【アニメ感想】呪術廻戦渋谷事変（第2期）第32話「渋谷事変」【アニメ感想】呪術廻戦渋谷事変（第2期）第32話「渋谷事変」 |

32話のあらすじ

”帳”の降りた渋谷周辺で冥冥とその弟・憂憂ういうい（CV.三瓶由布子）と共に待機していた悠仁は、明治神宮前駅にも”帳”が降ろされたと聞き急行する。
冥冥・憂憂と分かれ一人で駅構内へと降りた悠仁はそこで、人語を解する呪霊・蝗GUYこうがい（CV.かぬか光明）と遭してしまう。

32話の感想

渋谷の地下鉄ホームに閉じ込められた一般人。地上から地下5階のホームまでを覆うように降ろされた”一般人のみを閉じ込める帳”、さらにその内側には地下5階のホームのみを覆う”術師を入れない帳”。そこを術師の中で唯一通れるのは五条先生のみ。

そんな状況で、外側の”帳”の外で冥冥とその弟・憂憂と共に待機していた悠仁。
このさらっと初登場した冥さんの弟・憂憂。結構謎の多い存在で、そもそも実の弟なのかもわからなかったんですが、公式発表で実弟であることが明かされました。かなり年離れてそうだけど……。あと憂憂に関しては何級の術師なのか、呪術師であるのかすら謎なんですよね。謎。
さてそんな憂憂を演じるのは三瓶由布子さん。キャスト発表された瞬間、「天才！」と思わず手を叩いてしまいました。こんなに完璧なキャスティングあるか？？
そして実際にお声を聞いたらマジでハマリ役過ぎて興奮しました。冥さんに対してだけ見せる可愛さと、悠仁に対する生意気さが完璧。あと何より少年みがさすがに強い！冥冥役の三石琴乃さんとの声の相性も最高ですね。この3人のやり取り永遠に見ていたい……。

”一般人を閉じ込める帳”と”術師を通さない帳”の間にこれらを降ろしている呪霊か呪詛師がいて、それを見つけて倒すという任務を任された悠仁。
冥さん・憂憂とは一旦分かれて一人で地下鉄構内へと入った悠仁はそこで人間を食うバッタの呪霊・蝗GUYと遭遇します。
蝗GUYはその名の通り、人間の蝗害に対する恐れや恨みが生み出した呪い。バッタは人間に直接危害を加えるわけではないものの、ひとたび蝗害が始まってしまえば稲や農作物だけでなく、藁や紙、着物など植物性のものはなんでも根こそぎ食い荒らされてしまうそう。そもそも、虫嫌いからすると大量のバッタが飛んできてそこら中飛び回ってるだけでも地獄です。間違いなく発狂しそう。
そんな恐ろしい蝗害の呪霊・蝗GUYですが、自分は賢いと口癖のように繰り返す割に、「ツギハギ顔」が何のことか分からなかったり、悠仁に何の呪いか瞬時に見抜かれて驚いたり、アホな面が強調されていて何気に可愛い。これまで呪霊はとにかく恐ろしいものとして描かれてきたのに対し、この蝗GUYだけは最後までアホの子として描かれているのが憎めないポイント。呪霊人気ランキングしたら結構上位にいきそうｗ

悠仁が蝗GUYと戦っている頃、地下5階では閉じ込められた大量の一般人たちのもとに五条先生が到着。線路を挟む形で両側のホームに押し込められた大量の一般人たち。
そして線路上で五条先生を待っていたのは3体の呪霊。
夏油一派の中では最初に登場し、五条先生が作中初めて領域展開を使った相手でもある漏瑚じょうご。
高専の交流会に乱入し、こちらも一度は五条先生と対峙したことのある花御はなみ。
そして真人によって高専から奪われた呪胎九相図から人間に受肉された脹相ちょうそう。

彼らは五条先生が最も力を発揮するシチュエーションである（周囲に誰もいない）の真逆の舞台を作るために一般人を大量に閉じ込めていました。非戦闘員や怪我人を守りながら戦うのは難しい、というのはどの作品でも良く使われるシチュエーションですが、ここまで大量というのはかなり珍しいですよね。
そして五条先生の異常性が現れている場面でもあります。漏瑚たちは一般人たちを容赦なく巻き込みながら戦うのに対し、五条先生は周囲の人間を巻き添えにして戦うことはないものの、目の前で殺されていく人々に対しては顔色一つ変えない。この辺りは理子ちゃんや術師たちが呪霊や呪詛師に殺されていく精神的ストレスによって歪んでいった夏油さんとの違いを感じます。人間として歪んでいるからこそ正気を保っていられるというのはなんとも皮肉……。