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【アニメレビュー】競技クイズの魅力が詰まった王道文化系スポ根アニメ「ナナマルサンバツ」

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少し懐かしいアニメをレビューするこのシリーズ。あまり知られていない隠れた名作や、最近アニメを見始めた人にもぜひ見てほしいオススメアニメなどを取り上げていく予定です♪

ちなみに前回の記事はこちら↓

そして今回レビューするのは2017年に放送されたTVアニメ「ナナマルサンバツ」です。

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

ナナマルサンバツ」は2010年~2020年までヤングエースにて連載されていた杉基イクラさん原作の漫画。2017年に全12話でアニメ化されました。

アニメの題材としては非常に珍しい競技クイズの部活モノで、タイトルの由来は「7◯3✕(7問先取、誤答3回で失格)」という早押しクイズの形式から取られています。
いわゆる文化系スポ根アニメで「ちはやふる」などが好きな人には特にオススメ。

あらすじ

文蔵ぶぞう高校に入学した本好きの越山識こしやましきは引っ込み思案で人前に出るのが苦手な性格。しかし新入生歓迎会でクイズ研究会会長の笹島学人が主催するクイズ大会に参加する羽目に。
幼い頃から本を読み続けて得た膨大な知識のおかげで問題文を最後まで聞けば答えが分かるのに、早押しボタンを押すことができず歯がゆい思いをします。

そんな中、自らクイズ大会に参加したクラスメイトの美少女・深見真理ふかみまりは問題文を途中まで聞いただけで正解を導き出し、彼女の早押しに圧倒される越山。
真理の早押しを見ているうちに、早押しクイズには答えを確定できるポイントがあるのではと気づきます。

その知識量に目をつけた真理に他校で行われる新入生向けのクイズ大会へと誘われた越山は、そこで出会った御来屋千智みくりやちさとの実力に圧倒され、次第に0.1秒を争う競技クイズにのめり込み――。

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

奥が深い競技クイズの世界

クイズと言えばほとんどの人が一度は触れたことがあるであろう身近な遊び。早押しクイズもテレビ番組では定番の企画で、やったことはなくても見たことはあるという人も多いはず。
しかしアニメのテーマとしては非常に珍しく、特に競技クイズを題材としたアニメはおそらくこの作品だけ。本作ではクイズ初心者の視点から、本格的な高校生の競技クイズの世界をリアルに描いています。

主人公の越山くんは幼い頃から本が大好きな本の虫。その知識量は一般的な高校生のレベルを超えており、クイ研会長の笹島先輩が作成した「100問ペーパークイズ」ではそのほとんどを自力で解いてしまうほど。
ところがいざ早押しクイズとなると競技クイズ経験者の真理どころか、未経験の生徒にすら押し負けて答えることすらできません。早押しクイズではただ知識を持っているだけでは勝つことができず、他の誰よりも早くボタンを押す必要があるのです。しかし早く押すと今度は問題文を最後まで聞くことができず答えが分からない。

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

そんな時重要になってくるのが確定ポイント。
たとえば作中で実際に出題された「「京都三大祭」といえば、5月の葵祭、7月の祇園祭と、10月の何祭?」という問題。この問題は3つある祭りのうち「葵祭」と「祇園祭」が問題文で読まれているので、答えを「時代祭」に絞ることができます。つまり「「京都三大祭」といえば、5月の葵祭、7」まで聞けば、最後まで問題文を聞かなくても答えを導き出すことができるのです。
誰よりも早く、けれど答えの分かるギリギリのタイミングでボタンを押す、そんな0.1秒を争う駆け引きも競技クイズの魅力。作中でも触れられていますがこの辺りは百人一首の決まり字にも似ているのが面白いですよね。

また早押しクイズと言ってもその形式は様々あり上記のような名数型だけでなく、問題文の読み出しで答えが分かってしまうほど定番化しているベタ問(頻出問題)、答えが複数ある多答クイズなど多種多様。

