメの皮を被った超純愛ラブストーリーだったことに気付かされるのです。冗談抜きに泣くほど感動できるので騙されたと思って見てほしい。
また声優陣のお芝居が素晴らしく特に主人公の田中先生を演じる日笠陽子さんがMVP。学校では無表情でクールな鉄仮面の女教師、プライベートでは乙女ゲームの攻略キャラにガチ恋するオタク。その二面性と、猛アタックしてくる村井くんへの心のツッコミがとにかく秀逸。日笠さんの演技力がなければ成立しなかったかもしれないほど。
まっすぐで少しアンニュイな村井役の高梨謙吾さんも、大人の包容力と圧倒的イケボな山門役の松風雅也さんも、激渋ボイスがまた笑いを誘う大塚芳忠さんのナレーションも、声優陣のお芝居が本当に素晴らしかったです。
ディズニープラス独占配信なのが惜しい……ですが、1月からTOKYO MXとBS日テレにて再放送が決定したそうなので未視聴の方はぜひ!!
主な見放題配信
9位 MFゴースト 2nd Season

ハイレベルな3DCGと大迫力のカーレース
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
1期からCGのクオリティがさらにアップ。第2戦の芦ノ湖GTは土砂降りの中でのレースで、3DCGによって再現された雨と水飛沫の描写が超リアル。この第2期は8話かけて第2戦のレースが展開しますが、その内の8割方はずっとレースしてるだけなのに巧みなカメラワークとCG技術、超豪華声優陣による演技、テンションの上がるユーロビートのおかげで全く飽きることなく毎週大興奮でした。
キャラ作画は手描きかつ安定感抜群なのも良き。
またこの第2戦では車同士の接触や事故による脱落者も出て開幕戦以上の緊張感にハラハラドキドキ。先の見えない濃霧の中でぶっ飛ばすカナタや濡れた路面でスリップなど思わず声が出てしまうほどの臨場感でした。
ヒロインの恋ちゃんを始めレースには参加していない女の子たちの恋模様やガールズトークは賛否両論かと思いますが、レース内容があまりにも緊迫の展開続きなのでいい箸休めになっていました。たぶんガールズトークなかったら1話ごとに疲れてぐったりしてたと思いますw(それはそれでいいけど)。
1期では覚えきれなかったドライバーたちの顔と名前と声優もようやく一致し始めて、各キャラの性格や特徴なども分かってくるとよりレースが楽しくなってきました。
2期からはさらに八代拓さんや岩田光央さん、矢尾一樹さん、高木渉さん、松本保典さんなどが参加して声優の豪華さもパワーアップ。「頭文字D」ファンはより楽しめたようですが、MFGから入った新規ファンでも充分楽しめました。
主な見放題配信
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8位 ブルーロック VS.U-20 JAPAN

ロジカルで“エゴい”サッカーアニメ
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
原作でもファン人気が高いというU20日本代表戦。日本の未来を担う若き選手たちと、過酷な選考を勝ち抜いてきた潔たちブルーロック選抜チームとの一戦は、糸師兄弟の因縁やU20代表選手たちの葛藤と成長、ストライカーとしてさらなる進化を遂げる潔など見どころ満載。白熱の名試合となりました。
それだけでなくU20日本代表を応援しに来ていた大勢の観客たちや実況解説の大人たちが試合が進むうちに両チームの熱量に惹き込まれていく様子や、会場の熱気そのものがしっかりと伝わってくる描写がなされており自分も観客の一人になったかのようなアツさがありました。
登場キャラは見た目もセリフも奇抜な者が多く一見超次元サッカーにも見えるのですが、日本サッカーを底上げするという確固たるテーマが一貫していて感動しました。
作画に関しては止め絵を多用したボイスコミックのような演出がなされ、スポーツアニメとしてどうなんだ? と序盤はかなり戸惑いました。1期では作画は崩れつつも果敢にキャラを動かしていたのでかなり手法が変更した印象です。
しかし中盤辺りからは顔アップの作画は完璧、引きの人物・ドリブルなど足元のみのカットでは3DCGと使い分けることで安定した作画が維持されていました。
さらに最終話Bパートのアディショナルタイムからはそれまでとは打って変わってほぼ全て手描き作画でまるで映画のようなど迫力のアニメーションが展開。これがもう……天才的。圧巻の一言。
終わってみれば作画面も大満足でした。素晴らしい。
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dアニメストア7位 オーイ!とんぼ 第2期

