24話のあらすじ
レイフの船で10数年ぶりに故郷のアイスランドへと帰って来たトルフィン。しかし村の男たちを顔を合わせても誰もトルフィンを覚えておらず、姉・ユルヴァとも感動の再会のはずが偽物だと思われ蹴り飛ばされてしまう。落ち込むトルフィンだったが……。
24話の感想
トールズを殺されトルフィンがアシェラッド兵団の船に乗ったのが第1期の4話。作中ではおよそ13年くらい前のこと。残されたヘルガとユルヴァが、あの子は死んだのだと思い込まなければ耐えられなかったであろうほどの長い年月。
そのトルフィンがついに、故郷であるアイスランドに帰ってきました。正直、アイスランドを船の上から見上げるトルフィンの姿だけでもう胸がいっぱいでした。あまりにも長かった。ここまで。トルフィンのこれまでの姿を思い出すだけで泣きそうです。
しかしいざ島に上陸してみると、村の若い男たちはトルフィンを見ても首を傾げるばかり。おまけに「ユルヴァに弟なんていたか?」と衝撃発言。
実際にユルヴァにも会ってみれば「弟は昔死んだ」と……。
どんなにレイフさんに本物だと説明されても信じず、蹴りを入れて胸倉掴むユルヴァさんの逞しいことw
なんてヴィンサガではレア中のレアであるギャグシーンでしたが、それだけユルヴァにとっては信じがたいことだったんですよね。本当に、弟は死んだのだと、思わなければ耐えられなかったのかもしれない。もしかしたらどこかで生きてるかもと希望を持ち続け、それでも帰ってこない弟に何度も絶望したのかもしれません。そう思うと笑えるシーンなのになんだか切なくなってしまいました。
けれど一方で母のヘルガは一目見た目だけで自分の息子だと気づきました。それはトルフィンにかつての面影があったからというより、最愛の夫にそっくりだったから。本当にこうしてみると目元がそっくり。成長して似てきたのもあるでしょうが、トールズと同じ「本当の戦士」にトルフィンが近づいたからこそなのかもしれません。
家族やかつての友人と再会して嬉しそうなトルフィンに気を遣ってレイフさんたちのいる家に行こうとエイナルに、「トルフィンの兄弟なら私にとっての息子よ」と引き留めたヘルガにまたぐっときました。
これまでの人生、より壮絶な人生を送って来たのはトルフィンだと思いますが、エイナルにはもう故郷も家族もいないんですよね……。いつか、エイナルにとって第2の故郷がアイスランドになったりするのかな。
いやでもこれからきっと2人はヴィンランドへと旅立つので、そこがきっと2人の第2の故郷になるんでしょうね。
その夜トルフィンが1人で向かったのは崖の上に立てられた墓石。それは、第1話でトールズが助けた逃亡奴隷のお墓。あの頃、まだ幼かったトルフィンはその逃げてきた奴隷に羊8頭の価値があるのか理解できなかった。トルフィンにとって奴隷とは、奴隷でしかなかったから。
けれど今、本当の戦士になったトルフィンがもし同じ立場になったのなら、きっとあの時のトールズと同じことをするのでしょうね。
墓石の前で、幼き日のトルフィンと今は亡き父と会話するトルフィンにも泣けました。
幼少トルフィン役の石上静香さんと、青年トルフィン役の上村祐翔さんが一瞬ながらも会話を交わしたのがもう……最高の演出。
第1期から見続けてきて本当によかったと思える最終回でした。
血みどろで常に死がそばにあるような苦しい展開の連続だったSEASON1。
暗闇の中でもがき続け葛藤の連続だったSEASON2。
とにかく考えさせれたアニメでした。
トルフィンの復讐と葛藤の物語は終わったけれど、この作品のタイトルは「ヴィンランド・サガ」。ヴィンランドに平和の国を作るという夢を誓ったトルフィンとエイナルの物語はむしろここがスタート。原作はまだまだ続いているようなのでぜひともアニメ3期を作ってほしい!!
動画配信
※本ページの情報は2023年1月時点のものです。
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