【アニメ感想】呪術廻戦渋谷事変（第2期）第43話「理非‐弐‐」【アニメ感想】呪術廻戦渋谷事変（第2期）第43話「理非‐弐‐」 |

43話のあらすじ

負傷した補助監督の新田と共に一度は前線から退いた釘崎だったが、「自分だけ帰るわけにはいかない」と新田の制止を振り切って再び戦場へと舞い戻る。
そこで真人と遭遇した釘崎は相手が分身だとは知らずに、距離を取って応戦するが……。

43話の感想

しんどい話が続きますね。
今回は我らがヒロイン・野薔薇ちゃん回。
虎杖くんと地下で戦闘中の真人の分身と地上で遭遇し初めて対峙することになりました。この虎杖VS真人（本体）と野薔薇VS真人（分身）の2つの戦いの肝は、虎杖くんと野薔薇ちゃんは真人が分裂しているとは知らないという点。これが戦いの行方を大きく左右することになりました。

分身の真人は自分の魂の形を変える（変化したり体の一部を武器に変えたり）ことはできる一方で、他人の魂を変える（改造人間にしたり肉体を破壊したり）ことはできません。
そのことを知らなかった野薔薇ちゃんは最初こそ真人の掌で触れられないよう距離を取って戦っていましたが、「共鳴ともなり」を分身真人に打ち込んだ際に本体真人にもダメージが発生。自分の呪力が遠く離れた場所でも感じられたことで、目の前にいるのが分身した真人だと気づくことができました。
虎杖くんや伏黒くんに比べると野薔薇ちゃんは近距離戦に弱いですし、武器も釘と金槌だけなのであまり戦闘方法に幅はありませんが、敵の体の一部を攻撃することで本体にもダメージを与えられる「共鳴り」はやっぱり強いですね。
何よりメインヒロインなのに口は悪いしゲス顔するしとにかくかっこいい女の子として描かれているのが最高に好きです。かっこいい。

自分にとって野薔薇ちゃんも天敵だと思い知った分身真人はここでまさかの敵前逃亡。当然それを追いかける野薔薇ちゃん。しかし真人の向かった先は虎杖くんと本体真人のいる渋谷駅地下。ここで本体と分身が交錯し、一部始終を見ていた虎杖くんは気づいたものの、後から来た野薔薇ちゃんはどちらが本体の真人か分からず顔面に「無為転変むいてんぺん」をもろに食らってしまいます。悔しいかな、真人は本当に頭が切れる……。

自身の死を悟った野薔薇ちゃんの脳裏に蘇ったのは幼い日の記憶。「自分以外の村人全員、狂っていて自分だけが正気だと思っていた」というモノローグで語られる彼女の過去。
田舎町ならではの閉塞感や他人との距離感の近さなどが描かれ、野薔薇ちゃんがなぜ東京に憧れていたのか伝わってきます。
村に引っ越してきた、ふみという名の少女の視点から描かれる野薔薇ちゃんは今よりも天真爛漫で、でも心根の優しさは変わらない女の子。

小さな村の中では外からやってきた者は“よそ者”として扱われ、転校してきたふみも、村はずれの立派な一軒家に越してきた沙織ちゃんも村人たちからいじめの標的にされてしまいます。
また「友達になるより他人になる方が難しい」というほど村人同士の距離が近く、「近所のお婆ちゃんが赤飯を炊いて持ってきた時」ふみも田舎の気色悪さを実感したのだとか。
ちなみにこの赤飯の話、私も最初は気づかなかったんですが一昔前は女子が初潮を迎えると赤飯を炊いてお祝いするという習慣があったのだとか。家族がそれをするならまだしも、“近所のお婆ちゃんが”っていうのが気持ち悪ポイントです。野薔薇ちゃんが田舎を毛嫌いする理由が本当に良く伝わってきますね……。

それでも親友のふみとの出会いや、今でも慕い続けている沙織ちゃんの存在、高専で出会った虎杖くんや伏黒くん、五条先生、真希さんやパンダ先輩、狗巻先輩という仲間たち。彼らの存在は野薔薇ちゃんの中ではいつの間にか大きなものとなり、彼女が最期に遺した言葉は恨み言ではなく「悪くなかった」という前向きなもの。
しかし虎杖くん視点からすればほんの数分前に七海を目の間で殺された直後に、続けざまに野薔薇ちゃんも殺されてしまった（※）というあまりにも悲惨な展開。
しかもこの直前、野薔薇ちゃんのおかげで「俺は1人じゃない」とようやく気持ちが前に向いてきたところでのこの仕打ちです。あまりにもエグい。

※ここでは一応「殺されてしまった」という表現を使いましたが、個人的にはこの時点では野薔薇ちゃんの生死はまだ不明だと思ってます。一応もしかしたら助かるかもという希望を持って……。いや助かって……。

とにかく辛い展開が続くこの渋谷事変もいよいよ終盤へと突入しそうです。ただ一応最大の地獄ポイントはようやく通過したかなという気持ちです……。しんどいね……。