女子スポーツアニメの大傑作
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
第1期放送前まではほぼ知名度ゼロだったのにダークホースとして話題になり、この第2期では序盤から最後まで文句なしの面白さで駆け抜けました。
1期はトカラの美しい離島での生活やとんぼが成長するまでの日常がゆったりとした空気感で描かれたのに対し、2期はとんぼにとって初めての大会がスタート。
とんぼと共に優勝争いをする円・ひのき・エマという3人の女性ゴルファーによるピリピリとした緊張感と、純粋にゴルフを楽しむ天真爛漫なとんぼのギャップが面白いように作用していました。
初めての大会で初めてのプレッシャーに挑むとんぼ、強い信念でプロを目指しスポーツマンシップに溢れるつぶら、厳しい父親の期待に押しつぶされ不正をしてしまった罪悪感に苛まれるひのき、元世界ジュニアチャンピオンながら足の怪我に苦しまされるエマ。この4人のヒロインそれぞれの試練と接戦が手に汗握る展開を生み出しハズレ回のない名作となりました。
とんぼ役が新人声優のはやしりかさんなのに対し、つぶら役が喜多村英梨さん、ひのき役が石川由依さん、エマ役が井上麻里奈さんと実力派声優を当ててきたのもキャラとマッチ。
作画も1期から格段にクオリティアップし、安定感が驚くほど増しました。捻りの多い難しい動きのスイングシーンの作画も綺麗。
個人的にはこれまで見た女子スポーツモノでは圧倒的No.1ですし、スポーツアニメの中でも老若男女ゴルフに興味がない人にもオススメしたい名作です。
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6位 来世は他人がいい

超豪華声優陣による極上の会話劇
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
まず最初に言っておくと石田彰さんファンにとってはこれ以上無いご褒美のようなアニメです。もうそれだけで100点満点つけたいくらい。
ゾッとする声、キュンとする声、かっこいい声、狂気的な声、愛を囁く声……石田さんの魅力が全て詰まったような極上のお芝居を聴くことができます。石田さんが好きな人はとりあえず見ましょう。
その石田さんに負けないくらい素晴らしかったのが主人公の吉乃を演じた上田瞳さん。女子高生とは思えない肝の座り方で啖呵を切るお芝居がとにかくかっこいい。
石田さんの他にも遊佐浩二さん、上田燿司さん、中井和哉さん、置鮎龍太郎さんなど声の迫力が凄いベテラン男性声優陣に囲まれながら一切負けていないのが本当にすごい。
石田さんと遊佐さんに挟まれてなお媚びない負けない声を出せる若手女性声優は中々いない。
ストーリー面は恋愛と極道の半々くらいで、恋愛と言っても相手がヤクザの孫でイカレた変態なので当然まともな恋愛ではありませんが、表情やセリフに出ない霧島の感情を石田さんが補完するように演じてくれているので楽しい。
極道に関しては暴力や汚い部分もしっかり描写しており好感。女性向けの極道作品て妙に生易しいモノもあるんですが、これはしっかりヤクザの恐ろしさが伝わってくるのがいい。危ない人たちには興味本位で関わるとろくなことにならないよという部分がしっかりしてます。
2期の発表がないまま中途半端なところで終わってしまったのは少し残念。ただその分、遅くともいつか続編が見られるかもしれないと希望も残りました。せっかくの豪華キャスト、ぜひとも続きが見たいです。
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Amazon Prime Video5位 チ。―地球の運動について―

人類の歴史は知性と暴力と感動の歴史
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
この作品を見るには相当な覚悟が必要になります。なぜなら生々しい拷問が容赦なく描写されているから。グロというより痛い描写に耐性がないならあまりオススメできません。かくいう私も毎回息も絶え絶えになりながら気合いで乗り越えてます。
ただそこを乗り越えさえすれば、間違いなく歴史に残る名作。フィクションとは思えないほどリアルな人間が描かれています。人間の欲望も暴力も、知性も勇気も感動も。
この物語には主人公が何人もいて、ストーリーの進行と共にその主人公は移り変わっていきます。年齢も性別も地位も価値観もバラバラの主人公たちはしかし、世界の真実と美しさを追い求め、その意志は途切れそうになっても次の主人公へと受け継がれていく。自分は死んでも誰かが繋いでいく。
まるで歴史そのものを垣間見ているような残酷さと美しさに胸が震える名作です。
その感動を支えているのが豪華声優陣による魂のこもった名演技たち。特にオクジー役の小西克幸さん、バデーニ役の中村悠一さん、ノヴァク役の津田健次郎さんのお芝居はもはや芝居の域を超えたような生々しさがありました。聴いているだけで胸が苦しくなって、思い出すだけで胸が詰まるほど、心に傷痕を残すような。
もう二度と見たくないほど辛い展開の連続ですが、だからこそ全身全霊の覚悟を持って第2クールも最後まで見届けたいと思います。
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ABEMA4位 BLEACH 千年血戦篇‐相剋譚‐

