【アニメ感想】ゾン100～ゾンビになるまでにしたい100のこと～第9話「ツリーハウスオブザデッド」

アニメ

2023.09.25

9話のあらすじ

アキラの実家まであと少しというところで集落に通じる唯一のトンネルが封鎖されてしまっていた。しかもトンネルの中には大量のゾンビ。
不安を抱えながらも峠を越えて村へ向かうことになったアキラたちは、森の中で猪ゾンビに追いかけられていた熊野という男に出会う。

9話の感想

グンマーこと群馬の中でも奥地の集落がアキラの実家。しかしそこに繋がる唯一のトンネルは封鎖され、トンネル内には大量のゾンビが閉じ込められていました。
キャンピングカーではこれ以上進むことができず、アキラたちは仕方なく徒歩で峠を越えて村へ向かうことに。
その道中、猪ゾンビに襲われていた熊野という大工の男に出会います。猪もゾンビになるんだ……と思いましたがそういえばサメもゾンビになってましたね。
それはともかく熊野さんは森の中にツリーハウスを建ててそこでゾンビたちから逃れようとしていたらしく、アキラたちはその建設を手伝うことに。実は「ゾンビになるまでにしたい100のこと」リストにしっかり「ツリーハウスを建てる」という夢を書いていたアキラ。確かにこどもの頃に一度は憧れますねツリーハウス。

出典：TVアニメ『ゾン100～ゾンビになるまでにしたい100のこと～』公式（@Zom100_anime_JP）より

このツリーハウス回、どう考えてもアキラの両親の安否のが重要だろと最初は思ったんですが、意外と横道に逸れたわけではなく大事なメッセージが込められていたんですよね。
それが熊野さんの「木を大切にしようと思うと地面や草花のことを考える。そうすると今度はその周りのことも考えるようになり、森全体の声が聞こえる」というセリフ。これはただ単にツリーハウスだけの話ではなく、アキラは「自分のことを大切にすれば周りの人のことも考える。そうすると今度は世界のことも考えるようになる」と解釈。
他人よりもまず自分、自分が幸せになろうとすれば自分の周りの人のことも大切にできる、という考え方とも近いような気がします。個人的に大切にしていることなので、このメッセージはすごく心に響きました。
それと同時に、目の前で息子が妻に噛まれ2人を自らの手で殺したという熊野さんの苦悩を知って、アキラが親孝行について考えるきっかけにもなる大事なエピソードとなりました。

さてツリーハウスを完成させ今度こそ両親と再会するため熊野さんと別れて村へと辿り着いたアキラたち。そこは想像していたよりも遥かに田舎の集落でした。
元々外界と村を繋ぐ道がトンネルと危険すぎる崖の道の二つしかないのが功を奏して、村の人たちはほとんどが今まで通りの生活を送れていたようです。
アキラの両親ももちろん無事だったものの、親孝行したいアキラに対して不愛想でぶっきらぼうな父親と長旅で疲れている息子を休ませたい母親との間には中々縮まらない溝が……。
親孝行って何したらいいんだろうと頭を悩ませるアキラですが、たぶん元気な姿を見れただけで2人とも嬉しかったんじゃないかな。
しかし平和なはずの村にも、何やら不穏な展開が待ち構えている様子。お父さんの手にあった傷跡と血はまさか……！？

そして村が安全な場所だと聞いて逃げてきたという他の町の人々の生き残りの中には、怪しい人物たちの姿も。
アキラが「見覚えがある」と言った怪しい男は日暮莞太かんた。引きこもりで社会から疎外されくすぶっていたところにゾンビパンデミックが始まり、自分を邪魔者にしてきた社会への報復として、アキラと同じく「ゾンビになるまでにしたい100のこと」リストを作成。しかしその内容は「ドラッグを使う」「ダイナマイトを爆発させる」「本物の銃を撃つ」など危険思考ばかり。
正直なところ、もしも明日世界が終わると知ったらこれまでずっと我慢してきた「許させないこと」を実行する人間は少なくないのではと思うので彼の登場はすごく腑に落ちました。アキラの対になる存在であり、もしかしたらラスボスになる可能性もありそうですね。
そんな日暮を演じるのはイカレキャラに定評のある岡本信彦さん。これ以上ないハマリ役でちょっと笑ってしまいました。これまで社会のクズ（アキラの元上司）などは登場してきたものの、明確な敵キャラはいなかったのでいよいよ面白くなってきましたね。

しかし残念ながら本作の放送はなんとここまで。度重なる放送延期と特番と総集編を繰り返してきたことで1クール内に最終話まで放送し終わることができなかったようです。
今後の放送・配信予定は未定とのことで、「Nier:Automata Ver1.1a」と同じく数か月後に残りの話数を一挙放送する感じになるのかもしれません。いろいろ惜しいですが、のんびり続きを待つしかありませんね。