【アニメ感想】機動戦士ガンダム水星の魔女 SEASON2 第16話「罪過の輪」 |

16話のあらすじ

テロ事件にニカが関わっていたとして嫌がらせを受ける地球寮。そこへ聴取を終えたミオリネが久々に学園に戻るが、スレッタとミオリネの間には気まずい空気が残っていた。
一方事件の隠蔽や地球での強引な治安活動が外部に報じられたベネリットグループは、事態を収拾すべく新たな総裁を選ぶことになるが……。

16話の感想

・グエルくん、帰還
前回ラストで軌道エレベーターを目指すと言っていたグエルくんが思いのほか早く宇宙に帰還。一体何話ぶりになるのか、ついにラウダくんとの再会も果たしました。グエルくんを見た瞬間、気を失ってしまうラウダくん……本当に本当に心配していたのね。最初はジェターク寮の全員、嫌味な奴らだと思っていたのにグエルくんもラウダくんもペトラもみんないい子過ぎて泣けてくる。
さらにグエルくんはラウダくんの代わりに自分が「引き継ぐ」と宣言。これはおそらくジェターク社を継いで自分が総裁選に出る、ということですよね。ここまであまりにも不遇だったから活躍に期待しかありません。スレッタの成長にも何かいい影響を与えてくれたり……しないかな？

・ニカ姉、失った信頼を取り戻せるか
地球寮のみんなは知らなかったものの、グラスレー寮に軟禁されていたニカ姉。ソフィを失ったノレアからは酷い暴行を受けたようで痛々しい姿に。
そんな中、シャディクガールズのお姉さん的存在であるサビーナから「仲間にならないか」と誘われます。サビーナ自身もグラスレーに引き取られるまではアーシアンだったそうで、アーシアンとスペーシアンの架け橋になりたいという願望を抱いているそう。やはりシャディクたちの目的はそこにあるようですね。今のところ完全に悪役だけど。
けれどニカ姉はやはり地球寮に思い入れがあるようで……何とか戻ってみんなと仲直りしてほしい。

・スレッタとミオリネ、ついに再会
SEASON1最終回（第12話）でスレッタがレンブラン親子を助けるために兵士を殺し、その様に恐怖を覚えたミオリネが「人殺し……！」とスレッタを責めたシーン以来、学園とプラント・クエタで別々に過ごしていた2人が今回ついに再会。
2人の間にはまだ気まずい空気が流れていたものの、ミオリネはあの時「人殺し」呼ばわりしてしまったことをスレッタに謝罪。これでようやく仲直りになるのかと思いきや、そう簡単にもいかず……。
スレッタの中には殺人への後悔や罪悪感は一切ないようで、そのことがやはりミオリネの逆鱗に触れてしまいます。「助けてくれたことに感謝するけど、そんな風に笑っていいことではない」というミオリネのセリフは全視聴者が頷いたのではないでしょうか。スレッタは確かにミオリネのためを思って行動したのだし、そのおかげでミオリネもデリングも命を救われました。しかし人を殺したことに一切の罪悪感を抱かず、その上「正しいことをしたんだ」と笑えるスレッタの神経はやはりおかしい。

・ミオリネとプロスペラ
ミオリネの素晴らしいところは、価値観のおかしいスレッタを責めるのではなく、そう育てたプロスペラに怒りを向けられるところ。ミオリネがスレッタのことを大切だと思っているからこその行動。
しかしプロスペラはついに自らの目的が「デリングへの復讐」であることを明かします。PROLOGUEで描かれたヴァナディース機関所属時のエルノラとエリクトですね。まあほとんど分かり切ったことではありましたが、今回でようやく「エルノラ＝プロスペラ」が確定となりました。
さらにプロスペラはミオリネのことを「血塗られた娘」と表現。これはもしかして……ミオリネの出生にも何か秘密が？

・プロスペラの目的
ミオリネに明かしたプロスペラの目的はデリングへの復讐でしたが、一方でベルメリアさんに対しても別の目的を明かしています。
それはデータストームの中でデータとして存在しているエリクトを自由にさせること。エリクトの体はもう存在しないらしくデータとしてエアリアルの中に取り込まれているようなので、物理空間に出ると崩壊してしまうとのこと。けれどスコア8に到達すれば拡張したデータストームの中で自由に生きられる。これが目的のようです。そしてそこにデリングの計画していたクワイエット・ゼロが関係してくると。そのため、プロスペラとしては何が何でもミオリネに新しい総裁になってもらいクワイエット・ゼロを引き継いでもらわなければならないようです。

・エラン5号、エリクトと邂逅
エアリアルの回収を命令されたエラン5号くんはもはやスレッタの懐柔を諦め、直接エアリアルへと乗り込みます。しかしエラン4号くんは機動できたはずのエアリアルはうんともすんとも言わず……。さらに突如勝手に大量のデータストームがエランくんの中に逆流、激痛の中でなんとスレッタそっくりの幼い少女（＝エリクト）と邂逅。彼女に「あなたはダメ」と言われてしまいます。
これまでも何度か幼い少女の声が聞こえたり、小さな子どもの姿が複数見えたりとエアリアルの中に誰かいる可能性が示唆されてきましたが、初めてはっきりとエリクトの姿が描かれましたね。
またこれはTwitterでの考察を見ていて知ったのですが、エアリアルの中にいるエリクトの数とエアリアルのビットの数が同じらしいんですよね……えっ怖。
エラン4号が良くてエラン5号がダメだった理由を考えると切なくて泣けるんですが、それ以上にエリクトとビットの数が怖すぎる……。

・葛藤するベルメリア
プロスペラと同じく元ヴァナディース機関所属で「魔女」だったベルメリアさん。元々は今の株式会社ガンダムと同じく医療のためにGUND技術を研究していたものの、ヴァナディース機関崩壊後は生きるためにペイル社で非人道的な研究をしており、そのことに苦悩する姿が描かれています。
当時の先輩であるプロスペラのあまりにも残酷すぎるエアリアルの真実を知って吐き気を催す一方で、ペイル社の強化人士（エランくんたち）の開発を立ち上げたのも彼女自身だったようで……。エラン5号からも恨まれ、かなり辛い立ち位置になってしまいました。今後もかなり物語の重要なキーキャラクターとなりそうな予感。

・演出がエグイ
ミオリネとスレッタが温室で会話するシーン、見ていた時は気づかなかったのですがここの演出がとんでもなかったようで。
温室の中の赤いトマトにはミオリネ、まだ青いトマトにはスレッタの顔がうっすらと映りこんでいるのですが、これが赤いトマト＝成熟、青いトマト＝未熟という演出なのではという考察。Twitter上で話題になっていたので見終わってから気づいて鳥肌が立ちました。
ストーリーを追うのに必死で中々演出まで頭がいかない自分が憎い……。