【アニメ感想】AYAKA-あやか- 第1話「EPISODE 01 お前ちょっと飛んでみろ」

アニメ

2023.07.022023.07.06

1話のあらすじ

児童養護施設で育ち他人と関わらないように過ごしてきた内気な少年・八凪幸人やなぎゆきと（CV.上村祐翔）。中学卒業を機に故郷の島に帰ることになっていたが、卒業式を終えた幸人を迎えに来たのは大量の缶チューハイを塀に並べて酔っぱらう見るからにヤバイ青年・沙川尽義じんぎ（CV.寺島拓篤）だった。

1話の感想

・主人公は水を操る能力を持つ少年
主人公の幸人は生まれながらに水を操る能力を持っているものの、感情の起伏（主に怒り）によって勝手に発動してしまうらしく現状ではコントロール不可能。その能力によって幼い頃友達を危険な目に遭わせてしまったことから、感情を表に出さないよう他人との関わり合いを極力避けて生きていたそう。
また両親の顔を知らず幼い頃に児童養護施設に預けられそのまま中学を卒業するまで音沙汰がなかったため、どこにも自分の居場所がないと感じている様子。
そんな暗い少年時代を過ごしてきたためか、「どこにいても同じ」と自分自身に対して、そして周囲に対して常に諦めたような態度が物悲しい主人公です。

・本作のトリックスター的存在の尽義
中学校の卒業式に、塀の上にヤンキー座りで大量の缶チューハイを並べて酔っぱらう男・沙川尽義。誰がどう見てもヤバイ男ですが、その後も能力をコントロールできない幸人を川に突き落とす・アラミタマとの戦いでまたしても幸人を投げ飛ばすなど、やることなすことぶっ飛んだキャラクター。
しかし幸人が感情を抑えこんでいたことに気づいて解放するきっかけを与えたり、キレた幸人に飛び蹴りされて川に落ちても怒らないと、意外と大人びた一面も持ち合わせているのが絶妙で魅力的。
OPを見る限りでは良くある能力バトルモノという印象を受けますが、1話の時点では幸人と尽義のやり取りだけで充分に楽しめました。演じる寺島拓篤さんの酔っ払い演技が地味にリアルなのも笑いどころ。

・綾ヵ島とミタマ
幸人の故郷であり本作の舞台でもある綾ヵ島は複数の島が連なる諸島で、幸人が住むことになるのはニノ島。1話では名前だけではありますが一ノ島も登場し、他にもいくつかの島がある様子。島同士は海列車で移動できるようで、この辺りは「千と千尋の神隠し」っぽさもあってわくわくします。
また島にはミタマと呼ばれる宙に浮かぶクラゲのような不思議な生き物が存在しており、尽義曰く人に害はなさないそう。
ただ、ミタマが人を襲う狂暴なアラミタマになることもあるらしく、このアラミタマが本作に置ける敵となる様子。
ミタマ・アラミタマというと日本に古くからある荒魂・和魂と語感が良く似ており、その他にも日本神話や神道がモチーフなのかなという描写が多いのが特徴的。

・謎の遺言を残して亡くなった父
本人は覚えていないようですが幼い頃、綾ヵ島で何かしらの災害（？）が起こりその後島の外の児童養護施設に送られた幸人。彼の父・真人は自分の死後もある時期までは幸人を島に戻してはならないという謎の遺言を残して亡くなったそうで、その真意を知る者は誰もいません。
また幸人は真人がある日突然どこかからか連れてきた隠し子だったそうで、母親は不明。この辺りの幸人の出自と父の遺言の謎が本作のメインストーリーとなっていきそう。

・声優が豪華
主演の上村祐翔さんから始まり、尽義役の寺島拓篤さん、幸人の父・真人役の津田健次郎さん、真人の一番弟子だった鞍馬春秋役の鳥海浩輔さん、二番弟子だった伊吹朱役の梅原裕一郎さん、幸人たちが住む家の大家・桃子役の早見沙織さん、綾ヵ島の市長・稲生さん役に飛田展男さんなどメインキャストがこれでもかと豪華な布陣。
さらにミタマの声も椎名へきるさんが担当しているのが驚き。今後さらに豪華になっていきそう。

・安定して高いクオリティのオリジナルアニメ
1話の時点では作画も綺麗で全体的に綺麗にまとまっている印象。特に尽義たちが使う術の演出が美しくて映像美が素晴らしい。島の風景も背景美術がとにかく美しくて、島を舞台にしたアニメとしての魅力も充分。
ただ現状はそこまで個性的なアニメというわけではないので、オリジナルアニメとしてどこまで話題を作れるかが勝負となりそう。
個人的には尽義が塀の上で大量の缶チューハイを並べてヤンキー座りしてたシーンを見た瞬間、「あ、このアニメ面白いかも」とは思いましたがｗ