1話のあらすじ
石隠れの里を抜けようとして捕縛され死罪となった忍・画眉丸(CV.小林千晃)は超人的な肉体を持つが故に、打ち首や火炙りの刑を執行されても傷一つ付けられず死ぬことができずにいた。「御様御用」の山田浅ェ門佐切(CV.花守ゆみり)は、画眉丸が「殺してほしい」と願う一方で未だ生に執着する理由があるのではと彼の過去を知ろうとするが……。
1話の感想
・舞台は江戸時代末期。
主人公は石隠れの里で「がらんの画眉丸」と恐れられる忍・画眉丸。”がらん”とは”がらんどう”のことで、血も涙もない人間という意味。
彼は幼い頃に里の長によって両親を殺され忍者として育てられ、最強の忍として恐れられるほど実力者。長に命じられるがまま多くの人々を殺してきた彼はしかし、長の娘と結婚したことでそれまでの虚無的な性格から大きく変わっていくことに。
「普通」を大事にする心優しく朗らかな妻の存在に、画眉丸はこのままでは鈍ってしまうと長に里を抜けたいと願い出ます。長は条件として最後に一つの任務を与えますが、その任務中仲間に裏切られ画眉丸は捕縛されてしまうことに。長は最初から画眉丸を逃がすつもりはなかったんですね。
捕縛され死罪人となった画眉丸。しかし彼は強靭な肉体を持っていたため、打ち首をしようとすれば刀が折れ、火炙りにすれば無傷で生還、常人なら苦しみながら死んでしまうような恐ろしい刑を執行されても傷一つ付かない超人。
・御様御用、山田浅ェ門一家とは
そんな彼の前に現れたのは御様御用の山田浅ェ門佐切。
御様御用とは江戸時代に実在した刀剣の試し切りや処刑の際の首切りの役目を任されていた人物のこと。刀のエキスパート。
山田浅ェ門というのはその試し切りと斬首を生業とする一門で家名。こちらも江戸時代に実際に山田浅右衛門という御様御用の代々の家があったそうです。
どんな方法でも死なない画眉丸を処刑する刀を抜いた佐切に対して、画眉丸は初めて死への恐怖を抱きます。これまで「殺してほしい」と口では言っていながら、いざ刑を執行されると無意識に抵抗していた画眉丸。その生への渇望を見抜いていた佐切は、画眉丸が本当は妻を愛していてそれが生きる理由になっているのだと見抜いていました。
そして佐切は画眉丸を無罪放免にする代わりに、極楽浄土と噂される島へ行き不老不死の仙薬を探すという取り引きを持ち掛けます。
ここまでが本作のおおまかなあらすじ。
・極楽浄土の島と不老不死の仙薬
幕府が調査する日本から見て南西にあるとされる幻の極楽浄土の島。そこに調査団を派遣しても戻ってくるのは大量の美しい花々と人間だったモノ。
島の謎と島にあるとされる不老不死の仙薬を調査するため、幕府は死んでも困らない人間――つまり死罪人を集め島に送ることを命じます。そのために選ばれたのが画眉丸。
そこは果たして極楽なのか地獄なのか。
・安定感のある作画とメリハリのある色彩
制作が「呪術廻戦」や「チェンソーマン」のMAPPAさんということもあり、作画と映像美に関してはさすがの安定感。アクションシーンにも期待できそう。
しかし何よりも素晴らしいのが色彩の演出。第1話は画眉丸の処刑と過去、佐切との対話がメインで終盤以外はわりと淡々とした雰囲気で話が進んでいきます。そのため画面も全体的に落ち着いた色味で、舞台が江戸時代ということもありモノトーンのような表現。ところが終盤、画眉丸が初めて忍法を使ったシーンで現れる炎が目の覚めるような極彩色。その鮮やかさがものすごいインパクトとともに視界に入ってきます。このメリハリに痺れました。
OP映像もとにかく華やかで鮮やか。内容的にはかなり血みどろでグロテスクなシーンもあるのですが、極彩色によって極楽にも地獄にも見える演出が素晴らしい。これはまさにアニメーションならではの魅せ方ですね。タイトル通り「地獄」と「極楽」が上手く表現されていてさすがでした。
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※本ページの情報は2023年4月時点のものです。
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