よふかしのうた第1夜「ナイトフライト」感想

アニメ

2022.07.08

1話のあらすじ

女子生徒からの告白を断ったことがきっかけで人間関係に疲れて眠れなくなってしまった中学2年生の夜守コウ（CV.佐藤元）。ある夜、誰にも言わずに夜の街に繰り出したコウは興味本位で酒を買おうとしているところを不思議な女性・七草ナズナ（CV.雨宮天）に見つかってしまう。コウが眠れないことを知ったナズナは眠らせてやると自宅に連れ込むが……。

1話の感想

・ストーリー
些細なことから眠れなくなり不登校になった中学2年生のコウ。思春期真っ只中の独特な学校での立ち回りや繊細な感性がよく表現されていて、面倒臭い人間関係に疲れたコウにきっと誰も共感できるはず。特にコウが初めて誰にも言わずに夜の街に出て、スマホの着信に驚いたり、独り言がやたら大声になってしまったり、そんな強がっている姿がめちゃくちゃ胸に刺さりました。中学2年生という年齢設定が絶妙ですね。
そんなコウの前に突然現れた女性・ナズナは見知らぬ酔っぱらい相手にフランクに話しかけたり、初対面のコウをいきなり自宅に招いて一枚の布団で一緒に寝ようとしたり、明らかにヤバいヤツ。しかし眠れないコウに対して、「今日に満足していないから寝れない。満足できるまで夜ふかししてみろよ」と誘う姿にグッときました。不登校の時、不眠症の時、もしも目の前にこんな人が現れたら自分も惹かれてしまうかもしれない、そう思わせてくれるだけの魅力をナズナから感じました。
そんなナズナが吸血鬼だと知ったコウが言った「吸血鬼って眷属増やすために血を吸うのでは？」というセリフがめちゃくちゃ今時ですよね。結構すぐ信じちゃうのがさすが中2。
第1話はコウがナズナと出会って吸血鬼にさせてくれと頼み込むまでで、内容としてはそれほど濃くないんですがそれでも全く薄っぺらさや間伸びを感じさせない構成がさすがでした。

・作画
なんと言っても夜景の描写が本当に素晴らしい。色使いも構図も多分現実にはあり得ない技もたくさん使ってると思うんですが、神秘的でそれでいて身近にもありそうな夜の風景に一瞬で惹き込まれました。本来は日が落ちて暗くなっただけの世界なのに、どうしてこんなに魅力的で何かが起こりそうな予感めいた雰囲気になるのか。
いわゆる現実的な夜景ではなくて、紫がかった夜の建物や照明、本来なら都会では見えないはずの天の川やオーロラチックな夜空の灯りなどとにかく神秘的。独特なキャラ造形が違和感なく背景に溶け込んでいて、特にナズナとの相性バッチリ。これぞまさに深夜放送ならではのアニメですね。
ナズナのキャラデザもかなりこだわりを感じました。ぶかぶかのアウターは前を閉じていると、こんもりした上半身とほっそい足のバランスが可愛いし、アウターの前を開いて空を飛ぶとコウモリの羽みたいに見えるのがまたオシャレ。上着を脱いだら中はめちゃくちゃ露出度高いし、作画もめちゃくちゃ気合い入っててフェチズム感じました。すごい愛が伝わってくるよ！！

・声優
第1話はほぼコウとナズナの掛け合いのみで進みましたが、コウ役の佐藤元さんの飾り気のない生っぽいお芝居と、ナズナ役の雨宮天さんの少し気だるげでくどくない色気がそれぞれピッタリ。夜ふかしを始めたばかりの時はどこか空元気だったコウが、ナズナと出会い少しずつ自分をさらけ出していくことによってどんどん声の雰囲気が変わっていくのがさすがでした。
あとナズナとコウが声をかけた3人の酔っぱらい。あれまさかの子安親子でめちゃくちゃビビりました。なんか子安さんぽいなとは思ったんですがまさかこんなモブに……と思ったら本物だった。しかも真ん中のお兄さんは子安光樹くんだったとは。しょっぱなからキャスティングが衝撃すぎる。

・総評
本作はCreepyNutsの「よふかしのうた」が由来で生まれた作品ということで、EDテーマには「よふかしのうた」、そしてOPテーマには「堕天」が起用されています。このOPテーマがもうめちゃくちゃおしゃれで、MVかな？ってくらい楽曲とのシンクロ率がすごい。映像の中に歌詞が散りばめられていてとにかく見ていてものすごくワクワクしました。今のところ今期のOPで一番好きかも。
今回は特殊EDだったものの、「よふかしのうた」がかかるタイミングも最高で鳥肌立ちました。次回以降は通常バージョンのEDも見られるのかなと思うととても楽しみです。
とにかく随所に製作陣の愛とこだわりを感じられて、最初から最後まで一貫した世界観でまとめられているのが素晴らしかったです。かなり期待できそう。