13話のあらすじ
ACCAの新体制1周年を記念する祭りの準備に追われる中、ジーンはロッタの担任教師から最近彼女の様子がおかしいと相談を受ける。ドーワー区へと向かう旅行先のロッタに電話をするも、彼女からいつもと違う様子は見受けられず頭を悩ませるジーン。
一方監察課では新人局員のパロット(CV.小林千晃)から若手局員の間でフラワウに関する不穏な噂が流れていると聞かされる。
13話の感想
最終話から1年が経ったドーワー王国を舞台にしたこの「Regards」は2019年に制作が発表されたアニメオリジナルストーリーの新作OVA。オリジナルとは言っても、原作の番外編を収録した漫画「ACCA13区監察課 P.S.」の内容も一部描かれていることも公式から発表されています。
クーデター騒動から1年、変わらず監察課の副課長を続けているジーンはロッタが進路で悩んでいるらしいこと、監察課新人局員のパロットが抱くフラワウへの不安、そしてACCA新体制1周年記念祭の準備を同時に背負うことに。
およそ50分の長さでクーデター後のそれぞれの想いや、本編では語られなかった裏話などが展開し非常に見ごたえのある内容でした。
特に衝撃的だったのがパイン元長官とオウル課長が実は知り合いだったこと。知り合いだった、というかクーデターが起こるよりも前にオウル課長は自身の正体とクーデターが起こることを全てパイン元長官に話し、リーリウム家の暗躍も伝えた上で、5長官の中でのバランス役を任せていたようなのです。あの5長官の中で真実を最初から全て知っていたのはパイン長官だけだったというのが衝撃。しかもオウル課長……アーベントの正体も知っていたとは。これを知ってからまた本編を見直したら、5長官同士の会話がまた違った風に聞こえるかもしれませんね。
というか唯一信頼できる相手として任されたということは、パイン元長官はよほどの人望があるんでしょうね。
監察課の新人局員であるパロットを演じたのは小林千晃さん。当時まだ新人だった千晃くんに、新人局員の役をあてるというのがたまらんですね。
パロットは真面目でやる気はあるものの、憶測や噂を信じすぎて前のめりになってしまうタイプ。ACCAにはあまりいなかったタイプかも。
やる気とは無縁のジーンとは正反対のキャラクターで、2人の会話の意図された温度差が印象的でした。
もうひとつ意外だったのは本編では監察課駐在員のサンドパイパーが実はジーンやニーノと同じ高校出身の後輩だったこと。本編ではロックス支部でしたが「Regards」では極寒のビッラ支部に異動したんですね。ニーノと普通に会話しててめちゃくちゃびっくりしました。
でもなんと言っても素晴らしかったのがジーンとロッタのやり取り。本編でも仲良し兄妹でしたが、改めて2人が電話でお互い心配し合ったり、気にかけあったりする姿にグッときました。進路に悩むロッタと、そんな彼女を心配するもどう声をかけるか悩むジーン。仲は良いんだけど家族だからこそ距離感に悩む姿が逆にリアル。でも最後はお茶を飲みながらお互いのことを話し合う姿にまた癒されました。ずっと幸せであってほしい。
本編では描かれなかった5長官それぞれの想いや本編終了後の変化など、1時間弱の内容でよくまとまっており幸せな気分になれました。この後ジーンたちがどうなっていくのか、フラワウはこのまま独立を保っていくのかなども気になりますね。ひとまずACCAのアニメはこれで終了ですが、OVA含め何度でも見直したくなる名作になりそうです。
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