【アニメレビュー】怪獣8号第01話「怪獣になった男」【アニメレビュー】怪獣8号第01話「怪獣になった男」 |

【アニメレビュー】怪獣8号第01話「怪獣になった男」

アニメ

2024.04.142024.04.21

1話のあらすじ

突如現れては街を破壊する怪獣。それらを討伐する「日本防衛隊」への入隊を目指すも夢破れた32歳の日比野カフカ（CV.福西勝也）は怪獣専門の清掃業者・モンスタースイーパーで働いていた。
一方、幼い頃に怪獣全滅を約束した幼馴染の亜白ミナ（CV.瀬戸麻沙美）は今や防衛隊第3部隊隊長として大活躍。
彼女の活躍をニュースで知りやるせない想いを抱えるカフカはある日、防衛隊を志す後輩・市川レノ（CV.加藤渉）と出会う。

1話の感想

・2024年春アニメ最大の注目作
次々とヒット作を生み出している少年ジャンプ+の中でも「SPY×FAMILY」と並ぶ人気作で、アニメ化前からSNS上で話題を呼び続けている注目作。有名タイトルがずらりと並ぶ2024年春アニメの中でも、間違いなく注目度No.1の覇権アニメ候補。
原作人気の高さ故に放送前はクオリティを不安視する声もあったものの、蓋を開けてみれば文句なしの好調スタートとなりました。

・Production I.G×西尾鉄也
アニメーション制作を手がけるのは「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」や「PSYCHO-PASSサイコパス」、「ハイキュー!!」や「天国大魔境」など繊細かつ大胆な美しいアニメーションが特徴のProduction I.G。今作でも緻密で美麗な背景美術と、シンプルな線でガンガン動くハイクオリティな作画が楽しめます。
さらにキャラクターデザインと総作画監督を務めるのは「NARUTO‐ナルト‐」シリーズで世界的に名が知られるようになったアニメーター西尾鉄也さん。日本を代表する名アニメーターの1人。
そして怪獣デザインは「シン・エヴァンゲリオン」を制作した庵野秀明さん設立のスタジオカラー。
間違いなく映像面では最強の布陣です。

・主人公は夢破れた30代の日比野カフカ
ジャンプアニメではちょっと珍しい30代の主人公・カフカ。幼い頃、怪獣に街を破壊され、幼馴染の亜白ミナと共に防衛隊に入って怪獣を全滅させるという約束を交わすも、試験で不合格になり夢を諦めてしまったしがない怪獣清掃業者。どちらが先にかっこいい防衛隊員になるか競ったミナはと言うと、27歳にして日本防衛隊第3部隊隊長まで上り詰めた超人気防衛隊長。彼女との差に落ち込むカフカ。
そんな中、カフカの務める怪獣専門の清掃業者モンスタースイーパーのアルバイトとして、後輩の市川レノがやってきます。かつてのカフカのように防衛隊を目指すレノに対し、カフカは複雑な想いを抱えることに……。

・主人公にふさわしい主人公
夢を諦めてやさぐれた青年……と言えば主人公としては何ともパッとしない設定ではありますが、それとは裏腹にとても好感度の高いカフカ。
口では文句を言いつつもみんなが嫌がる（死んだ怪獣の）腸の清掃もきちんとこなしたり、苦手意識を抱えていた後輩のレノを気遣ったりと根はお人好しで真面目な性格なのが伝わってきます。上司や同僚からの人望も厚いらしく、最初は無愛想だったレノもたった1日でカフカへの態度がガラッと変化。
何より丸腰の中で突然現れた怪獣に対して、（通報するという役目を与えた上で）レノを逃がし、体を張って怪獣に立ち向かうなどヒーローとしての素質も充分すぎるほど。応援したくなるかっこいい主人公です。

・防衛隊員を目指すはずが怪獣に……
レノから入隊試験の年齢制限が引き上げられ33歳まで受けられると知り、もう一度防衛隊を目指そうと決意したカフカ。
ところがその矢先、入院中のカフカの前に突然小型の怪獣が出現。抵抗する間もなく口の中に侵入され、なんとカフカ自身が怪獣に変身してしまいます。
同じ部屋に入院していたレノはすぐにカフカだと信じてくれたものの、他の患者に見られ通報されてしまったカフカは討伐対象になってしまうことに……。

・期待しかない今期最大の覇権アニメ候補
1話からしてハイクオリティな映像、好感の持てる主人公と相棒キャラクター、予期せず化け物になってしまう主人公とワクワクが止まらない導入。
しかもOP・ED主題歌はなんとどちらも海外のミュージシャンで、第1話ではEDテーマのONEREPUBLICによる「Nobody」が流れました。洋楽が主題歌というオシャレすぎる演出のせいか、まだ第1話のたった30分しか見てないのに1本の映画を見たくらいの満足感でした。

またカフカの体内に侵入した小型の怪獣役として3月4日に逝去したTARAKOさんが出演していたこともSNS上で話題となりました。ほんの一言程度の出演ではありましたが、遺作の一つとして語り継がれそうです。