23話のあらすじ
漫画好きのどこにでもいる普通の少年・久能明。漫画の読み聞かせで寝付くちょっと変わった子どもでもあった彼は、いつしか母親に自分の想像した物語を語り聞かせるように。
母親との幸せな生活を送っていた明はしかし、ある日一本のGペンを拾ったことで人生が一変してしまう。それは古代遺物「Gライナー」だった。
23話の感想
安野雲こと久能明。安野先生の本名と否定能力、そしてなぜ「君に伝われ」という漫画を描いたのかその全てが明かされました。
絵本ではなく漫画の読み聞かせで寝付くちょっと不思議な子だった明少年。いつしか自分の想像した物語をお母さんに語り聞かせることが楽しみになり、自分でも漫画を描くように。
ある日道端で一本のGペンを拾った明少年はその瞬間、膨大な量の記憶を見てしまいます。それは古代遺物・Gライナーに宿っていた現在のループでの全ての記憶。この時、明はアンディや風子、ユニオンに否定能力者の存在を幼心に理解したものの、これが全て現実のものであるかどうか半信半疑だった様子。
しかしこれが明の運命を大きく変えてしまうことに……。
なんとGライナーを拾うと同時に否定能力者になってしまっていた明少年。それは「不明(UNKNOWN/アンノウン)」。自己対象強制発動型で、自分の存在や行動が一切他人から認識されなくなってしまうというもので、相手に触れようとしても体がすり抜けてしまい声も届かない。
風子の不運やタチアナちゃんの不可触と違って大切な人を傷つけてしまう心配はないものの、ある日突然大切な息子が消えてしまったお母さんの心労と、そばにいるのに気づいてもらえない明の悲しみを思うとこれはこれでめちゃくちゃ辛い……。
それでもどこかで明が笑顔で漫画を描けていますようにと願うお母さんの言葉を聞いた彼は、その日から漫画を描くことに人生の全てを捧げるようになります。
そして一本の読み切りを描き上げた彼は「安野雲」名義で漫画雑誌に投稿、それが大賞を受賞したことで「安野雲」名義でなら自分で描いた漫画が認識してもらえると気づきついに漫画家となりました。
それと同時にかつてGライナーに触れた瞬間に見た記憶が全て事実であると気づいた安野先生は、アンディや風子に哀しい結末が待っていることを知り、このままではいけないと漫画を通して未来を変えようと決意。
そうして出来上がった漫画が「君に伝われ」。
最初こそ「君に届け」をもじっただけの小ネタかなと思っていましたが、「君(お母さん)に伝われ」であり「君(アンディと風子)に伝われ」でもあったのだと気づき鳥肌が立ちました。あまりにも天才的な伏線。
安野先生がどんな思いで漫画を描き始め、どんな思い出「君伝」を描いていたのか。誰にも認識されないという究極の孤独の中で、彼もまた否定者として戦い続けていたのかと思うと……。
元々安野先生が見たGライナーの記憶の中では、オータム戦でアンダーの否定者・アンシーンによって風子は殺されBADENDが待っていたそう。
しかしオータム戦で安野先生がアンディと風子を助けて離脱、アンディの過去を風子に見せて二人を強化、そしてそこへ奇襲を仕掛けてきたアンシーンを本から戻ってきたアンディに倒させたことで、風子が殺されるという結末を見事に変えてみせた安野先生。
「ここからはボクの知らない物語だ」とボロボロの体で嬉し泣きする安野先生にまた泣かされました。
しかも素晴らしいのが次回予告で一切ナレーションがなくなっていたこと。やはりこれまで次回予告や毎話冒頭のあらすじでのナレーションは全て安野先生が語っていたことだったんですね。でももうここからは安野先生も知らない未来。1話から仕込まれていたメタ的な伏線の演出、脱帽です。
過去と未来が行き来する複雑なストーリーもすごいですが、記憶の中のアンディと風子の生き様に励まされ生きる意味を見出した安野先生が描いた漫画が、巡り巡ってそれを読んだ風子を励ましアンディと出会うまで生きさせたという構図があまりにも美しい。
アンディに救われた風子が今度はアンディの価値観を変えて救うのもそうですが、誰かの言動や思想が脈々と次の人に受け継がれて、受け取った人がまた誰かの命を救うという流れがめちゃくちゃ好きです。すごい……すごい話だ……。
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※本ページの情報は2023年10月時点のものです。
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