パラレル問題ではい読み(問題文を読む人)がどこにアクセントを置くか(強調するか)がポイントになるのも非常に面白い。たとえば「世界で一番面積が広い国といえばロシアですが、一番面積が狭い国といえばどこ?」という問題では「広い」の部分を強調して、後半を聞かなくても問題文が予測できるようになっているんだそう。
回答者だけでなく問題を作る人、問題文を読む人の技術やセンスまでしっかり魅力が伝わってくる内容になってるのが本作の魅力のひとつ。

↓問題文を読む人もクイ研部員の役割

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

王道部活青春アニメ

競技クイズは珍しい題材ですが、ストーリーは王道ど真ん中のスポ根もの。
内気な主人公が本気で熱中する競技に出会い、新たな世界へいざなうヒロイン、お調子者だけどムードメーカーの友達、後輩を導く尊敬すべき先輩、主人公の壁であり憧れでもあるライバル、個性的で魅力あふれる強敵たち……などスポーツアニメさながらの爽やかで熱いストーリー展開が楽しめました。

文化部系アニメは競技にもよりますが性別の垣根がなく男女混合の勝負を楽しめるのも強み。本作の登場人物は男性の比率高めながらヒロインの真理に加え、麻ヶ丘女子高校クイ研など女子キャラも一緒に競い合うのが楽しい。

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

また各学校の先輩後輩の関係性も見どころのひとつ。
たとえば主人公の越山くんが初めて参加した新入生向けクイズ大会で悪気なくマナー違反を犯してしまった際、クイ研会長の笹島先輩が代わりに頭を下げるシーンは序盤の特に印象的な場面。大会でのマナーを事前に説明しなかった自分の落ち度としつつ、ルールはルールとして自分も一緒に退場する姿がとてもかっこいい。

それと同時に競技クイズが他の部活動に比べるとまだまだマイナーであるためか、「クイズなんて」と揶揄される場面もしばしば。そんな時、他校の生徒であっても年長者が年下の子たちを庇うこともあり、ライバルであっても同じクイズを愛する同志というリスペクトと仲間意識が強く感じられるのも素敵。
運動部ほど熱血ではありませんが、スポーツマンシップあふれるやり取りにも感動させられました。

唯一の欠点

文句なしに面白いストーリー、個性的で楽しいキャラクターたち、豪華な声優陣、キャラデザも魅力的で作画も安定している上にOPテーマはMrs.GREEN APPLE
アニメとしてはかなり完成度が高く部活系アニメの中でも好きな方なのですが、ただ唯一このアニメには欠点があります。

それがヒロイン役の声優。日テレの高校生クイズとコラボしていたためか、ヒロイン役に声優経験の乏しい女優さんをキャスティングしており、これが中々の棒読み……。
他は全て声優さんの中に一人だけ棒読みな上にセリフ量の多いメインヒロインなので、特に序盤はその女優さんが気の毒になるくらい浮いてしまっています。
レビューやクチコミでもほぼ全員がこの棒読みに触れているほどで、たった一人女優さんを起用してしまったがためにアニメ自体の評価も低くなってしまっているのがあまりにも悲しい。でも擁護できないレベルの棒読みなのでアニメ制作スタッフの自業自得なのですが……。

その一点を除けば本当に名作ですし完成度も高いので、これから見るという方はなんとか棒読みを乗り越えてほしい。後半からは女優さんの棒読みも多少改善されていますし、第8話からの麻ヶ丘例会編は特に見応えのあるクイズ対決が繰り広げられるのでオススメです。

主な登場人物

文蔵高校
埼玉の公立高校。

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

越山識
主人公。文蔵高校1年。引っ込み思案で自己主張が苦手。子どもの頃から大の本好きでそこで得た膨大な知識量は競技クイズ界の強敵たちからも一目置かれるほど。人付き合いが苦手だったがクイ研に入ってからは徐々に交友関係も広まることに。得意ジャンルは文学と歴史。サブカル系には滅法弱い。
CV.堀江瞬
代表作:「僕の心のヤバイやつ」市川京太郎、「ミギとダリ」ミギ、「アイドルマスターSideM」ピエール
当時デビュー3年目にして本作がTVアニメ初主演。かなり初々しく声も高め。

