【新アニメレビュー】コーチと選手が二人三脚で夢を追いかけるフィギュアスケートアニメ「メダリスト第1話氷上の天才」【新アニメレビュー】コーチと選手が二人三脚で夢を追いかけるフィギュアスケートアニメ「メダリスト第1話氷上の天才」

【新アニメレビュー】コーチと選手が二人三脚で夢を追いかけるフィギュアスケートアニメ「メダリスト第1話氷上の天才」

アニメ

2025.01.05

「メダリスト」とは？

原作は月刊アフタヌーン連載の漫画。
原作者はつるまいかださん。

監督：山本靖貴
シリーズ構成：花田十輝
キャラクターデザイン：亀山千夏
アニメーション制作：ENGI

結束いのり：春瀬なつみ
明浦路司：大塚剛央
狼嵜光：市ノ瀬加那
夜鷹純：内田雄馬

第1話のあらすじ

元フィギュアスケートの選手だった司は全日本選手権の出場経験を持ちながらも、アイスショーの面接に中々受からず就職先に悩んでいた。
そんなある日、母親にスケートをやりたいと言い出せずズルして滑りに来ていた小学5年生の少女・いのりと出会う。
彼女の母は今からスケートを始めても幼少期から練習している子に敵うはずがないと反対するが、氷上に立ったいのりの姿を見た司は彼女の才能に魅入られ……。

第1話の感想

・シビアなフィギュアスケートの世界
主人公はスケートが大好きな11歳の女の子。同じくスケートを習っていた姉が怪我で夢を諦めた過去を持つ彼女は、母に本音を言うことができずこっそりスケートリンクに練習に来ていたそう。
元フィギュアスケート選手の司と出会い才能を見出されたいのりですが、11歳から始めるなんて遅すぎると母親に反対されてしまいます。
スケート初心者からすると11歳なんてそれほど遅くない気がしていまいますが、他の子たちは5歳くらいにはもう練習を始めるそうで、選手層が厚い国だからこそのシビアな現実。
しかし滑ることが大好きで氷の上に立つと別人のような輝きをみせるいのりを見て、司は彼女の才能を育てたいと自らコーチを志願。
15歳からスケートを始めて夢破れた後悔を持つ司と、どうしても夢を諦めることができないいのりの二人三脚の物語に1話から惹き込まれました。

・結果だけが全てなのか
いのりの母は「今から始めても5歳からやってる子には追いつけない」「叶わない夢を追っても意味なんかない」と否定的。残酷なくらい娘の夢をボロクソに言います。
親からしたら子どもには挫折や後悔のない人生を歩んでほしいからこそのキツイ物言いなのかもしれませんが、それにしたっていのりちゃんが不憫……。
「何かひとつでも自分が駄目な人間じゃないって思いたい」という涙ながらのいのりちゃんの訴えが胸に響きました。
好きなことや夢があるってそれだけで幸せなことですね。

とは言え、スケートはとにかくお金と時間がかかるそうで、幼少期から人生の全てを注ぎ込んでそれでも結果が出なかったら何もかもが無駄になってしまうかもしれない、というお母さんの不安もそれはそれで分かるので難しいですね……。

・絶妙なバランスのシビアさとコメディ
スケートの超シビアな現実を1話から早速見せつけられましたが、雰囲気が暗く重くなりすぎないコミカルなシーンも多くちょうど良い塩梅でした。
特にいのりの才能に魅入られた司が毎回クソデカボイスでいのりを褒めちぎるのが親バカみたいで面白かったです。やりたいことを親に言い出せず我慢してきたせいなのか、いのりちゃんは少々引っ込み思案で自分に自信がない部分もあるようなので、ここまでストレートに褒められたら嬉しいだろうなあと見てるこっちまで気持ちよくなれました。

・スケートは3DCGと手描きのハイブリッド型
近年のアニメでは良く使われる手法の3DCGと手描きのハイブリッドでキャラクター作画。冒頭のスケートシーン（↓）ではフル3DCGでしたが、司やいのりが滑るシーンは手描き、本格的な疾走感のある演技ではおそらくハイブリッドで描かれそう。
CGのクオリティも高く、手描きの質感にかなり寄せているのがあまり違和感なく楽しめました。
1話の時点では作画がとても美しかったので今後が非常に楽しみです。

・今期の覇権候補に期待大
主演声優は原作者が彼女に演じてほしくてこの作品を描いたと公言する春瀬なつみさん、司役は今最も勢いのある若手の大塚剛央さん、フィギュアスケートの振り付け担当は元フィギュアスケート選手の鈴木明子さん、OPテーマは米津玄師さんがこの作品のために書き下ろした楽曲。
これだけでもう期待値爆上がり。
後はもう作画さえ安定していれば今期の覇権間違いなしの名作になりそう。