【アニメ感想】終末トレインどこへいく？第1話「ちょっと行ってくる」 |

【アニメレビュー】終末トレインどこへいく？第1話「ちょっと行ってくる」

アニメ

2024.04.022024.04.09

1話のあらすじ

埼玉県、吾野。2年前に起きた“7G事件”の影響で世界は様変わりし、吾野駅周辺の大人たちはなぜか動物の姿になってしまっていた。
高校生の静留（CV.安済知佳）は行方不明の親友・葉香（CV.東山奈央）のことをずっと探し続けていたが、ある日新聞に掲載された１枚の写真に彼女の姿を見つける。それは数日前に池袋で撮影された写真で……。

1話の感想

・激変した現代日本が舞台の終末モノ
本作は「SHIROBAKO」や「ガールズ&パンツァー」の監督で知られる水島努さんによるオリジナルアニメ。第1話放送まで詳細な内容がほとんど明かされなかった本作は可愛らしい女子高生4人の姿からほのほの日常系と勘違いしそうですが、タイトルに“終末”と入っていたり、キーヴィジュアルの電車のガラスに不穏な光景が映り込んでいたりと怪しい雰囲気満載。
その予想通り、衝撃的な第1話となりました。
1話冒頭、池袋駅に降り立った1人の女子高生は日本が新たに開発した“7G”の開通式典に偶然参加することになってしまい、いかにも怪しい男・ポンタローに促されるままに“7G”と書かれたボタンを押してしまいます。すると突然世界は激変。一気に終末世界へと様変わりしてしまいました。

・舞台は2024年の埼玉県飯能市の吾野駅
“7G事件”から2年後。吾野駅周辺の街ではなぜか大人たちが全員動物になってしまい、街は荒廃。電気はかろうじて繋がっているものの、街同士はなぜか遠くなりライフラインは月に一度の宅急便だけという不便な生活に。
日本中全ての大人たちが動物になってしまったのかは定かではありませんが、近くの別の街では全員木になってしまったところもあるのだとか。
そしてなぜかこの吾野周辺では21歳3ヶ月を過ぎるとみんな動物になってしまうそうで、主人公含め子どもは人間の姿のままのようです。全て“7G”によるものだそうですが色々と謎がありそうですね。
ちなみに水島監督のX（旧Twitter）を見ると小ネタや裏話、伏線っぽい設定まで様々呟いているので気になる方は覗いてみると面白いです。

・行方不明の親友を探す電車の旅
主人公は女子高生の静留しずる。彼女は喧嘩別れをしたまま行方不明になっている親友・葉香ようかを2年間探し続けていましたが、ある日新聞に彼女の姿を見つけます。そこにはほんの数日前に池袋での写真。
葉香とは1話冒頭で“7G”開通の式典にたまたま参加させられることになってしまった女子高生で、新聞の写真にはあのポンタローの姿も。
そんな中、人間の姿だけど「ボウ」しか喋れなくなってしまった老人・善治郎が駅のホームに残されていた電車をやたらと気にしていることに気づき、電車のドアをこじ開けて運転席へ。そこにあった車掌の帽子を善治郎に被せると、なんと突然イケメンの姿になりいきなりマシンガントーク！
彼が電車の動かし方や池袋のことを知っていることに気づいた静留は彼に頼み込み、運転の仕方を教えてもらい葉香を探しに池袋へ向かうことを決意します。
静留の友人である撫子なでしこ、玲実れいみ、晶あきらと葉香の飼い犬だったポチさんの4人と1匹で池袋へ向かう西武池袋線の電車の旅がスタートしました。

・キーマンは善治郎とポンタロー
「ボウボウ」しか喋れない腰の曲がった老人・善治郎。しかしその正体は“7G事件”の真相を知っているらしいイケメンで、ポンタローとも顔見知りの様子。額には手術痕が残っており、“7G”の危険性を訴えたがために何かの手術を施され、老人の姿になってしまったようですね。
面白いのは車掌の帽子を被ると一時的に本当の姿に戻れるのですが、しばらくすると強制的にまたおじいさんの姿に戻ってしまうところ。なぜ世界がこうなってしまったのかも知っていそうなのに、肝心なところでおじいさんに戻ってしまいまた「ボウボウ」しか言えなくなってしまうのが笑えました。
しかし彼はなぜか電車に乗れない（もしくは街を出られない？）らしく、池袋への電車旅には同行しないようです。謎が多くてワクワクしますね。

・設定や主題歌など個性的で期待大
主人公は4人の可愛い女子高生。性格も見た目もバラバラでバランスが良く、謎多き設定の数々も興味をそそられます。テンポや会話劇も小気味よく、ベテラン監督だからこその安定感もありました。
個人的には少し不穏な空気も感じられるクールなEDがとても好みでした。
余談ですが、西武池袋線は学生時代に毎日のように使っていたので作中に見覚えのある駅構内の様子がたくさん使われていてそういう意味でもとても楽しめました。吾野駅から池袋駅まで30駅、どの駅が登場するのかも楽しみですね。