【アニメレビュー】龍族‐The Blazing Dawn‐ 第0話「異国からの招待状」【アニメレビュー】龍族‐The Blazing Dawn‐ 第0話「異国からの招待状」 |

【アニメレビュー】龍族‐The Blazing Dawn‐ 第0話「異国からの招待状」

アニメ

2024.04.07

0話のあらすじ

両親と離れ親戚の家に暮らす孤独な少年ルー・ミンフェイ（CV.山下大輝）。高校卒業間近にも関わらず進路も決まらずゲームに明け暮れていたミンフェイの下にある日、異国の学校カッセル学院から入学のための面接を受けてほしいという招待状が届く。
奇妙な面接に呆れ入学を拒否したミンフェイだったが、なぜかカッセル学院から破格の好待遇を申し出られ心を動かされるが……。

0話の感想

・中国発、壮大なファンタジーアニメの序章
原作は中国の人気ノベル。龍を巡る壮大なファンタジー……とのことなのですが、初回の第0話ではファンタジー要素はほぼなく主人公のルー・ミンフェイが謎のカッセル学院に入学するまでの過程を描く序章となっていました。
スタッフ・制作会社共に中国のアニメですが、近年の中国製アニメはジャパニメーションに匹敵するレベルで進化を続けており、今作も作画やアニメーションに関してはもはや日本製とほぼ見分けがつかないクオリティです。

・好き嫌いはっきり分かれそうな第0話
初回は1時間SPで、主人公ルー・ミンフェイがカッセル学院に入学するまでの過程が描かれた第0話でしたが、かなり好みが分かれそうな印象でした。
正直な感想を言えば、物語の展開に少々無理があるかなと感じる場面が多々ありました。
平凡で取り柄もなく妄想好きで中二病な主人公ミンフェイを、あの手この手でカッセル学院に入学させようとする教授。どうやらミンフェイの両親が学院の卒業生で、彼には生まれ持って何らかの才能があるらしく、教授の命令で学院の生徒・ノノがミンフェイを何度も勧誘。
この展開は王道で悪くはないのですが、いかんせん主人公ミンフェイにあまり好感が持てない。情緒不安定というかキャラクター描写が大げさで、個人的にはあまり魅力が感じられませんでした。
同級生からちょっと酷い扱いを受けるミンフェイを華麗に助けるノノのシーンはこの0話最大の見せ場なのでしょうが、あまり感情移入できませんでした。

出典：アニメ『龍族‐The Blazing Dawn‐』公式（@ryuzoku_jp）より

・ギャグが古い
同じく中国のアニメ「時光代理人‐LINK CLICK‐」を見た時も思ったのですが、ギャグやデフォルメの描写がちょっと古いんですよね。一昔前の日本アニメを参考にしているのかな。「時光代理人」ほどの古さは感じなかったものの、ミンフェイのギャグがかなり大げさに描かれていてちょっと食傷気味……。
あくまでもこの第0話は序章であり、カッセル学院入学以降はがらっと世界観が変わるらしいのですが、今回に関してのみ言えば10年くらい前のラノベ原作アニメっぽいなという印象です。

・映像と音楽はかなりの高水準
0話ではバトルシーンはなくアクション作画に関しては未知数なのですが、全体的な作画のクオリティに関してはほぼ文句なし。たまーにキャラがカクカク動く場面もありますが気になるほどのことはありませんでした。
素晴らしかったのは背景美術。夜景や街の背景が本当に美しく目を見張るものがあります。アニメーション的には見応えがある作品になりそう。
また音楽（BGM）にはKOHTA YAMAMOTOさんが参加していることもあり、重厚で荘厳な雰囲気を楽しめました。

・OPテーマは澤野弘之×SennaRin×山下清悟
OPテーマは「進撃の巨人」などの音楽を手掛け澤野弘之さん作曲・編曲による「IVORY TOWER feat. SennaRin」。
ボーカルのSennaRinさんは「銀河英雄伝説 Die Neue These」主題歌や「BLEACH 千年血戦篇」EDテーマなどで澤野弘之さんプロデュースによる楽曲を歌っている歌手。壮大でファンタジックな楽曲にぴったりのお二人です。
さらにOP映像のアニメーション監督を務めたのは「呪術廻戦」や「チェンソーマン」などのOP映像を手掛けた山下清悟さん。ハイセンスな演出に超絶作画が組み合わさって、今作でも超ハイクオリティなOPテーマを楽しめました。
0話ではEDとして使用されており、正直本編を見ている間は1話切りかもと思っていたんですが、このOPを見たら一気に次回が気になってしまいました。それくらいパワーのある名OPテーマです。

・今後に期待の未知数なアニメ
複雑な理由で両親と離れてくらす少年、意地悪な叔父・叔母・従兄弟、両親が謎めいた学院の卒業生、学院から招待状が届く……などあらすじはまるでハリ◯タ。
ただここから世界観がガラッと変わりアクションファンタジーアニメへと変貌するらしいので、ひとまじ次回以降に期待。
作画・音楽・主題歌は想像以上だったので楽しみですね。