【アニメ感想】わたしの幸せな結婚第一話「出会い」【2023夏アニメ】

アニメ

2023.07.062023.07.13

1話のあらすじ

齊森家の長女・美世（CV.上田麗奈）は実父の真一（CV.家中宏）と継母の香乃子（CV.植田佳奈）、そして異母妹の香耶（CV.佐倉綾音）から虐げられ使用人同然の生活を送っていた。
唯一、心優しい幼馴染の辰石幸次（CV.西山宏太朗）だけが美世にとって心の拠り所だったが、ある日父親同士の意向で幸次が香耶の夫として婿入りすることが決まってしまう。

1話の感想

・原作は「小説家になろう」の小説
本作は小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載され現在はKADOKAWAより刊行されている小説が原作。いわゆる「なろう系」というと異世界転生（転移）モノや悪役令嬢モノなどが有名ですが、こちらは和風ファンタジーのラブストーリー。ただし第1話の時点ではファンタジー要素は一切出てきません。
個人的には「なろう系」があまりにも苦手なのでほとんど手を出してきませんでしたが、この作品はいわゆる「なろう系」とはちょっと違いそうだったので挑戦してみました。（ちなみに2022年にアニメ化された同じく恋愛・ファンタジーのなろう系「虫かぶり姫」も挑戦しましたが、第3話辺りで撃沈しました）

・和風版シンデレラストーリー
主人公は齊森家の長女・美世。儚げな美少女ですが、家族からは使用人同然の扱いを受け、特に継母とその娘である異母妹からは日常的に邪魔者扱いされるというまさにシンデレラ同様の幸薄ヒロイン。
実の父も2人目の妻を迎えるまでは美世を愛情深く育てていた描写があるものの、現在は次女である香耶だけを特別可愛がっている様子。いわゆるDVや暴言・暴力などを振るわれているわけではなくとも、何年にも及ぶ使用人同然生活によりすっかり希望を失ってしまっているようです。
そんな彼女にとって唯一心の拠り所であるのが幼馴染の幸次。穏やかで心優しい幸次とは言葉にこそ出さないものの両片思いであるようだったのですが……。

・王子役は冷酷無慈悲と噂される美青年
父親同士の話し合いによって、幸次は惹かれ合う美世とではなく妹の香耶と結婚することに。それだけでも2人にとっては絶望的なのに、さらに美世は冷酷無慈悲と噂される久堂清霞のもとに嫁ぐことになってしまいます。なんでもこれまで何人もの女性が婚約したものの3日と持たず逃げ出したというほどだとか……。
美世は失意の中、久堂家を訪れますが待っていたのは超美形の青年。
2人の初対面までが描かれた第1話では清霞がどんな人物なのかはまだ分からないものの、ここから美世のシンデレラストーリーが始まっていくようです。

・綺麗な作画と色鮮やかなお着物
キャラデザは今時のはっきりとした目鼻立ちで美麗な印象。和風なわりにはちょっと華やかすぎる気もしますが、概ね好印象。1話の時点ではとにかく作画が綺麗で安定しているように感じました。半数以上のキャラが着物を纏っていることもあり、和服ならではの所作や動きなども素敵だったと思います。
何より素晴らしかったのが美世が嫁入りに貰ったお着物。柄も色もとても美しくて、着物好きには中々たまらない作品でした。
美世の髪型も凝っていますし（結わえ方もオシャレだし、寝間着姿の時はちゃんとおろしているのもいい）作画・デザイン面では大満足。

・美世を演じる上田麗奈さんがハマリ役
最愛の母を幼くして亡くし、継母と異母妹に虐げられ、使用人同然の扱い、恋心を抱いていた青年は妹に取られ、冷酷無慈悲な軍人と結婚させられる……ととにかく不運な主人公・美世。
そんな彼女を演じるのは若手実力派の上田麗奈さん。そんな麗奈ちゃんのザ・幸薄ボイスが美世に激ハマリ。もうなんかこのまま消えて行ってしまいそうなほど儚く弱弱しい声が本当にぴったり。幸せになってほしいと願わずにはいられない声とお芝居です。

・声優は豪華な上にキャスティングが面白い
美世の父を家中宏さん、継母を植田佳奈さん、異母妹を佐倉綾音さんと豪華な声優陣が演じています。さらに幸次を西山宏太朗さん、清霞を石川界人さんと人気男性声優陣を起用。久堂家の使用人・ゆり江を桑島法子さん、幸次の父を堀内賢雄さんが演じていたりと全体的に豪華な印象です。
個人的には植田佳奈さんが母親を演じているのと、桑島法子さんがおばあさん（？）を演じているのが新しくて面白いなと感じました。今まであまり見たことないキャスティングかも。時の流れを感じますね……。

・全体的に丁寧で高いクオリティ
実写映画化もされているだけあって1話の時点では突拍子もない展開やセリフもなく、まずまずといったところ。作画面でのクオリティが非常に高く、その意味では期待できそうです。なろう系に慣れている人ならかなり高い評価になりそう。
このまま最後まで丁寧で安定したクオリティを保ってほしい！