ファンサービスが神すぎる
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
「総監修:久保帯人」はやはり強いですね。ファンのために作られたアニメなのがすごく伝わってきました。原作を補完するアニメオリジナルのシーンも多数、声優も超豪華、OP・EDのこだわりや演出も胸アツ、何より作画。久保先生が作画描いてんのかなと思うくらい原作絵そのまんまのキャラデザで、それが一切崩れることなくものすんごい動く。感動ものです。アニメ化のお手本であり、たぶん他では真似できないくらいの労力。
千年決戦篇も折り返しで、これまでとことんしてやられてきた死神側がついに反撃を開始、護廷十三隊の各隊長・副隊長の活躍がたくさん見れて大満足。
特にマユリ様とネムの関係性、ネムがどうやって生まれ育ち、二人がお互いにどんな感情を抱いていたのか明かされるエピソードには完全に心を持っていかれました。こんなにいい話隠し持ってたんか……。
他にも京楽隊長と七緒ちゃん、バズビーとハッシュヴァルトなど敵味方問わずエモいエピソードが多数。心底BLEACH見てきて良かったと思えました。
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dアニメストア3位 夏目友人帳 漆

人と妖怪の心温まる珠玉のエピソードたち
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
第1期からずっと変わらない空気感を保ち続けていることにまず感動。その上で作画の美しさと安定感は増しており、ファンの期待を裏切らないどころか期待を超えてきてくれる素晴らしい第7期でした。
今作は今まであまり深堀りされたことのなかった北本くんと西村くんにそれぞれ1話ずつがっつりフォーカスしてくれたことや多軌の兄、ちょびの秘密、的場さんの人となり、レイコさんが友人帳を始めた理由などレギュラーキャラクターたちの新たな一面を見られるエピソードが多かったのが非常に印象的。
それでいて夏目友人帳の根幹とも言える妖怪たちとの一期一会も変わらずあって、歴代シリーズの中でも特に完成度が高かったように感じました。
ここへ来てちょっと重要そうな新キャラ・依島さんの登場も嬉しいですし、個人的には不気味でちょっと怖いイメージのあった的場さんの人間らしい側面も見られたのが嬉しかったです。
歴代のシリーズはどれも分割2クール方式(1期と2期、3期と4期、5期と6期がそれぞれ3ヶ月あけて放送)だったので、最終回放送直後に8期の発表がなかったのは正直残念……。もしかしたら近いうちに発表があるかも? と密かに期待しております。
なかったとしてもこのアニメ制作陣には絶大な信頼を寄せているので遅くともいつか続編を作ってくれると信じてます。
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dアニメストア2位 ネガポジアングラー

もっと評価されてほしい記憶に残る名作
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
絶望的なまでにネガティブで救いようのない駄目な主人公・常宏。見てるとイライラして視聴を辞めてしまった人も多いかもしれません。しかし彼が主人公でなければこの物語は成立しなかったはず。
人生の全てに絶望して物事を悲観的に捉えてしまっていた常宏が、ハナや貴明ら底抜けに明るい釣り仲間と出会い、釣りを通して少しずつ成長していく。
魚の気持ちになってみること、時にはぐっと我慢して動かず待つこと、釣れる時間帯や場所を下調べして準備すること、みんなで競ったり褒め合ったりしながら釣りをするのは楽しいこと……。
常宏が釣りをしていく中で無意識に学んだことはそのどれもが人生にも通ずることばかり。それらを説教臭くキャラに語らせるのではなく、間違ったり逃げたりしながらも常宏が自分自身の心で感じて頭で考えて気づいていく、その脚本の妙に何度も唸らされました。
最初は釣りに行くことすらだるいと感じていた常宏がいつの間にか道具や魚のことを自分から調べ始めて、バイトを休まず行けるようになって、逃げ続けていた病院に自分から電話できるようになって、できなくなっていたことがほんの少しずつでもできるようになっていく。そんな過程がじっくり丁寧に描かれることで、彼の成長にだんだんと泣けてきます。
とことんまで生々しく人間の弱さを描いているので人によっては見るのが辛かったりイライラしたりもどかしく感じると思います。けれど弱い主人公だからこそ、際立つ美しさがありました。
一見陽キャで面倒見も良く全てが完璧に見える貴明が実は常宏と同じくネガティブ側の人間だったと分かる終盤の展開も見応え抜群。常宏と貴明のW主人公と言っても過言ではないほど素晴らしいキャラクターでした。
序盤はちょっと影が薄いようにも見えたヒロインのハナちゃんがまたいい味出してます。
脚本の完成度が非常に高く、シンプルながら遊び心のあるキャラデザ、安定感があり人間味溢れる生きた作画、超リアルな釣りのアニメーション、聴き応えのある声優陣のお芝居などどれを取ってもハイクオリティ。今年どころかここ数年でも最高峰のオリジナルアニメだったと思います。
無双する最強の主人公も、ド派手なアクションも、あっと驚くどんでん返しも、わかりやすい感動もなく今の流行りとは真逆のアニメですが、長く愛されてほしい知る人ぞ知る名作になりそう。
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ABEMAFOD J:COM STREAM Lemino milplus TELASA WOWOWオンデマンド アニメ放題 バンダイチャンネル ニコニコチャンネル AnimeFesta
1位 ダンダダン