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

深見真理
越山のクラスメイトで図書委員。男女問わず気さくに話しかける明るい性格で、見た目も可愛いことから主に男子人気が高い美少女。兄の影響でクイズにハマリ文蔵クイ研1年生の中では唯一の競技クイズ経験者。ベタ問(頻出問題)の早押しも得意で、特に語源問題が強い。クイズのことになると周りが見えなくなることもあるクイズバカ。
CV.川島海荷

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

笹島学人
文蔵高校2年。クイ研会長。1年の時に開城学園高校から転入しクイズ研究会を立ち上げた。言動は少々エキセントリックだが、強豪・開城学園高校クイ研に所属していたこともありかなりの実力者。人間的にもできており後輩たちを時に厳しく時に優しく指導する。
CV.佐藤拓也
代表作:「刀剣乱舞」燭台切光忠、江雪左文字、「ジョジョの奇妙な冒険」シーザー・アントニオ・ツェペリ

井上大将だいすけ
越山のクラスメイト。真理と仲良くなりたいという理由で図書委員に立候補したり、クイ研に入ったりと少々軟派な性格。しかし根はいい奴で、競技クイズ未経験者同士で次第に越山と仲良くなっていく。クイズの腕前も知識量もあまりないが、アイドルやアニメなどサブカル系の問題には強いオタク。また暗算が得意という意外な特技も。
CV.畠中祐
代表作:「SK∞エスケーエイト」喜屋武暦、「甲鉄城のカバネリ」生駒、「僕のヒーローアカデミア」上鳴電気

笹島迅子じんこ
文蔵高校1年。全く似ていない笹島の妹。関西弁を話す美少女。見た目とは裏腹に割とぶっ飛んだ性格で、電子工作が好きな「弱電じゃくでん女子」。クイズには興味がないのでクイ研の部員ではないが、笹島の頼みで早押しボタンを自作する。
CV.松田颯水さつみ
代表作:「わんだふるぷりきゅあ!」猫屋敷ユキ/キュアニャミー、「かげきしょうじょ!!」沢田千秋

宮浦高校
埼玉の公立高校。男子校。文蔵高校の隣町にあるらしい。

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

御来屋千智みくりやちさと
宮浦高校1年。越山と同い年ながら高い実力を持つクイズプレーヤー。特に早押しやパラレル問題に強い。無愛想で大人げない性格だが、越山の知識量に目をつけライバルとして意識するように。得意ジャンルは理系分野。かっこいい。
CV.石川界人
代表作:「ハイキュー!!」影山飛雄、「僕のヒーローアカデミア」飯田天哉、「ダンダダン」ジジ

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

芦屋洋介
宮浦高校3年。クイ研部長。明るく気さくで面倒見も良く、他校の越山たちにも親しく接してくれる良き先輩。赤河田の新名と親しい。後輩の御来屋に手を焼いているが、実力を認めており後輩でありながらライバル視する場面も。
CV.羽多野渉
代表作:「アイドリッシュセブン」八乙女楽、「あんさんぶるスターズ!」乙狩アドニス、「僕のヒーローアカデミア」心操人使

赤河田高校・中学校
東京の私立中高一貫校。男子校。

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

新名にいな
赤河田高校3年。クイ研部長。新入生向けのクイズ大会では司会進行を担当。普段は穏やかで面倒見が良いがマイクを持つとハイテンション。ちょっと抜けているところも。基本的に優しくお兄ちゃん気質だが、キレると怖い一面も……。かっこいい。
CV.鈴木達央
代表作:「うたの☆プリンスさまっ♪」黒崎蘭丸、「Free!」橘真琴、「黒子のバスケ」高尾和成

