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四畳半神話大系 #11 「四畳半紀の終わり」 感想

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11話のあらすじ

どこまで行っても四畳半の世界に閉じ込められてしまった「私」。次々と四畳半を突き進むうち、どの部屋も少しずつ違うことに気づく。それぞれの四畳半で「私」と関わりを持った人物たちが何者なのか、それを一つずつ知る度に「私」は彼らとの生活がきっと楽しいものだと思うようになっていく。しかしどこまでも続くと思っていた四畳半は、ついに元いた最初の部屋に戻ってきてしまい……。

11話の感想

2022年の再放送ではBlu-ray&DVDの特典として収録された12話が放送されますが、基本的にはこの11話が本作の最終回となります。それを裏付けるように初っ端からこれまでとは全く違う演出や構成でした。
まずこれまでは各エピソードのラストに「叶うなら時間を戻したい」と叫んでいた「私」が冒頭で登場、その後時計台の針がぐるりと回り出し、なんとエンディングテーマが流れ出します。いわゆる通常のオープニングテーマとエンディングテーマを入れ替える手法ですね。
エンディングの映像もこれまでとは変わり、なんだかスピード感がありました。このまま終わりと視聴者が勘違いしないようになのか、映像の中に「この後本編」や「始まります」などの文字が挿入されるのがじわっと笑えました。でもとにかくこのエンディングテーマがオシャレでセンス大爆発してましたね。

さてこれまで並行世界でたくさんの「私」が過ごしてきた四畳半をいくつも見ていくうちに、「私」はどうしてこれまでの世界で満足できなかったのか、と自らの選択が誤っていたことに気づき始めます。「私」はどんなサークルや誰と関わりを持っても満足することができず、きっともっと素晴らしい薔薇色のキャンパスライフがあるはずと今ある幸せに気づけませんでした。
しかし「私」がこれまで関わってきた小津、明石さん、樋口師匠、羽貫さん、城ヶ崎先輩、相島先輩という厄介でトラブルばかりの日々は、ずっと四畳半に閉じこもり続けていた「私」から見れば充分に楽しくて魅力的な生活だったと気づくのです。
そして最初の四畳半へと戻ってきた「私」の目に入ったのは、ぶら下がるモチグマン。どの並行世界でも「私」の手元にありながら、ありもしない薔薇色のキャンパスライフを求めるがあまり、目の前にぶら下がる好機に気づけなかった「私」。けれど最終回でついに、彼はモチグマンを明石さんに届けることができ、その恋は成就するのです。

正直なところ、四畳半から脱出できた「私」が髭面でボロボロの衣服だったのが、小津を助けるために走り出したら髭や服が弾け散った理由や、下鴨幽水壮から大量発生した蛾がなんだったのかとか、理解しきれない部分もたくさんありました。
でもそれ以上にこの11話かけてこの作品が伝えようとしたメッセージがガンガン伝わってきて、満足感がすごいです。
何より面白いのは、これまでずっと「私」を破滅へと導こうとしてきた小津が、この11話ではむしろ「私」に振り回されいつの間にか悪魔みたいな顔から普通の青年の顔へと変化しているんですよね。それどころかラストには「私」の方が悪魔みたいな顔になって小津と関わり続けようとする、という演出が最高でした。
これまでの悪魔みたいな小津の顔は「私」の主観を通しての演出だったんだなと気づいて鳥肌立ちました。本当の小津は彼女のことを話題に出されると顔を真っ赤にしちゃうような純朴な青年だったのかもしれない。

語りたいことはたくさんありますが、改めてこんな実験的な当時も今も最先端のアニメに出会うことができて本当に良かったと思います。初放送当時見れていたら価値観全く変わってただろうな。個人的にはこういった尖りに尖ってる超個性的なアニメは大好きなので、今後もそういう作品が増えていくといいなと思っています。
本作は個性的で難解な部分もありましたが、「私」による膨大なナレーションが補完してくれていましたし、難解なアニメの中でもかなりわかりやすい部類だったんじゃないでしょうか。
奇抜な絵柄と世界観、超豪華な声優陣、実写を交えるという実験的な演出、そして随所に溢れる製作陣の愛。本当に素敵な作品を見させていただきました。
来週放送される特別編も楽しみにしたいと思います!

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コメント

  1. 名無し より:

    蛾の件は無数の四畳半に一匹ずついた蛾が合流→「私」が四畳半を抜け出した際一気に部屋の外に出たのだと思われますが…

    • つきみや より:

      コメントありがとうございます^ ^

      確かに必ず毎回1匹ずつ蛾が登場してましたね。そのことを失念しておりました^^;
      おかげさまでスッキリしました、ありがとうございます。

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