抱腹絶倒なんでもアリのカオスな覇権アニメ
シナリオ キャラ 作画
声優 音楽 総合評価
第1話のインパクトが今年のアニメの中でもトップクラス。そこから中だるみすることなく最後まで全速力で駆け抜けました。
まずなんと言っても作画。ケレン味のある圧倒的なアニメーション。アクションシーンにおいては特にキャラクターたちが生き生きと躍動しその動きだけでワクワクさせられました。
静と動、メリハリ、寒色と暖色の使い分けもハイセンスでその中でも7話はアニメ史に残る神回。強烈なギャグがほとんどの本作で、まるで映画を見ているような芸術的な演出に鳥肌。セリフがなくても手や指の動きや表情だけで感情が伝わってきて、アニメーションの凄みを感じました。
主演の若山詩音さんと花江夏樹さんの体当たり全力演技も圧巻。序盤はほぼ二人芝居なことも多くかけあいの楽しさが詰まっていました。これぞ声優。
不気味さと可愛さ(招き猫になってから)を兼ね備えた田中真弓さん、今までにないキモすぎるセリフ連発で新境地を開いた中井和哉さん、愛と狂気を完璧に表現しきった井上喜久子さん、ハイテンションでなんかよく分からんけど面白すぎた関智一さんと杉田智和さん、ベテラン声優陣による貴重な演技も最高でした。
終始カオスで下ネタが飛び出さない回がないほど下品なセリフも多いのに、主人公二人はまるで少女漫画みたいに純情でピュア。思わず応援したくなってしまうし、恋敵のアイラとジジも異常にクセが強いのに愛すべきおバカ。
全てが絶妙に噛み合って奇跡的なバランスを保っているそんなカオスさでした。
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dアニメストアまとめ
今期も非常にハイレベルで、特に作画やアニメーションに関してはどれも甲乙つけがたいほどでした。
評価基準としては作画のクオリティを重視しつつ、印象的な演出があったか、心に残る声優さんの演技があったか、理屈抜きで感動できたか、楽しく最後まで見られたかなどで総合的に順位付けしてみました。
本当は上位全部同率1位にしたいくらいです^^;
ちなみに残念ながら未完走となってしまったアニメに関してはこの下にまとめてあります。
それではここまで読んでいただきありがとうございました!
未完走アニメ

星降る王国のニナ
主人公であるニナの心情が場面ごとにころころ変わるのが見ていてちょっとストレスでした。言動に一貫性があまり感じられなかった印象です。
ストーリーの展開も早く、少女漫画でよくあるヤツをつなぎ合わせたような違和感もあって、つまらなくはないんだけど好みではないかなと。
何よりも木曜深夜放送のアニメは今期ビッグタイトルがいくつも並んでいるので、そちらを優先した形です。
青のミブロ
1話の時点では可もなく不可もなく、しかし2話3話と見ていくうちに何とも言いようのない違和感がじわじわと大きくなってきて見るのを辞めました。
違和感の正体を言語化するのは難しいのですが、強いて言うなら幕末感が薄い……でしょうか。にお のビジュアルや言葉遣いなど含めて現代の少年っぽさがあるような気がして、イマイチ乗り切れず。
まあでも一番はキャラデザと作画があまり好みではなかったことかもしれません。今期は年代の近い往年の名作「るろうに剣心」のハイクオリティなリメイクも放送してましたし、そういう意味でもちょっと厳しかったかなと。


妖怪学校の先生はじめました!
シンプルにギャグが合わなかったです。ドタバタハイテンションコメディは好きですが、自分にはちょっと相性が悪かったかなと。
どうやら原作の内容をかなり詰め込んでいるらしく、賑やかを通り越してうるさく感じてしまったのはそれが原因かもしれません。
声優も豪華だしキャラデザも良く、特にデフォルメされた妖怪たちがみんな可愛かったのでちょっと残念……。
妖怪モノも人気ジャンルなので中々に難しいですね。
甘神さんちの縁結び
鈴木崚汰くんが主演なので見始めましたが、やはりハーレムラブコメは合わなかったようです。それでも女の子のキャラデザがとにかく可愛かったので映像的には楽しめました。
主人公のキャラも良かったし神社が舞台で美人巫女3姉妹も素敵、ただ話の展開としては王道中の王道であまり続きに興味を唆られなかったのが残念。
若山詩音ちゃんの声がとても可愛くてそれは大収穫でした。ダンダダンのモモと比べても振り幅えげつないですね。




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