【アニメ感想】呪術廻戦渋谷事変（第2期）第39話「揺蕩-弐-」

39話のあらすじ

特級呪霊・陀艮の領域から脱出しようと伏黒は領域に穴を空けるが、そこからオガミ婆によって降臨した甚爾が乱入。伏黒たちは脱出の機を失ってしまう。
強者を狙う殺戮人形と化した甚爾は陀艮に攻撃を仕掛け、七海たちは敵か味方かも分からない甚爾に賭けるが……。

39話の感想

陀艮の展開した領域に伏黒くんが脱出用にわずかに空けた穴の外から突如乱入してきた甚爾。
この時、甚爾の正体に気づいたのは直毘人のみ。禪院家と関わりのない七海と会ったことがなかったであろう真希さん、そして父親の顔を知らない伏黒くんにとっては、敵か味方か分からない謎の人物。
降臨直後は甚爾の自我がはっきりとあったようですが、この時には術式の暴走のせいかセリフはなくほぼ意識はない状態だったのでしょうか。意識あったら直毘人に気づいてそうだし。
殺戮マシーンと化した甚爾はその場にいる人物の中で最も強い相手を自動的に敵と認識するらしく、この場では陀艮をロックオン。1級2人がかりでも苦戦した陀艮を、術式を持たない甚爾が圧倒。この戦闘シーンが今回アニメーション的には最大の見せ場でしたね。作画が相変わらず凄すぎる……。

ちなみに真希さんは甚爾と同じく生まれつき「縛り」がある「天与呪縛」の持ち主。術式を持たない代わりに人間離れした身体能力を持っています。陀艮相手にはほぼ成す術がなかったものの、上位互換とは言え同じ「天与呪縛」の持ち主である甚爾が余裕で陀艮を倒したことを考えると、真希さんも将来的には甚爾並みの強さを手に入れることができるのでは……？
実際に甚爾の戦いぶりを見て驚いていましたし、ここで甚爾の強さを生で見れたことは真希さんにとってかなり大きな糧になったような気がします。

さて陀艮が倒され領域が解除されたものの、殺戮マシーンの甚爾は次なるターゲットをロックオン。その場で最も強い人物と認識したのは1級術師の七海でも直毘人でもなく伏黒くんでした。階級的には伏黒くんは2人よりも下ですが、七海と直毘人が重傷だったからなのか、それとも本能的に縁を感じたのか……。ともかく期せずして伏黒親子対決が実現してしまうことに。
甚爾が何者なのか分かっていない伏黒くんにとっては1対1で戦うことになってしまったのはピンチですが、伏黒くんと甚爾が離脱した直後に現れた漏瑚によって七海・直毘人・真希さんが瞬殺されたことを考えると甚爾によって命拾いしたとも取れるのがなんとも……。

七海たちがまさかの瞬殺されたショックもでかいですが、それ以上にあっさりと漏瑚視点に切り替わって宿儺復活に話が移行してしまったことにものすごく無情さを感じました。3人が死んでしまったかどうかはこの時点でははっきりしていないものの、まるでモブが殺されたかのように何事もなく展開していくのがあまりにも無情。いよいよ地獄が本気出してきた……。

それはともかく偽夏油抹殺のため意識を失った虎杖くんに無理やり宿儺の指を飲ませた菜々子・美々子の2人。さらに宿儺復活を感じ取った漏瑚によって10本の指を飲まされ、ついに宿儺が表に現れてしまうことに。

「指一本分くらいは話を聞いてやる」と言っておきながらミミナナをあっさりと殺害した宿儺は真人とはまた違った完全悪の恐ろしさを感じます。
主人公の中に別の生命体や化け物が封印されていて主人公が手懐ける（協力関係になる）という展開は他の作品にもありますが、どう転んでも宿儺が虎杖くんと協力関係になることはなさそうと思わされる圧倒的な恐怖と悪。
作中最強キャラの五条先生は封印され、同じく最強格の両面宿儺が虎杖くんの体を掌握、七海・直毘人・真希さんの生死不明、猪野くんやその他重傷者多数……ここからが本当の地獄。

菜々子と美々子は宿儺復活の手助けをしてしまったという面ではとんでもないことをしでかしてますが、彼女たちなりに偽夏油を止めようとした結果なのが辛いですね。
何よりも2人が本当に夏油さんを愛していて全てだったのが伝わってきてしんどい。夏油さんを殺した五条先生を憎みつつも、夏油さんにとっての親友だからこれで良かったとも思うと言えるのは本当に夏油さんを想っていたからこそ。
あと回想の中で夏油さん「親友だったんだ、ケンカしちゃってそれっきり」というセリフ、偽夏油と声は全く同じなのに違う人物なのが伝わってきてぞくぞくしました。
櫻井孝宏さん、本当に演技が凄い。教祖夏油の時ともまたちょっと違う声なんですよね。この時だけ、高専時代に戻ったかのような、本当に本心からの気持ちだったんだろうなって伝わってくるお芝居。凄い。