12話のあらすじ
ACCA100周年記念式典の前日、ACCA本部の大会議室にはグロッシュラーを除く5長官と幹部や各区の代表が集まりクーデターの計画と確認が行われていた。確認の中でジーンは計画を円滑に進めるため、国民に自身が王家の血筋を引くことは後日公表したいことをリーリウムに伝える。
そして式典当日、多くの国民とACCAの関係者が見守る中ついにシュヴァーン王子が舞台に上がる。
12話の感想
何度見ても本当に鮮やかな最終回です。
リーリウム家が企てたドーワー家へのクーデター、と見せかけた国家の乗っ取り計画。しかしそれを見抜いていたジーンとモーヴ本部長の根回しによって、クーデターは見せかけでシュヴァーン王子にACCAの重要性と平和を守ることの大切さを説くための踏み台にさせるという鮮やかな終幕。
リーリウム長官が語った「国民も、ACCAも、そしてドーワー家にすら王子が次期国王となることを望む者が誰もいない」という言葉は事実だったのかもしれません。しかしモーヴ本部長が言葉巧みにそれを上書きし、シュヴァーン王子に次期国王としての覚悟と責任感を目覚めさせる手腕、素晴らしい。間違いなくモーヴ本部長だからこそ言葉のみで王子も国民も納得させられたのだろうし、彼女以外には不可能だったのではと思うほど。
モーヴを演じた田中敦子さんはいつも本当に気品があってかっこいいお声をされていますが、この式典での演説(?)はその中でも特に印象的で大好きなシーンのひとつです。
この最終回で好きなシーンはもうひとつ。ニーノとその上司の会話。これまで電話の向こうから声でしか登場しなかった上司がついにラストで姿を現しますが、まだここでも素顔は秘密。しかしその後ニーノと別れ、タクシーの中でようやく上司の正体がACCA監察課の課長であるオウルだと判明。彼こそがかつてはシュネー王女の付き人でありその美しい白髪が特徴的な伝説の近衛兵・アーベント。そしてシュネー王女が王家から離れたあともニーノ親子と共に王女を見守り続け、今は監察課でオータス兄妹を守っていた張本人。正体の明かし方がまたオシャレなんですよね。金髪、染めてたんだっていうのもたまりません。
ニーノの前ではいつも冷たく無機質な声なのが、課長に戻った瞬間にいつも柔らかい声に戻るところもお気に入りのシーンです。上田燿司さん、目立ちはしないけど何気にこの演じ分けが毎回素晴らしかった。
またニーノとアーベントの会話で明らかになったクーデターの真の首謀者がクヴァルム枢機院長だったのも最終回で明かされた衝撃の真実。出番自体は少ないですが、おそろしい手腕の持ち主であることがうかがえます。
リーリウム家の陰謀を察知し、シュヴァーン王子の王位継承を確実のものとするためジーンが王家の血筋である情報を流し、クーデターを企てさせ、最終的にリーリウム家の陰謀を排除する。これを全部想定して裏から動かしていたのかと思うと……。クヴァルムがもし悪意の持ち主だったらとっくにドーワー家は滅んでいただろうなと思うくらいの切れ者です。
今回改めて1話から見直して思ったのは無駄なエピソードが一つもないこと。これだけキャラクター数が大いにも関わらずそれぞれがしっかりと確立されており、13区それぞれの違いや個性、そしてクーデターを巡る大きな陰謀の伏線と回収の上手さ。何度見ても物語の構成が素晴らしくて見入ってしまいます。
独特な雰囲気を見事に映像化したのも素晴らしいし、実力派声優陣によるお芝居も深みがあって最後の最後まで楽しめました。きっとこれから何度でも見返したくなる名作ですね。
関連商品
↓Amazonプライム会員なら月額600円でAmazonプライムビデオ見放題や無料の配送特典などお得なサービスを受けられます。他にも多数のサービスを利用できるのでオススメです!





コメント