11話のあらすじ
浜辺で「白鳥の湖」を踊り出した潤平と都、そして流鶯。都はずっと自分だけを見ていてくれると信じていた流鶯は潤平だけでなく都にも怒りをぶつけるように踊り続ける。王子から姫を奪おうとする悪魔・ロットバルトは自分だったと気づいた流鶯は……。
11話の感想
潤平と流鶯、そして都が揃った時から、この物語はずっと「白鳥の湖」になぞらえて綴られてきたんですね。3人が洋舞祭りで「白鳥の湖」を踊った時は潤平が王子(ジークフリート)で、流鶯が悪魔(ロットバルト)でした。潤平と流鶯は都を奪い合った果てに、姫は命を落とし壮絶な戦いの末に王子も倒れる。
けれど浜辺での「白鳥の湖」では、王子は倒れロットバルトと姫は結ばれるという全く違う結末を迎えました。ここに3人の関係性の変化と決裂を当てはめるという構成が本当に素晴らしかった。
またおそらく主役(王子)になるために育てられてきた流鶯が、ロットバルトとなって初めて自分を曝け出せる、表現できるようになるという演出にも鳥肌。でもそれでもおばあ様が褒めたのは真鶴さんであって流鶯ではない……というのも悲しき悪役という感じがして。
結果的に、都は潤平との恋を捨てて流鶯を支え続けることになり2人にとってはハッピーエンドなのかもしれませんが、メリーバッドエンドのような共依存の関係性にも見えるのがなんとも言えません。もちろん彼らの物語はこれからも続いていくはずなのに、これからがスタートなんだろうけどね。
というわけで終始圧倒的切なさの中、終わりを迎えた本作。物語中盤までは潤平、都、流鶯の心が繋がっていく見ていて楽しい描写もありながら、ラスト2話で一気に3人の中が決裂し別々の未来へと歩いていくという結末が衝撃的でした。
ただ2人と決別したことで潤平は見事スカラシップを手に入れ生川バレエ団の中でトップを目指すという新たな道を進み始めました。
綾子さんは第一印象と違ってちゃんと話せば向き合ってくれるし実力も将来性も認めてくれるし、なんだかんだ好きになっている自分がいる……。厳しすぎるだけでバレエへの愛情は本物なんだろうな。
でもとにもかくにも潤平、都、流鶯のしんどすぎるドロドロな青春劇が切なかった……。ここまで思春期の少年少女のリアルな心情を美化せずに描くアニメってなかなかありませんね。思春期ってキラキラしてるけど本当にしんどいよなあ。
アニメはこれで一旦終わりですが、原作はまだまだ続いているということでぜひとも2期が見たい! 潤平が生川でどう成長していくのか、都と流鶯がどうなっていくのか、海咲くんとか、潤平と夏姫の関係とか、まだまだ気になる様子いっぱいです。
アニメとしてのクオリティも本当に高くて、毎週息を忘れるほど見入りました。こんなに切なくて心動かされる作品に出会えて本当に良かったです。
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