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

苑原明良そのはらあきら
赤河田中学3年。人を挑発して遊ぶのが大好きという作中一の問題児。クイズには興味がなかったがふとしたきっかけから越山と知り合いクイズ界に参戦してくる。ゲーム全般が得意で悪知恵も働く。女装男子。姉は麻ヶ丘女子クイ研部長の苑原千明。
CV.永塚拓馬
代表作:「SK∞エスケーエイト」知念実也、「僕のヒーローアカデミア」口田甲司、「KING OF PRISM」西園寺レオ

麻ヶ丘女子高校
私立の女子校。ミッションスクール。

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

上月由貴
麻ヶ丘女子1年。茶髪ショート。真理の中学時代からの友人でお互いに「真理りん」「由貴っち」と呼び合う仲。麻ヶ丘例会のクイズ大会では実況を担当。
CV.M・A・O
代表作:「悪役令嬢転生おじさん」グレイス・オーヴェルヌ、「トリリオンゲーム」黒龍キリカ、「転生したらスライムだった件」シオン

苑原千明
麻ヶ丘女子3年。クイ研部長。黒髪ストレートの眼鏡女子。お嬢様風の話し口調が特徴的。麻ヶ丘例会では大会委員長と解説を担当。自由奔放な弟の明良に手を焼いている。
CV.佐倉綾音
代表作:「僕のヒーローアカデミア」麗日お茶子、「ダンダダン」アイラ、「BanG Dream!」美竹蘭

開城学園高校
東京の私立中高一貫校。男子校。超エリート校。

出典:アニメ「ナナマル サンバツ」公式(@7o3x_anime)より

大蔵邦光
開城高校2年。クイ研部長。高校生とは見えない貫禄の持ち主。笹島の実力を高く評価しており、彼が開城を去ってしまったことを残念に思っている。
CV.前野智昭
代表作:「刀剣乱舞」山姥切国広、「ドラゴンクエストダイの大冒険(2020)」クロコダイン、「Dr.STONE」金狼

深見誠司
真理の兄。元クイ研部員だったが現在は受験勉強を理由にクイズから遠ざかっている。顔も声も美形。真理にとっては憧れの兄だが今は少々複雑な関係。
CV.緑川光
代表作:「SLAM DUNK」流川楓、「名探偵コナン」諸伏景光、「SSSS.GRIDMAN」グリッドマン、「僕のヒーローアカデミア」ベストジーニスト

近衛春臣
開城高校2年。ピンク髪のチャラ男。
CV.増田俊樹
代表作:「忘却バッテリー」清峰葉流火、「刀剣乱舞」加州清光、「あんさんぶるスターズ!」朔間零、「僕のヒーローアカデミア」切島鋭児郎

柴田勝
開城高校2年。麻ヶ丘例会で越山や御来屋と争う。
CV.榎木淳弥
代表作:「呪術廻戦」虎杖悠仁、「2.5次元の誘惑」奥村正宗、「アイドルマスターSideM」舞田類

1年生(と中学生)役には当時の新人声優を、2~3年生の先輩役には若手・中堅声優を起用しているのが特徴。特に越山を始め1年生役の声優はほぼ全員が年齢も近かったりとキャスティングにもこだわりが感じられて楽しい。
当時は新人だった堀江瞬さん、松田颯水さん、永塚拓馬さん、山谷祥生さん、Lynnさんなど現在は人気も知名度も高い若手声優が多数出演しているのも声優好きにとっては見どころのひとつ。

またこの他にも古川慎さん、岸尾だいすけさん、八代拓さんなども出演されています。

「ナナマルサンバツ」はどこで見られる?

「ナナマルサンバツ」は2025年3月現在、dアニメストアU-NEXTDMMプレミアムなどで見放題配信されています。

※本ページの情報は2025年3月時点のものです。
最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。

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